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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十六章 失敗に学ばない人

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第80話 自業自得と言うもの

「でも……そんなに長い尺で作るわけじゃないんなら別にいらないんじゃないですか?アメリアさんのキャラ。魔法少女モノに学校は必要不可欠ですが、先生に焦点を当てた作品なんて聞いた事が有りませんよ」 


 誠は正直モブキャラに過ぎないこのアメリアのキャラは要らないと思った。


「そうだな、別に学園モノじゃないんだから、必要ないだろ」 


 誠とカウラはそう言ってアメリアを見つめた。アメリアも二人の言うことが図星なだけに何も言えずにうつむいた。


「よう、端役一号君。めげるなよ」 


 がっかりしたと言う表情をアメリアは浮かべた。その姿を見てかなめはそう言って悦に入った表情でアメリアの肩を叩いた。


「なんだ西園寺。アメリアと役を交換するんじゃなかったのか?もしかして……気に入っているのか?さっきの痛い格好」 


 今度はカウラがかなめをうれしそうな目で見つめた。


「別にそんなんじゃねえよ!それよりかえでは……あいつは出るんだろ?オメエの配役だと。アイツにはどんな恥ずかしい格好させるんだ?アイツは恥ずかしければ恥ずかしいほど喜ぶから存分に恥ずかしい格好をさせちゃってくれ」


 かなめはアメリアに向って無責任にそう言った。 


「あ、お姉さま!いらしてたんですね!僕ならここにいますよ!」 


 部屋の隅、そこでは運行部の隊員と一緒に型紙を作っているかえでとリンの姿があった。二人は別に服を脱いで変態行為にふけっている訳でもなく、ごく普通に作業に集中していた。


「なじんでるな。まあかえでが女学校時代はいつもあんな感じで女子に囲まれて暮らしてたらしいからな。当然と言えば当然か。日常的に変態行為にふけっていたら狙った女を落とせないからな。普段は平然を装い、心が動いたところで行動に移す。それは昔からか」 


 あまりにもこの場の雰囲気になじんでいるかえでとリンの姿にかなめはため息をついた。同性キラーのかえでは配属一週間で運行部の全員の胸を揉むと言う暴挙を敢行した。男性隊員ならば階級に関係なく軟派野郎に制裁を加える島田にぼこ殴りにされるところだが、同性そしてその行為があまりに自然だったのでいつの間にか運行部にかえでとリンが常駐するのが自然のように思われるようにまでなっていた。


「かえで、本当に楽しそうだな。まあ、かえではどんなに恥ずかしい格好をさせられても気持ちよくなる変態だからな。まあ仕方がねえだろうな」 


 呆れながらかえで達をかなめは見つめた。誠とカウラは顔を見合わせて大きなため息をついた。運行部の女性隊員達がかえでの一挙手一投足に集中している様を見ると二人とも何も言い出せなくなった。


「アメリアさんはいるか?」 


 ドアを押し開けたのは島田だった。


「なに?ちょっと忙しいんだけど、かなめちゃんのせいで」 


 部屋で一人わめき続けているかなめを指さしてアメリアはそう言った。


「こいつのせい?全部自分で撒いた種だろうが!」 


 怒りに震えるかなめを指差しながらアメリアが立ち上がった。


「情報将校達が用事だって。なんでも今回の映画で色々機材の調達について話したい事が有るんだと」 


 技術部の貴族階級と呼ばれている5人の情報将校達が画像処理を担当するだろうと言うことは誠もわかっていた。演習の模擬画像の処理などを見て『この人はなんでうちにいるんだろう?』と思わせるほどの見事な再現画像を見せられて何度もまことはそう思った。


「ああ、じゃあ仕方ないわね。かなめちゃん!あとでお話しましょうね」 


 アメリアはニヤニヤと笑いながら出て行く。だがかなめはそのまま彼女を見送ると端末にかじりついた。



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