第15話
第14話
朝、アラームが鳴ったあと、私は布団の中で、また今日も仕事を休んでしまったと言う罪悪感が自分を襲う。昨日の続きみたいな朝だった。生きてしまった、という感覚だけが残っている。
誰かに、この辛さを分かってほしい。でも、誰にも話せない。言葉にした瞬間、軽く扱われる気がして怖かった。大丈夫だよ、と言われるのも、まだ頑張れるよ、と言われるのも、どちらも受け止められる気がしなかった。
この気持ちを、どうにかしたくて、スマホを手に取る。YouTubeの検索欄に、「辛い」「死にたい」と打ち込む。
今を生きるのが苦しい人へ。頑張れないあなたへ。そんなタイトルの動画が、いくつも並ぶ。再生ボタンを押すたび、優しい声や、静かな音楽が流れる。
それなのに、胸の奥が、どんどん苦しくなる。
画面を見ているうちに、今までの嫌な記憶が、順番もなく押し寄せてくる。名前をからかわれたこと。机に書かれた文字。誰も振り返らなかった背中。笑ってごまかした顔。全部が、一気に戻ってくる。
涙が出る。止めようとしても、止まらない。死にたい、と思う。もう終わりにしたい。そう思う自分が、確かにいる。
でもなぜか全てがどうでも良くなったあの日、死ぬのは怖くなった。なのに今は怖いと思う自分もいる
本当に死ねるのか。途中で怖くなったらどうするの。もし死んだら、誰かは悲しんでくれるんだろうか。それとも、やっぱり迷惑なだけなんだろうか。
動画の中では、自分で人生を終わらせたら、地獄に行く、と言う人がいる。生きている今よりも、もっと辛い世界が待っている、と。人生は終わらずに、また同じことを繰り返すだけだ、と。
その言葉を聞いて、背中がぞくっとした。もしそうだったら。もし、この苦しさが終わらないなら。想像するだけで、息が詰まる。
死にたい。でも、死ぬのが怖い。どこにも行けない。どちらにも進めない。
動画を止めても、頭の中は静かにならない。優しさも、言葉も、今の私には重すぎた。
スマホを胸の上に置いて、ただ、目を閉じる。この気持ちを、どう扱えばいいのか分からない。誰にも渡せず、自分一人で抱えたまま、時間だけが過ぎていく。




