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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第四十二章 場面も押し迫ってきて

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第176話 アジトでの新展開

 しばらく暗闇が続き、すぐに以前見たアジトっぽい雰囲気の部屋が映し出された。


 相変わらずかえでの役のカヌーバ皇太子の前には緞帳のようなものが下りていて素顔を見ることができない。静々とランが進んできた。そのまま彼女は緞帳の前に立てひざでかしこまった。


「黒太子、メイリーン将軍の作戦は失敗しましたが……」 


「もう良い!」 


 かえでの凛とした声が響いた。さすがの誠もこういう凛々しい感じはかえでに向いているなあと思いながら見つめていた。


「もう良いとは?もう良いとはどういうことでしょうか?」 


 ランはすがるような声で顔を上げて影だけのかえでを見上げて叫んだ。


「有機生命体には期待するなと父上がおっしゃっていたが……貴様を見てそれが真実だと私は気づいたところだそれにメイリーンが倒れただと?」 


 その言葉とともにいかずちのようなものがランに放たれた。


「ウグッ」 


「私を勝手に破壊されたと判断されては困るなあ」 


 ランはそのまま倒れこむ。そしてその視線の前に現れたのは以前の姿よりさらに機械の部分が増えて悪役っぽくなった機械魔女のメイリーン将軍ことリンだった。


『アホだ、あの人アホだ』 


 その怪しげな笑いを見て心の中で叫ぶ誠だが、妖艶な笑みを浮かべながら動けずにいるランのあごを手で持ち上げる姿にひきつけられる誠だった。


「やはり弱いな、有機生命体は。あの程度の仕置きで動けなくなってしまうとは……」 


 明らかにノリノリなリンをこちらも乗っているランが見上げていた。


「貴様……貴様達はじめから……」


 ランは痛みに耐えながらかえでの顔を見上げた。 


「そうだ、お前には最初から何も期待などしてはいない。運がよければあの雑魚どもの始末もできるかと思ったが、刺し違えることすらできないとは……ほとほと情けないものだな」 


 緞帳の後ろのかえでの冷酷な声にランは唇をかみ締めた。


「さあ、亡国の姫君。今すぐに父上と母上のところに行ってしまいなさい!」 


 そう言うとリンは鞭を振り上げた。だが、ランはその鞭をすんでのところでかわした。焼け焦げたマントの下で肩で息をしながらリンをにらみつけていた。


「まだ動けたとは……さすがと言っておこう」 


 そう言うとリンは次々と鞭を自在に操って攻撃を仕掛けた。だが、傷つけられながらも致命傷は受けずにランは逃げる機会を探した。


「しつこい!いい加減に!」 


 そう言って一度鞭を引いたのを見るとランは手を顔の前にかざした。


「しまった!」 


 リンが呪文を唱えて電流を含んでいるようなエフェクトのかかった鞭の一撃を放ったのは何もいない空間だった。


「転移魔法……」 


 リンは驚いたような表情をうかべてかえでの方を見つめた。


「失態だな、メイリーン将軍。ここでの処分は君に任せる。あらゆる手段を用いてこの世界を征服したまえ。いいか、あらゆる手段を使ってだ」 


 緞帳の裏のかえでの言葉に戸惑ったような顔をするリンだが、そのまま去っていく影に深々と頭を下げた。


「あらゆる手段……仕方あるまい」 


 そう言うとリンは立ち上がって謎っぽい機械の中に消えていった。



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