第124話 昼食休憩に入って
画面の中でリンが十分にかなめの折檻を楽しみ終え、かなめがリンの責めを己の快楽のために求め始めたというところで画像が消えた。
「あっちもお休みみたいですね……と言うかこんなの本当に市役所の依頼だからって作って良いんですか?そっち系の人が喜びそうな内容になっちゃってますよ。それに西園寺さんも目覚めちゃったみたいですし……良いんですか?こんなの流して」
そう言って苦笑いを浮かべながら誠は伸びをした。確かにこれ以上リンがかえでを責め続ければとても子供の見る作品には成りそうにないので当然のことだと誠は思った。
「まあ……なんて言うか……みんな本性が出るもんだな。俺も気を付けよう。それとかなめも結局はかえでと似た者同士なんだな。さすが姉妹だ」
頭を掻きながら感心したようにそう言うと嵯峨はそのまま立ち上がった。
「隊長……大丈夫ですか?顔色悪いですよ」
いつの間にか自分のデスクに戻って仕事を続けていたアンが青い顔の嵯峨を見上げた。
「大丈夫だろ?俺はこう見えても不死人だぜ。医者のお世話になることなんて無いよ。それに数なら不死人じゃない神前の方が食べてるんだ。あーあ、胃がもたれる」
嵯峨はそう言い残して部屋を出て行った。三段目の半分以上を食べつくされた重箱とポットと急須が残されていた。
「アン軍曹。悪いが急須の中を代えてくれないか?」
誠はアンに対して少しは先輩らしくしようと威厳を込めてそう言ってみた。
「了解です!」
カウラの言葉に椅子から跳ね上がったアンは、そのまま誠に笑顔を浮かべて急須を持って部屋を出て行った。
「ふう、カウラさん。さすがにあれだけ甘いものを食べ続けると腹が膨れますね。さすがの僕でもお腹いっぱいですよ」
これで最後にしようと誠はおはぎを口に運んだ。さすがに口の中も甘ったるくなって嵯峨の気持ちも理解できるような気分だった。
「今、女将さんはあっちの部屋に居るんだろ?だったら食べるのはやめてしばらく休めばいいのに。無理して食べるとまた吐くぞ」
カウラもさすがに甘さにやられたようで、明らかにペースを落として一個のおはぎをゆっくりと食べ続けていた。
「まあ、あっちはこの程度では足りないくらいなんじゃないですか?アメリアさんは甘いものには目が無いですからね。まああの人は確かに大柄ですけどラスト・バタリオンだからあまり食べませんが、甘いものに関しては別腹みたいですから」
その名前を聞くとカウラもアンも納得したように頷いた。
「確かにな、いくらラスト・バタリオンが少食とは言え、アメリアならあれくらいの量は食べるだろう。私もまだまだ行けるぞ」
そう言ってラスト・バタリオンとしては例外的な大食漢であるカウラはおはぎを食べ続けた。その様子を見て誠はさらに胃のあたりに違和感を感じるようになっていった。




