サーバーってこんなキモチ
【重要なお知らせ】
作者の不備で大変申し訳ないのですが、第二章ただいま改稿中です。
改稿後、内容が少々変わることがありますのでご容赦ください。
改稿終了は3月末頃には終了する予定です。そのため、ここから先を読み進めるのはあまりオススメいたしません。
ですが本改稿は表現方法や矛盾を修正するため、物語の大筋は変わらない予定です。なので、それほど気にしないぜって方はこの先もお進みください。
「ここは………どこなんだ?」
『世界の扉よ、開け』と唱えて目の前に出現したワープホールのようなものを潜って出た先は―――またもや木が生い茂る森の中だった。
「ナビさん、ここ本当に龍獄の杜じゃないんだよな?」
『はい、ご主人様も感じませんか? ここの魔力濃度が先程までいた龍獄の杜よりも圧倒的に低いのを』
「確かに………周囲から吸収できる魔力の量が少ないな」
それに生えている植物も全然違う。あそこの植物は何ていうか、葉の一枚一枚まで魔力がふんだんに行き届いていて最早神々しいまでのオーラを感じられたけど、この森の植物からはそういったものはほとんど感じられない。
試しにそこら辺に生えてる葉っぱを千切って口に入れてみたけれど、龍獄の杜に生えていた植物で感じたような口いっぱいに広がる甘さやいい香りなどは全くしなかった。
「なーんか環境的には龍獄の杜の方が良いんじゃないかこれ?」
『あそこは特殊ですからねー、でもこっちには人や物が沢山ありますから! ご主人様だって早くこの世界の人に会ってみたいんじゃないんですか?』
「そりゃそうだ。いきなりあんなバケモノしかいない杜に飛ばされて1年半もボッチ生活してたんだからな」
『私との会話は楽しくなかったと?』
「いやいや、本当に一人だけだったら精神崩壊していただろうし、そこは本当に助かってるよ。ただ思うんだ、人肌が恋しいって………」
『そこだけ切り取ったら変質者みたいなセリフですね』
「はいはーい、そういう事言わなーい!」
『キョーヤ、なんかあっちの方に変なものがいっぱいあるよー!』
肩に乗ったプニタの指差す方向をよく見てみると、薄っすらとだが人の作った街のようなものが目に入る。
「あれは………!!」
『良かったですね、ご主人様! これでやっと人に会えますよ!』
久方ぶりの人里。気分が高揚し、つい足幅も大きくなる。
◆ ◆ ◆
「おっ、見えてきたぞ。あれが街に入るための列か?」
『簡易的な検問です。盗賊かどうかを判断する程度のものだとは思いますけどね』
「じゃあ早速並んじゃおう!」
街を囲むように作られた高い壁に一つだけある大きな門。その前に武器を背負ってる人や野菜のようなものを入れた籠を担いでいる人、馬車に乗っている人等様々な人達が並んでいる。
『はい、ですがその前にご主人様、プニタを街に入る前にどうにかして隠されたほうが良いかと思います』
「一応モンスターだから的な?」
『そうですね、見つかった際に万が一騒がれても面倒ですし………』
「オーケー。プニタ、もっと小さくなっておれのポケットの中に入っててくれるか?」
『はーい! あ、そうだ! ねぇキョーヤ、もし見つかってもいいように普通のスライムの色に体の色変えとく?』
「え、そんなことできんのか?」
『うん!』
「ならそれでヨロシク!」
いや待て、ヨロシクじゃねーよ。
よくよく考えてみろ? スライムの最終進化形態がしれっと普通のスライムに擬態してたら見分けつかなくないか? もし森でバッタリ遭遇して、「うわー、雑魚スライムだやっちまえー!」のノリで掛かっていったら逆に瞬殺されるんだろ? 恐すぎだよソレ。
『なんかキョーヤ変な顔してるよ?』
「き、気の所為だよ! さ、早く並ぼう」
『あとご主人様、この先私と人前で会話するときには直接口に出さずに頭の中で会話したほうが良いと思います』
本日二回目の「そんなことできんのか?」が口から飛び出る。
『はい! 試しに頭の中で話しかけてみてください』
『これでいいのか……? 聞こえてる……?』
『はい、バッチリです! 街の中にいるときなどはこうした方が怪しまれずに済むと思いますよ』
『確かに、一人でずっとブツブツ話してたんじゃ不審極まりないもんな。っていうかこの念話的なのプニタとはできないのか?』
『うーん、どうでしょう、魔物意思疎通スキルがあるのでできないとは言い切れないですが………』
『おーい、プニタ、聞こえるかー?』
俺はプニタに向かって頭に思い浮かべた文章を転送するイメージで話しかける。
『呼んだー?』
『おっ、成功したぜ!』
『本当に一発で成功するとは………あっ、今この状態ならできるかもしれませんね』
ナビさんが何かに気づいたようにハッと声を上げる。
『―――私とプニタの会話!!』
思えばナビさんとプニタってこれまで一回も直接話したこと無かったよな。ナビさんは俺を通じてプニタを見れたし声も聞こえただろうけど、プニタは俺の脳内でしか聞こえないナビさんの声なんて認識できるはずもないからな。
『プ、プニタ?』
『だーれー?』
『―――ッ!!』
『良かったじゃん、成功して』
『私、ご主人様―――京也様の中で様々なことをサポートさせてもらってます、ナビと言います! よろしくお願いします!』
『あ、いつもキョーヤがなにか一人でブツブツだれかとしゃべってるみたいだったのはナビさんとしゃべってたからなんだねー!』
『はい!』
『これでボクたちも話せるようになったんだー?』
『そうですね!』
話せるようになったのが嬉しかったのかその後もしばらく二人は何か色々と話し続けていた。
だが、ここでとある問題が浮き彫りになる。
『話してるとこ悪いが…………ちょっと待てお二人さん。忘れてないか俺のこと? お前たち二人が話すには俺の頭を経由しないといけないのは分かってるか?』
俺の従魔であるプニタとユニークスキルのナビさんが会話するには必然的にその媒介である俺を通さなければいけない。簡単に言えば、メールとサーバーの関係だな。俺がサーバーとして仲介しなきゃいけないわけだから、この二人が話せば話すだけ、俺の頭の中にも同じ内容が強制的に流し込まれる。
『………まぁ、一応は分かってます』
『どーいうことー??』
うんまぁ、プニタは分かんないよな。でもナビさん、お前は分かってるはずだぜ?
『分かった上でずっと話してると?』
『はい!』
元気な返事をするんじゃねぇ!!
『いいか? 二つルールを決めよう。まず一つ目。二人は話しててもいいけど、俺がやめるよう合図したらすぐにやめること。他の人と話している時に頭の中で会話が飛び交ってたんじゃ話に集中できないからな。あともう一つ、俺が寝ている間も会話禁止で。この理由は言わんでも分かるだろ』
『はーい!』
『いい返事だプニタ、んでそこの黙ってるナビゲーターさんは?』
『………はーい』
『うん、よろしい!』
俺の快適な睡眠が約束されたところで、俺の前に並んでいた人が門の中へと通される。
よし、次は俺の番だ!
今この瞬間から、俺の楽しい異世界ライフがついに幕を開ける―――(はず)!!!




