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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第四十三章 突然クライマックスにする

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第181話 お約束が破られて

『いつも思うんだけどなんでこのときに攻撃を仕掛けないかな……』 


 そんな不謹慎なことを考えていた誠だが、やはり同じ意見のようなリンはきっちり肩のミサイルポッドからミサイルの雨を浴びせてきた。


「うわ!」 


 お約束は守るだろうとたかをくくっていた小夏が顔面からコンソールに頭をぶつける様子が目に入る。笑いをこらえながら誠は叫ぶ準備をした。


「卑怯だよ!」 


「戦いに卑怯も何も無い!油断するな!キャラットなっちゃん!」 


 誠の台詞に小夏は元気一杯よみがえった。


「こんな攻撃で変形は止められないよ!」 


 そんな叫び声にあわせて変形が進行した。さらに高鳴る音楽を聴いてさすがのリンも空気を読んでおとなしくしていた。お約束の腕が伸び、首が回転し、ひざが伸びてロボットの形になった。そのままどういう理屈か良く分からないエンジン音を流しながらがっちりと採石場の中央にロボットは着地した。


「マジューンシュペルターロボ!見参!」 


 小夏は得意げに見得を切ってみせた。今後突っ込みどころがあっても完全に出来上がったモードの小夏に誠は黙っていようと心に決めた。


 誠の目の前、五人全員からみえる巨大なモニターにはすでに第二波のミサイルが映し出されていた。


「うわー!」 


 小夏の大げさに過ぎる叫び声を聞きながら巨大ロボはそのまましりもちをつくような感じで倒れた。


『憎し!この世界!憎し!』 


 理性が破壊されているらしい渡辺リン大尉こと巨大化した機械魔女メイリーン将軍は巨大な鞭を手に倒れたロボに襲い掛かった。


「かわすよ!」 


 小夏の叫び声で右に大きく転がってリンの攻撃を避けた。リンは再び鞭を振るう。そして小夏が避けると言うことが繰り返された。


『良く動くな。このロボ。島田さんの合体ロボの原画もかなり動いてたからな……こっちの方が合体が無い分自然に動けるな』 


 誠は半分観客気分でころころ転がるので揺れまくっているロボの中でアトラクション気分を満喫していた。


「これなら!」 


 胸の前で腕を十字に交差させると言うまったく意味の分からないポーズをとったサラが目の前の一つしかないボタンを押した。いきなりロボのバックパックからジェットが噴射され、浮き上がったロボが体勢を立て直した。


『こういうのがあるなら早く使えば良かったのに』 


 そう思いながら隣を見ると、飽きたような感じのかなめことキャプテンシルバーがあくびをしていた。


「かなめさん、戦闘中ですよ!」 


「だって仕方がねえだろ?することねえしよ」 


 そう言いながら素に戻ったかなめは再びあくびをした。


「今度はこっちの番だよ!」 


 小夏の叫びとともに目の前の空間に手をかざしたロボ。光に包まれたその手には巨大な剣が握られていた。


「チャンバラか」 


 興味がなさそうにかなめがつぶやいた。誠はただ冷や汗をかきながらそんな彼女を見つめていた。


「ふっ!たかが剣の一本で!」 


 そう叫んだリンの鞭がうなりをあげてロボを襲った。


「舐めるな!」 


 ランがそう叫んで目の前のレバーを下げた。ロボの頭部を襲おうとした鞭は空を切った。そしてロボの剣が鞭を切り落とした。


「なっ、何!」 


 巨大メイリーン将軍はうろたえた。再び剣を握りポーズをとるロボ。



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