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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第四章 自主映画会場に着いて

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第21話 魔法少女の登場と反撃

「あ!外道がサボってますよ!まったくタバコを吸うのと酒を飲むのと仕事をサボることしかしないから外道って呼ばれるんだ。そんくらい考えねえのかな?」 


 劇場の中から甲高い声が響いた。そこにはフリフリの魔法少女姿の小夏がかなめを指差して立っていた。


「おい、ちんちくりん!人を指差すなって習わなかったのか?縁起が悪いんだ、よく覚えとけ」 


 そう言ってかなめは小夏にずんずんと近づいていった。小夏の周りには慣れている誠ですらどうにも近寄りがたいオーラをまとった男達と小夏の友達の中学生達が遠巻きに立っていた。


「とう!」 


 突然の叫び声と同時に、誠の目の前ではかなめの顔面に何かが思い切り飛び蹴りをしている姿が見えた。その右足はかなめの顔面を捉え、後ろへとよろめかせる。そして何者かが頭を振って体勢を立て直そうとするかなめに向かって叫んだ。


「やはり寝返ったな!キャプテンシルバー。このキラットサラが成敗してあげるわ!」

 

 それはピンク色を基調としたドレスを着込んだサラだった。手にステッキを持って頭を抱えているかなめに身構えた。


「テメエ……テメエ等……アタシを怒らせてどうなるか分かってんだろうな……ただで済むと思ってるわけじゃねえだろうな……」 


 かなめは膝をついてゆっくりと立ち上がった。サイボーグの彼女だから耐えられたものの、生身ならばいくら小柄のサラの飛び蹴りといっても、あの角度で入れば頚椎骨折は免れないと思いつつ、誠はサラ達の様子をうかがった。


「さすがグリファンさん!反撃ですよ」 


「違うわ!なっちゃん。私はキラットサラ!魔法で世界に正義と愛を広める使者!行くわよ……グヘッ!」 


 サラの顔面をわしづかみにして締め上げるかなめの顔には明らかに殺気が見て取れた。


「卑怯だよ!かなめちゃん。ちゃんとこういう時の主人公側のせりふが続いているときは……痛い!」 


 サラが必死になって言い訳する間もかなめのベアークローは続いていた。


「ほう、続いているときはどうなんだよ?早く言えよ。口は開いてるぞ。良いんだぜ、アタシはこのままお前の顔面を握りつぶしても、なあ神前」 


 そう話を振ってくるかなめに観衆は一斉に眼を向けた。


 明らかに一方的に女性を痛めつけている軍服を着た女とその仲間がいる光景は異様だった。群集はかなめへの反撃を警備担当である誠に要求していた。


「あのー、二人ともこれくらいにしないと。人が見てますから。西園寺さんもそれ以上本気で握ったらサラさん死んじゃいますよ」


 何も知らない群集ではなく誠はかなめの怖さは十分認識していたのでできるだけ穏便にと静かに声をかけた。 


「おお、そうか。神前もここでこいつの人生を終わらせるのが一番と言うことか。安心しろ、サラ。痛がることも無くすぐに前頭葉ごと握りつぶして……」 


 そこまでかなめが言ったところで今度は竹刀での一撃がかなめの後頭部を襲った。



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