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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第四十五章 物語の結末

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第196話 物語の終わり

 バイザーを降ろした画面には夕暮れの河川敷が写されていた。魔法少女のコスチュームの小夏、サラ、ラン、そして誠とかなめ。その隣には悠然とパイプを吹かしている明石の姿があった。さらになぜかカウラ、ルカ、嵯峨の姿まであった。


「ランちゃん……」 


 夕焼けの中、小夏を見つめて立ち尽くしているラン。手を伸ばされてもしばらく躊躇していた。


「貴様も私も裏切り者ってわけだ。まあ、機械に意志などと言うものが有ればの話だがな」 


 そう言ってかなめは小夏とランの二人の手を握らせた。ランの隣にはランの国の助力に向うことになった誠ことマジックプリンスの姿もあった。


「機械魔女が機械帝国に逆らうとは……いつか消されるぞ。それでも逆らうと言うなら貴様には意思が有ると言うことだ。もう戦うだけの機械ではない。一人の人間だ」 


 ランの普通の女の子のまねをして搾り出した言葉にかなめは笑みを浮かべた。


「所詮アタシは機械だ。寿命がくれば壊れるものさ。人間にも寿命が有るだろ?それと同じことだ。ただ、ブラッディー・ランよ。別れる前に私を人間扱いしてくれて感謝するぞ」 


 そう言うとかなめはランの手を握り締めた。


「よし、小夏だけじゃ心もとないものね!」 


 そう言ってサラがその手を上に載せた。


「プリンス!」 


 小夏が誠を見つめてきた。全身タイツの誠もそこに手を乗せた。


「いつか……きっと救えるよ。諦めなければ!ランちゃん頑張ってね。そして誠二お兄さん。ランちゃんの国を機械帝国から解放したら必ず帰ってきてね……カウラお姉ちゃんも待ってるから」 


 小夏の言葉に全員の決意の表情が画面に映った。


「ああ、帰ってくる。カウラ。待っていてくれ」


「誠二さん。待っているわ」


 見つめあう誠とカウラ。それを満足げに見つめる明石。そこで画面が途切れた。


「あれ?これだけ?」 


 小夏は起き上がって新藤を見つめた。


「あっさりしすぎてないか?それともいろいろといじるのか?」 


 小夏を無視して画面を見つめている新藤にランも声をかけた。


「まあ、そんなところかな……」 


「なんだよ、これだけならオメエが編集してつくりゃあ良いじゃねえか」 


 ようやくいつもの調子に戻ったかなめが愚痴った。


「さあ、それじゃあ見せてもらうわよ。新藤さんの実力と言う奴を」 


 挑発的な言葉のアメリアだが、新藤はまるでかまうつもりは無いと言うように相変わらず画面を覗いていた。


「そう言えば西園寺はさっきいなかったのはタバコじゃないな。トイレで何をしていた。言ってみろ」


 カウラは詰問口調でかなめに迫った。 


「カウラ。純情なオメエには知らなくていいことだ。かえでやリンはあのトイレでよくしているらしいことだ。何も言うな……ってその目はなんだ!アメリア!オメエもかえでが来てからあそこに人が来ねえことを知っててやってるところ見たことあるんだぞ!良いのか!そのことを神前に話しても!」 


 かなめは再びニヤニヤしているアメリアを怒鳴った。


「寂しいのね、そうなのね、かなめちゃん。だから自分で自分を慰めて……」 


 その言葉を聞くと顔を真っ赤にしたかなめはカプセルから飛び起きた。部屋を出て逃げ出すアメリア。猛然と襲い掛かるかなめ。


「元気があっていーねー」 


 もはや呆れたと言う状態を超えたと言うようにわらうランの姿がそこにはあった。誠はアメリアとかなめの行動の意味がわからずに呆然としていた。


「何か言いたそうね」 


 顔を出すサラ。誠は頷くが口に手を添えて忍び笑いをするだけでサラは何一つ答えるつもりは無いように見えた。諦めた誠は廊下の外のかなめの叫び声を聞きながら苦笑いを浮かべていた。



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