2話 怪物が芽吹く
"雨"は天井をするりと通り抜けて、私たちに降り注いだ。本来ならあり得ないこの事象に普通は困惑するが、そのときの私たちは雨なんかより、雨に打たれた周りの人に、目が釘付けになっていた。
「ぐわわぁぁぁがぁ、あ、あ、ぁ、ぁ、あ、あ、あ?」
私たちの近くでうずくまっていた紳士の肌に青白い粒が付着した瞬間、その箇所から広がるように肉がみるみる膨らみ、顔も変形して鋭い牙のある化け物のような顔になった。自重を支えることが出来ずに四つん這いになったソレは、もはや人間とは言えない何かになっていた。
デパートのいたるところで絶叫が聞こえてくる。
私たちは絶句した。それと同時に、この傘を握る力が一段と増した。この傘が無ければ、私たちもああなっていたのかもしれない。目の前の怪物よりも、その可能性に恐怖した。しかし、すぐに私たちはその怪物にすら、恐怖することになる。
「あ?、あ?、あ?」
怪物が、一歩一歩こちらに近づいてくる。私たちは思わず手すりの方にまで後退した。レベッカが濡れた手すりに触ろうとしている。
「触っちゃだめ!!」
私はレベッカの腕をすんでのところで掴んだ。だがそれと同時に、目の前の怪物がこちらに突進してきた。
———バリーーン!!
私たちが間一髪で避けると、怪物は手すりを破壊してそのまま1階にまで落下した。1階のほうを見ると、落下して動かなくなった怪物の他に、"人々"が雨に打たれながら別の怪物に追いかけられていた。
それと同様のことが各階で起こっている。いたる場所で人間の悲鳴と化け物の叫び声が聞こえてくる。怪物になった人間と、ならなかった人間がいるようだ。
私たちと同じ階にいた人たちが、怪物に追われてこちらにやってくる。ここには階段があるのでそれを使って外に逃げようとしているのだろう。彼らは皆身体が濡れており、私たちがそれに触れたら怪物になる可能性がある。
私たちは人間と怪物、両方から逃げるように階段を駆け降りた。雨が身体に当たらないよう細心の注意を払いながら。
階段を降りる途中、今まで黙っていたレベッカは溜め込んでいたものを吐き出すように叫んだ。
「いったい、どうなってんだ!!なんなんだこの雨は!!ふざけるな!!」
「れ、レベッカ!離れないで!雨に当たっちゃう!」
私は走るレベッカに必死に近づきながら、彼女の興奮をなだめようとする。
「今はどちらにしろ雨に当たらなければ怪物になることはない。この傘が、私たちを守ってくれている。だから落ち着いて、レベッカ」
レベッカは私の顔を見ると、冷静さを取り戻し、1回頷いてから再び前を見る。
「……フランの父ちゃんに、あとでしっかりと問いたださないとだな。フランにこの特別な傘を持たせたってことは、こうなることを知ってたってことだ。けど、今は感謝だ!おかげで生きてる!フラン、外に出よう!ここは密集してる!」
「うん!」
1階は特に人が多かったからか、地獄絵図になっていた。怪物によって食い荒らされた死体がそこら中に転がっている。間近にそれを見ると、思わず吐き気が襲ってきた。
出口の扉だけを見るようにしながら、私たちは走る。
背後の悲鳴を聞かないようにしながら、私たちは走る。
触れることができないのでレベッカは扉を蹴り飛ばす。外に出て、まず目についたのは、逃げ惑う人々、炎をあげる車、異形の怪物。そして、雲が徐々に消えていく空。
雨は止み、眩い太陽と美しい青空がベリンを包み込む。それと同時に、十字路の惨状がより色彩を持って目に飛び込んできた。
私たちはとにかくデパートから離れることにした。後ろから怪物の鳴き声が聞こえてきたからだ。雨はもう降っていないが、傘は閉じなかった。電線から滴る雨粒で怪物になったら最悪だ。
離れたところで、私たちに安全な場所はない。けど、行かなきゃならない場所はある。
「レベッカ、その、家族は……」
「うちの両親は今日郊外の森に趣味の鴨狩りに出かけてるから多分大丈夫だ」
「私は、ママがまだ家にいるの……。家がベリンの近くで、だから……だから………」
「フラン、すぐに向かうぞ。大丈夫、飛行機を見ただろ?あれだけの数じゃ雲だってそんなに広がってないさ」
「う、うん……」
(家は近くとは言っても郊外だ……大丈夫……きっと大丈夫……)
自分自身にそう言い聞かせた。母の姿を思い浮かべると、あの怪物たちの顔が頭をよぎってしまう。だからなるべく、考えないようにした。
▲▽▲▽▲
私たちは私の家がある南東方向に向かって移動している。その道中で、怪物たちの特性についてわかったことがある。
彼らは音に敏感に反応する。デパートにいたときもそうだったが、悲鳴をあげている人のほうを優先して襲っていた。なので私たちはなるべく急ぎつつも静かに移動し、道を怪物が塞いでいたときは、近くに落ちてる物を投げて音をたてることで、その場所から引き剥がす。これを繰り返して進んでいった。
「……にしても、まさか人があんな怪物に変わっちまうなんて……。あの雨は敵国の新兵器なのか?」
「……わからないけど、人為的なのは確かだよね。それに、極悪非道で最低な奴が考えたものだよ。きっと」
「ちげぇねぇ」
「……まだデパートの中にいた人たちは、無事かな……?」
「……今は他の人間に構ってる暇はない。自分の身を守らないと。それと、フランのこともな!」
レベッカはそう言ってニカッと笑った。
「私だって、自分の身は自分で守れるよ。私のほうこそ、レベッカをちゃんと守ってあげるよ。この傘でね」
私は傘をくるりと1回転させた。
「その傘、なんか持ち手に文字が書いてあるぞ」
「え、ほんと?」
私は持ち手の部分をよく見てみると、小さな白い文字が目立たない場所に刻まれていた。
『erase F』
「……Fを消せ?」
「いったいどういう意味だ?」
「……わからない。お父さんはどうしてこの傘を……」
謎は深まるばかりだ。判明しているのは、父がこの"雨"のことを知っていたということ。そしてこの傘はその雨を防ぐことができるということ。
父は今日、会社に泊まり込みをすると言っていた。私は父の会社がどこにあるのか知らない。父が具体的にどんな仕事をしているのか聞いたことすらない。
私は、家にいる父しか、見たことがなかった。
(……ママに会ったら、次はパパを見つけなきゃ。……ちゃんと、話しをしなくちゃ)
そう思っていると、レベッカが急に立ち止まった。私も慌てて立ち止まり、傘がレベッカの上にあるかを確認した。
「ど、どうしたのレベッカ?怪物が近くにいるの?」
「フラン、傘どけてくれ」
「け、けど———
「はやく!!」
「———!」
私は怒鳴られて咄嗟に傘を閉じた。恐る恐るレベッカのほうを見ると、彼女は唖然とした表情で上を見上げていた。私も同じように見上げると、そこには恐るべき光景が広がっていた。
「ら、落下傘部隊……」
空高く飛ぶ飛行機の中から、青空を横断するかのように、黒いパラシュートが1列に浮遊している。その異様な光景を私は前に一度、雑誌で見たことがあった。
「キャンドル王国の精鋭部隊"コルボノワール"……どうして彼らが空から……」
「そんなの決まってるだろ!攻めにきたんだよ!これで決まりだな!"雨"を降らしたのはあいつらだ!くそ!フラン、はやくここを離れるぞ!奴らが降ってくる!」
「待て」
「「———!」」
低い女性の声が突然後ろから聞こえてきた。私たちは驚いて振り返り、2、3歩後退りする。そこに立っていたのは、灰色の軍服を見に纏った、白髪の女性だった。背が高く、軍服なのも相まって威圧感のある風貌だ。
「そっちには行くな。化け物が多くいる。あと、官邸付近には近づくな。……上の奴らが向かう場所は恐らくそこだろう。命が惜しいなら私について来い。安全な場所に連れてって……おい、お前たち、なぜ身体が濡れていない」
「あの、それはこの傘のおかげです」
「……傘だと?」
「この傘は雨を通さなかったんだ。だから私たちは怪物にならずに済んだ。……あんたは、軍人さんか?」
「そうだ。口の利き方には気をつけろよ小娘。……それより、もしその話が本当なら、お前たちには安全な場所ではなく、我々の臨時本部に来てもらう」
「は!?どうしてそんな———
レベッカが詰め寄ろうとすると、目の前の軍人は拳銃を取り出してレベッカに突きつける。レベッカは急停止して1歩後ろに下がった。
「これは命令だ。いいか、今は戒厳令が出されている。軍の命令は絶対だ。肝に銘じておけ。……なに、心配するな。悪いようにはしない。ただ少しその傘について尋問すべきことがあるだけだ」
「「………」」
私たちは従うしかなかった。その軍人は道中、何か尋ねてくることはなかった。私たちもただ黙って彼女のあとについて行く。不思議と、この人と一緒になってから怪物と遭遇することが無くなった。それに逃げ惑う人たちもまったく見かけない。私は意を決して質問してみることにした。
「あ、あの!」
「……なんだ」
「この辺りには、どうして怪物がいないんですか……?」
「私がすべて駆除したからだ」
彼女は前を向きながらさらっと口にした。
「だ、だったら住民は……」
「全員避難させた。このあたりは軍の駐屯地に近い。そこにひとまず移動させた。……その駐屯地も、この雨で多くの損害が出た。軍人の半数が怪物になるかソイツに殺された。おかげで住民が住めるスペースができたわけだが」
「その怪物はどうしたんだよ」
「全て殺した」
さも平然かのように彼女は言った。
「……仲間だったんじゃないのか?」
「舐めるな。帝国軍人たる者、自らが国民に害をなす存在になるくらいなら、全員自害を選ぶ。私はただ彼らの介錯をしただけだ」
「「………」」
少し言葉を交わしただけでも分かる。彼女は生粋の軍人だ。まだ若そうに見えるのに、その言葉はまるで歴戦の猛者が発したかのように、1つ1つが重々しい。いや、本当に歴戦の猛者なのかもしれない。この戦争は、あまりにも長く続いている。若者でありながら、戦争というものを熟知できるほど。
▲▽▲▽▲
「着いたぞ」
普段は子供たちが和気藹々と遊ぶ公園。それが今は、至る所にテントが張られ、軍人が忙しなく出入りしていた。私たちは彼女と共に1番大きなテントの中に入った。
まず目についたのが、テントの中央に置かれたテーブルの周りで、難しい顔をして話し込む階級が高そうな軍人たち。そして彼らの周りを取り囲むようにして通信機器やそれを操る人たちがいた。緊迫した雰囲気が漂っている。
彼女は臆することなくテーブルに近づく。すると話し込んでいた軍人たちが一斉にこちらのほうを向いた。
「ジェシカ大隊長!どこにいらしてたんですか!」
「逃げ遅れた住民を探していた。おかげで思わぬ拾い物ができたぞ」
彼女……ジェシカさんはそう言って私たちを指さす。
「子供……?あの大隊長、この子たちは……?」
「あの"雨"を防ぐ傘を持っていた」
「なんですと!?それは本当か!?その傘は今どこにある!」
屈強な老軍人がこちらに詰め寄ってくる。
「おい。怖がらせるな。……すまないが傘をテーブルの上に置いてくれ」
私は言われた通り傘を置く。すると周りの軍人たちが興味深く眺めていた。そんな彼らを他所に、ジェシカさんは私たちのほうを向く。
「いくつか質問をさせてもらうぞ。……その前に、名前を言っていなかったな。私の名はジェシカ=シュバルツ。お前たちの名はなんだ?」
「ふ、フラン=アルスです」
「レベッカ=ロンドブルクだ……です」
「ではフラン、レベッカ、この傘はどこで手に入れた?」
「父から朝雨が降るから持って行きなさいと言われて、そのとき初めて貰いました」
「雨が降る……?」
「フランの親父はこの"雨"が降ることを知っていたんだよ!だからフランにその傘を渡したんだ!」
「……フラン、お前の父の名はなんだ」
「ボードウィン=アルスです」
「———!」
ジェシカさんは父の名を聞くと、微かに驚きの表情を浮かべる。その姿が珍しかったのか、傘を見ていた1人の軍人がジェシカさんに話しかけた。
「ジェシカ大隊長、どうされました?その人物に何か心当たりが?」
「前に一度世話になった人だ。……カール、すまないがボードウィン=アルスの素性について調べておいてくれ」
「わかりました」
「あの、私の父とはお知り合いなんですか?」
「知り合いとまではいかない。ただ、あの人には恩義を感じている。……さて、質問に戻ろう。フラン、レベッカ、2人は回復が使えるか?」
「私は使えないけど、フランは使えるぜ。しかも、深度3だ。すごいだろ?」
レベッカはそう言って自分のことでもないのに胸を張る。
「ほう……フラン、身体に異常はないか?」
「はい、大丈夫です」
「だったら、その傘の効力は本物らしいな」
ジェシカさんの言葉を聞いた軍人たちが皆ざわざわと騒ぎ出した。
「いったいそれはどういう意味ですか?」
「怪物になった人間には、ある特徴がある。それは、回復が使えるということだ。お前は回復が使えるのにも関わらず、ベリンで怪物にならずに済んでいる。そのことが、傘が雨を防いだことを証明している」
「じゃあ、私は雨に当たっても大丈夫だったのかよ?」
「ああ、現にここにいる者たちは、回復が使えない。そしてベリンの駐屯地で怪物にならなかった」
「回復を使える者だけが、怪物になる……」
私の母は、私と同様回復が使える。不安が頭の中を駆け巡る。今すぐにでも家に帰りたい。帰って母の声を聞きたい。
「あの、すいません……私の母が、ベリンの郊外に住んでいて、回復が使えるんです。一刻も早く母の安否が知りたいんです」
「……家はどこだ。地図に指をさせ」
私はテーブルに置いてあるベリンの地図の端のほうを指差した。ジェシカさんは腕を組み、難しい顔をしながら話し出す。
「微妙な場所だな。観測データによればベリンから少し離れた場所にまで雲は到達していたらしいが、雨が降ったかどうかはわからない」
「だったら、私たちはそこに向かうぜ。もう傘のことは知ってること全て話したからな」
「それはダメだ。さっきも言ったが、その区域に行く道中には怪物が多数確認されている。我々軍人とともに向かうのであれば話は別だが、我々は目下非常事態にある。一緒に行くことはできない」
「……その非常事態ってなんですか?」
私の質問に対して、ジェシカさんは顎に手を当てながら少し考えたあと、再び口を開いた。
「今日は首相官邸で皇帝陛下が参列される御前会議が開かれていた。今現在その官邸が敵部隊に包囲されている。さらにこの混乱に乗じて北方戦線から連合軍が首都ベリンに対する侵攻作戦を開始した。不甲斐ない話だが、戦線の一部はすでに崩壊している。奴らがここに到達するのも時間の問題だ」
「ジェシカ大隊長!機密情報を一般人に教えては……」
「いずれ明るみになる事実だ。隠す必要もない。それに、フランには我々の作戦に参加してもらう」
「「———!」」
テーブル周りの軍人だけでなく、通信機器の前に座っていた兵士たちも、驚きの表情と共にジェシカさんの方を見た。ジェシカさんはそれらの視線を気にも留めずに、私に作戦計画書を渡した。
「大隊長、何を考えているんですか。彼女は一般人です。一般人をなんの訓練もなしに戦場に連れて行くと言うのですか」
「現状、まともな回復を使える人間はフランのみだ。恐らく官邸で籠城している近衛部隊でも回復が使える人間は怪物になっているだろう。ただでさえ兵士が不足している今、作戦を確実に遂行するためには回復兵士の存在が不可欠だ。でなければ官邸にたどり着いたとしても、要人を無傷で連れ出すことはできない」
「大隊長は我々の力を見誤っています!確かに回復兵士がいるに越したことはありませんが、ここにいる兵だけでも十分実行可能です!」
「無理だと思います」
「!?、ふ、フラン!?」
作戦計画であろう紙を見た瞬間、頭の中にありとあらゆる情景が流れ込んできた。それは、作戦の内容そのものを、シミュレーションしたものだった。今までこんなことは一度も無かったのに、その紙に書いてある内容が、まるで自分が考えたかのように理解できる。そして、その作戦が上手くいかない可能性の方が高いことも。
私の口は勝手に動いていた。周りは皆訝しむ目で私を見ている。素人が何を言っているのかと。そんな中、ジェシカさんだけは、表情を変えずに尋ねてきた。
「どうしてそう思う?」
「私が見た落下傘部隊は、キャンドル王国の精鋭です。彼らは回復兵士が2人、一般兵が1人、分隊長が1人の計4人の分隊で行動しています。私が見た限り、降りた分隊の数は約50。官邸を襲うだけならあれだけの人数は必要としません。恐らく官邸周辺の怪物を一掃するための人員が含まれています。怪物は敵味方関係なく襲うのだと思います。ですので、官邸での銃撃戦の音で怪物が近づいてこないよう防いでおく必要があります。この作戦計画には、その人員と怪物がこちらの作戦に介入してくる可能性がしっかりと想定されていません。この作戦には迅速に救出することで敵部隊の介入を防ごうという考えが示唆されていますが、彼らは精鋭です。それに回復兵士もいます。救出の際に足止めを喰らえば、周りの人員が怪物を引き連れて挟み撃ちをしに来るでしょう。そうなったら、間違いなくこちらが全滅です」
私は頭の中に浮かんだ問題点をひと息で言い切った。訝しんでいた軍人たちが、皆黙り込んでいる。そして隣で話を聞いていたレベッカの驚いた顔を見て、私はようやく我に戻った。
「あ、す、すいません!軍人でもないのにでしゃばってしまって……も、もちろん、今言ったことは素人が考えたただの可能性の1つにすぎないので、その、、、とにかくすいませんでした!」
私は何度も頭を下げた。どうしてあんなことを口走ってしまったのだろう。嫌な汗が身体中から滝のように出ている。このあとどんな怒号を浴びるのだろうかとビクビクしていると、ジェシカさんが微かに笑みを浮かべながら話しかけてきた。
「まさかここまで的確な意見が出るとはな。何か異論のある者はいるか?」
ジェシカさんはそう言って周りを見渡す。皆納得した表情で頷いていた。
「よし。ならば修正するぞ。フランの言う状況になれば、たとえ回復兵士が1人いたとしても厳しいだろう。いざとなれば"私"が場をかき乱してその間に救出を行うが……何か他に良い案があるか?」
周りの軍人たちはこの厳しい状況に頭を悩ませている。しかしこうしている間にも敵は官邸へと足を踏み入れようとしているし、何より私たちは早く家族のもとへ向かわなければならない。
ジェシカさんは一般人である私を作戦に参加させる気だ。回復は戦場においてそれほど重要なのだろう。断りたいが、恐らく彼らの力を借りなければ家にまで辿り着けない。だったら……
「あ、あの、私にいい案があります」