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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十九章 うまい話には裏がある

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第92話 無茶苦茶な要求

「はい、神前。それ着て踊れ。アタシにあんな格好をさせる罰だ。当然の事だろ?」 


 かなめはざまあ見ろと言うような笑みを浮かべながら今度は愛飲のラム酒『レモンハート』をグラスに注いだ。カウラも自業自得だというような視線を誠に送ってきた。


「小夏ちゃん、ちょっと僕は……」 


 誠はまだ酔っぱらっていなかったので冷静に断った。


「私もあのデザインは無いと思うのよねえ……誠君。もう少し何とかならなかったの?」 


 立ち上がった誠の背後からの声に翻ってみればそこには小夏の母、家村春子がいつものように紫の小紋の留袖を着て立っていた。今回の作品で恐怖薔薇女と言った怪物役に勝手に決められた春子がため息をついた。


「あれは……その。アメリアさんが……」 


 誠は春子はあの衣装を快諾していると聞いていたので同言い訳して良いか分からずに戸惑っていた。


「良いわよ、言ってみただけ。小夏も暴れないで着替えてきなさい。それは一品モノなんでしょ?汚れたら替えが効かないんだから」 


 そう二人の腕白モノに声をかけて春子は厨房に消えた。


「だから言ったんだよ。暴れるなって」 


 かなめはそう言ってグラスをあおった。


「そんなこと一言も言ってないよねー!」 


 誠に問いかけてくる小夏に頷いた誠の背中にかなめとカウラの視線を感じた。


「いいから着替えて来い」 


「了解!」 


 小夏はいつものようにかなめには反発してもカウラの言葉には素直に従った。明らかに気分を害したというようにかなめは灰皿を隣のテーブルから取ってくると葉巻に火をつけた。


「少しは周りを気にしたらどうだ?」 


 タバコの煙に眉をひそめるカウラの表情を見てかなめは機嫌を直した。誠もかなめといれば受動喫煙になることを知っているが口が出せないでいた。


「でも、春子さんもよく引き受けたものだな、あのような役。私だったら絶対に断るがな」 


 カウラの独り言を聞いたかなめがカウラの頭を引っ張った。抗議しようとしたカウラににんまりと笑ったかなめは口を開いた。



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