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生きるのも死ぬのも怖い  作者: 青葉 星


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第6話


最近、必要以上に人の顔色を見ている気がする。誰かが少し声のトーンを変えただけで、私のせいかもしれないと思ってしまう。今の職場は、特別ひどいわけじゃない。それなのに、胸の奥だけがずっと緊張している。

この感じは、知っている。学生の頃と、特に中学生の頃とよく似ている。

あのときも、最初は普通だった。親の転勤でよく転校していた。


なるべく目立たないように笑って、できるだけ空気に合わせていた。最初はみんな物珍しさから沢山話しかけてきてくれる。

話しかけてもらえるのは嬉しかったし、仲良くなれると思っていた。


でも、そんな簡単じゃなかった。

放課後、遊びに行かない?と誘われても何度も断った。

本当は行きたい。でもお金がないから、とは言えなかった。親はは仕事で忙しくて、自分のことで精一杯だと分かっていたから。塾だとか、家の手伝いをするとか断る理由を考えるたびに、少しずつ自分が薄くなっていく気がした。

すでに出来上がってるグループに馴染めないのは当然で、ノリが悪いと、面白くないと思われるのは時間の問題だった。


気づいたら、机に文字があった。「ブス」「死ね」最初は一度だけ。次はノート。消しても、なかったことにはならない。


輪の中には入れなくなった。視線が合わない。みんなの笑い声とコソコソと聞こえる嫌な言葉たち。


先生も気づいても気づかないふりが上手だった。

そんな環境が私の心をすり減らしていく


ーーーーーー。


スマホが震える。画面には、大学の頃の友達の名前。「今度の休み、遊びに行かない?」

正直、行く気力はない。休日くらい家で一人、何も考えずに過ごしたい。でも、断ったらどうなるかを先に考えてしまう。また距離ができるかもしれない。誘われなくなるかもしれない。

少し迷ってから、指が勝手に動く。「行くー!!久しぶりだね!」自分でも驚くくらい、明るい文。送信して、ようやく息を吐いた。

居場所を失うのが怖くて、本当の気持ちより先に、相手の顔色を選んでしまう。

環境は違うのに、私の心をすり減らしたあの頃の記憶が今も日常の中に紛れ込んでいる。

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