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第11話
店を出て、少し歩いたところで立ち止まった。このまま別れるのが、なんとなく怖かった。
「さっきは、言いすぎてごめんね」
そう言った私に、母は黙っていた。何も言わなかった。謝られもしなかった。、「気をつけて帰ってね」といって親と別れた。
それ以上、何も言えなかった。結局、また私だけが折れた気がした。
家に帰って、また電気をつけずに部屋に入る。静かすぎて、耳が痛い。床に座り込む。
どう言えばよかったんだろう。もっと大人な言い方があったかもしれない。感情的にならずに、母の不安も受け止めながら話せたかもしれない。そんなことを、何度も頭の中で繰り返す。
結局いつもこうだ。相手を責めたあとで、自分の言葉ばかりを反省する。あの言い方はきつかったんじゃないか。傷つけたんじゃないか。全部、私が悪かったんじゃないか。
窓を開けると、夜の空気が冷たかった。見上げると、星がいくつか見えた。星を見ながら声を出して泣いた。
「たすけて……」
自然と声が溢れた。誰に言ってるのか自分でもわからない。誰にも伝わらない。
誰にも頼れないまま、一人で考え続けている。




