11話太陽と月
月宮結衣が現れてから重苦しい空気が張り詰める。
(ここ最近ずっと重苦しい、前まではかすてらさんと社長との掛け合いがあったけど今は...重い)
そんな空気感が4日間続いて金曜。
かすてらが重苦しい空気感を切り裂き口を開く。
「あーもう一旦リセット!」
そう叫び言葉を紡ぐ。
「こんな空気感で神なんて殺せるか!」
「そうです。一回リセットしましょう!」
はぁっと洋介はため息をつき返答する。
「そうだな。」
「月見里、私なりに推測したんだけど多分お前がバケモノになる条件は致命傷、もしくは絶命。そしてバケモンになったら強いやつから順に無差別に襲う。」
「それに関してなんですけど多分それ以外にも自らの意思でなれます。でも、短時間だけ。少しずつ何かに飲まれるような感覚があって時間経つと多分暴走します。」
「そういえば呪文持ってただろ?その呪文ってどういう呪文?」
「運動量を操る呪文です。例えば摩擦消したり、ベクトルいじって反射したり逸らしたり重量いじったり色々できますよー。」
「チートじゃん...」
そうかすてらが溢すと香留が補足する。
「でも公式に当てはめて計算しないと運動量を操れないという弱点があります。だからショッピングモールの時みたいな反射は現実的ではないですよ。」
そう残念そうに告げる。
「でもかすてらさんみたいな知能があればできるかもしれないですけどね。」
そう言い笑う。
「じゃあ次の神殺しの時は何か投げて加速させて吹き飛ばす戦法で後方支援かなー?」
よっとと立ち上がり帰る支度をする。
「じゃあ私は今日は帰ろっかなー」
帰ろうとしドアノブに手をかけるかすてらに洋介が声をかけて止める。
「そういえば月宮はどうするだ?」
かすてらが歩みを止め振り返る。
「大丈夫。こっちでどうにかするよ。」
そう言い残し部屋を去る。
土曜日
「もはや会社前集合が当たり前になったな。」
少し残念そうに言いつつこれから行われることへの覚悟を決める。
「さぁ準備はいい?」
「ああ」
「はい!」
人目のつかない所へ移動し呪文を使う。
<門の創造>
4人が門を潜るとあの島へ着く。
「さぁやろう。あとこれ渡しとくね。」
そう言い封印の宝玉を1つずつ渡す。
「出てきた神に宝玉を触れさせて使ってね。必ず1体につき1個必ず。<神格解放>使われたら負け確、使われる前に封印ね」
じゃあ洋介よろしく。と言い腕を広げ身を差し出す。
<物質創造・刀>
再び覚悟を決める。
洋介がかすてらを刀で切り付けようとする。
「ちょちょちょ!」
香留がそれを驚き止めに入る。
「ああ、話は洋介から聞いたでしょ?最高神の眷属の神を呼ぶ為には私が命の危険に晒されないといけない。だから私を切り付けて意図的に召喚して殺す。そゆこと。」
説明を終え再び洋介に刀を振らせる。
「大丈夫だって分かってもヒャッとしますね。」
「くるよ。」
刀がかすてらに触れる直前光と共に弾かれる。
(刀が溶けた?)
<自然魔法・風刃>
しかしその魔法は神に届く前に打ち消される。
「ここは?命の危険だったんじゃないのか?」
陽炎と共に姿を現す。橙色の燃えるような髪と目、派手な服を着た20代に見える男が姿を現す。
(効いてないか...)
「洋介!月見里!」
<物質創造・刀、投げナイフ>
投げナイフ10本を香留に渡し刀を構える。
「あの神はヤバいかも...あれはなんとなく分かる。アマテラス。」
「あの太陽神!?」
香留が驚く。
「策は?」
洋介がかすてらに聞く。
「詳しい策はない!だけどとにかく宝玉を使う!」
アマテラスが口を開く。
「ああもしかして俺を殺そうとしてる?」
口調は柔らかく親しげに話しかけてくる。かすてらが月見里に合図を送る。
<運動量操作・加速>
投げられたナイフは音速を超え衝撃波を生みナイフがアマテラスにぶつかる前にアマテラスの周りにある透明の壁にぶつかりその壁にヒビが入る。
(いくら魔力障壁が苦手だからってここまでか...まずアイツからか)
<日炎・閃炎>
放たれた炎が高速に飛んでいく。
「香ー」
かすてらが反応し月見里に伝えようとするが伝えるより早く炎が香留に命中し爆炎に包まれる。
「月見里!」「香留!」
まずい化ける!
「洋介!離れるぞ!」
話すないなや爆炎の中から肉塊が膨張し現れたのはショッピングモールの時より異形化の進んだ化け物だった。その化け物は捕食したものの要素を適当に組み入れたかのような姿に変化していた。そしてアマテラスに向かっていく。声にならない咆哮を上げながら。
(今なら暴走した香留を使って封印を!)
<自然魔法・光閃>
香留と共にアマテラスに向かっていく。
「おい!かすてら!」
<神格解放>
まるでその場に太陽が出現したかのように閃光が迸り気温が上昇する。その高温に森や地面は焼ける。そして異形化した香留が焼け死にかすてらも焼けていく。
(まずいこのままだと香留もかすてらも死ぬ!)
刀が青白く光輝き即座にかすてら達の前に立ち塞がり一振りで炎を払う。が即座に刀は溶け焼き爛れる。
チリン
鈴の音と共にあたりは凍てつき熱は冷める。
「殺す気?ダメだよ契約違暴走反、やりすぎ。」 「ツクヨミ...」
神格を解く。
「ああそうだな。」
ゲートを展開する
「じゃあ後はツクヨミ任せた。」
ツクヨミは目配せしゲートに潜り消えていった。




