9話マガイモノ
少年は身長3m、顔が1本の触手となり足が3本ある異形へと変貌を遂げ、洋介を庇った香留が腹部を貫かれる。触手から血が滴り落ち血溜まりができる。そのまま触手は勢いよく引き抜かれ力なく香留が地面へ倒れる。
「香留!」
倒れた香留の元に洋介が駆け寄り抱き抱える。
(俺のせい、俺が敵だと見抜けなかったから、アイツは?変身能力、格が違う、まさかニャルラトホテプ?神格がなぜ?まずい香留がこのままだと死ぬどうすれば?)
(とりあえず逃げる!)
香留を抱き抱えニャルラトホテプから距離をとる。
<物質創造・鉄筋コンクリート壁>
(とにかく重ねて自身を囲う!)
刹那触手の一振りによってその全ての壁が切断される。そしてその命を奪うべく触手が振るわれる。
(なんだあの異形、ムーンビーストやショゴス、今まで出会ってきた異形と一線を画している。それこそ神と同格の気配...)
魔術でムーンビーストを倒すが減ったとはいえまだムーンビーストが出てくる。
(どうする?あの二人を助けるか?脱出するか?呪文持ちだ駒として捨てるには惜しいがここは脱出しよう。)
そう考えていると洋介が創った壁を破壊し触手が洋介達に迫る。
(ああ!クソ!)
<神格解放>
純白の片翼が生える。
<自然魔法・青氷薔薇>
一瞬でムーンビーストとニャルラトホテプを凍らせる。
(神格を使用すると神化が促進される。つまり寿命が縮む。その分コイツには手伝ってもらわないと)
洋介の元に飛んでいく。
「洋介!この氷も長くは持たない。逃げるよ!)
「でも香留が!」
かすてらが香留の首に触れる。
「もう脈拍ない。それにここまで腹に風穴開けてたら死んでるよ!」
「俺にやったみたいに回復はできないのか!?」
「あのアーティファクトは数が限りがあるし、作れない。あれは最高神戦で必須、ここで使えない。」
「なら見捨てるってのかよ!」
「そうだよ!それにあれで死んでる人間を蘇生できるかなんてわからない!ここで使えねぇんだよ!」
言い合っていると氷結が溶けニャルラトホテプが奇声を上げる。
「来るよ!」
触手が薙ぎ払われあたりの店や柱が切断される。
「さっきの氷結いけるか?」
「任せろ」
<自然魔法・青氷薔薇>
しかし今度は触手を犠牲に本体は凍らず。自身の凍った触手を破壊し再生する。
「マジか...」
不規則にながら払われ続ける触手をかすてらは完璧に回避していくが洋介は回避しきれずに刀で受け止める。しかし刀さ粉々になり吹き飛ばされていく。
<自然魔法・雷閃>
かすてらが高速移動し洋介を受け止めにいく。しかし受け止めると同時に勢いを殺しきれずいっしょに吹き飛ぶ。
<自然魔法・風破>
「やっぱり月見里は無理だ諦めよう!」
「でもせめて遺体だけでも!」
「無謀だ!現実を見ろ!」
そう言い合いをしていると再び触手が飛んでくる。
「俺は香留を回収する。」
「勝手にしろ!」
洋介が触手をギリギリでかわし香留の元へ向かう。
しかし触手攻撃の量が増えてかわしきれなくなっていく。
(まずいもう無理、死ぬ...)
<自然魔法・造山>
触手に切り裂かれら直前に間に岩の山ができる。
(今だ!)
香留の元へ着くと香留の死体はブクブクと膨張しており細胞が異形へと変貌している。その変化は止まらず巨大化していく。
(何が起きている!?)
そして香留は触手が生えもはや生物と呼べるかもわからない肉塊となりその原型はもはやどこにもない。そして無差別に攻撃を始める。
<自然魔法・雷装武具>
雷のクロウと足に装備を作る。
<自然魔法・雷閃>
そして洋介の元にいき回収し飛び立つ。
「あれ何?」
「わからない」
香留だったものは破壊を繰り返し凍っていたムーンビーストを捕食する。すると手足のような物が生える。そしてニャルラトホテプに向かって突っ込んでいく。幾度もなく触手で切断されるがその度に再生し怯むことなく向かっていく。そして行われるのは虐殺。再生能力がニャルラトホテプの攻撃を凌駕し一方的に殴り殺す。そして動かなくなったニャルラトホテプを捕食する。そして食べ終わると洋介達の方を見る。
「ねぇあれこっち来るよね」
「そうだろうな」
「あれは多分今は倒せない。逃げて」
「お前置いて逃げれるか。お前はまだ子供だ!俺が残る」
「倒す算段はある!洋介巻き込むから逃げろって言ってんの!」
<門の創造>
足元に門を作り落とす。
「さぁ邪魔はいなくなったしやりますか。」
(ニャルラトホテプが死んでから連絡はできるようになっている。ニャルラトホテプとの戦闘で弱っている今がチャンス。)
<アーティファクト・魔道武具>
青色の中に浮く短剣が出てくる。
「全力注入」
するとその短剣は大きくなりショッピングモールをゆうに超える大きさになる。
そして手を振り下ろすと同時にその大剣も異形に向かい振り下ろされる。そしてそのまま大地ごと切る。
「やべぇショッピングモールごとやっちゃった。」
そう言い地面を見ると人が倒れている。それを見るなり見にいくその場には月見里香留が倒れていた。
「コイツ、使えるな」
そういい香留を連れ洋介の元に合流するのだった。
「アイツがかすてらか...規格外だな...アイツを使えば最高神殺害も現実味を帯びるな」
そういい人混みに紛れていく。




