始まり
Re:members自作ゲームの主人公達とは違う物語を描いたRe:members公式小説版
「俺達が次会うのは魔王を倒してからだ。じゃあ、また会う日まで」
これはゲーム版とは違う主人公達による、世界を救う勇者ではなくとも勇気ある者達の物語だ。
ゲーム版と共にもう一つの物語を一緒に体験しよう。
「なぁ、お前さん知ってるか?最近きた新人のやつなんだがよ、パーティを絶対組もうとしないくせに自分のランク以上のクエストをずっとこなそうとしてるやつがいるらしぜ。」
「へぇそうなんだ。でもなんでパーティを組まないんだろうね?」
「さぁなぁそればっかりは本人に聞いてもらうしかねぇよ。っと、噂をすればなんとやらだ、向こうにあるあいつだよ。」
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俺はいつも通り今回の依頼対象であったゴブリンの討伐証明となる部位をギルドのカウンターの上にのせ、一息つく。
「今回も、下手な戦闘だった。」
それも仕方ない。ここのギルドに登録したのも約10日程前であり、それまで碌な戦闘というものを経験していなかったのだから。
「お疲れ様でした、シェードさん。これが今回の報酬になります。」
そう言って受付嬢に渡される1日の成果がシルバー1枚とカッパーが4枚程、1日は休めるだろうがまた次の日から働かなければ生きて行けないだろう。
「こんなんじゃいつまで経ってもランクなんて上がりやしない」
ここ冒険者ギルドではランクがあり、ランクの概念があり、ランク推奨レベルの参考はこんなもの。
ギルドシステム
S〜Dまでの階級
自身の階級の一段階上のクエストまで受注可能
昇格条件
1、自身の階級より上のクエストを5回クリアすること
2、ギルドマスターによる昇格試験をクリアすること
Aランク上位10チームをSランクとする。
Sランク推奨はフェーデの付く魔法を複数覚えていること
Aランクではフェーデが得意魔法で1つ覚えていること
Bランクではエンテを複数
Cランクはエンテを1つ
Dランクはニアを複数
Eランクはそれ以下
ちなみに現在の俺のランクはE、最低ランクだ。
Eランクの依頼は殆どが採取依頼しかなく、討伐依頼があったとしてもゴブリンや畑を荒らす動物なんかの駆除程度。報酬もその日暮らしがいいとこである。
「まずはランクを上げるとこからだな」
そう呟くと多少離れた席からこちらへ向けて歩いてくるまだ冒険者になりたてであろう男が近づいてくる。
「なぁあんた、噂だと上位ランクのクエストを行こうとしてんだろ?上位ランクは下位ランクのパーティ2人以上がギルドの推奨。ソロでやるならCランクぐらいの実力がなきゃ厳しいらしいじゃないか。どうせなら、一緒パーティ組んでみないか?」
見るからに人が良さそうで希望に満ちた目をこちらに向けてくる青年に対して俺はいつも通りの回答をする。
「悪いが断る。俺は1人でやりたいんだ。1人にしておいて欲しい。」
青年は少し残念そうにしながら
「そうか、まぁ無理にって訳にも行かないだろうからな、わかったよ。まぁ、その、なんだ、気が変わったらまた教えてくれ。そん時は歓迎するよ」
そんなことを言いながら青年の去っていく背中を見送り、
自身の冒険者プレートを取り出し、確認する。
名前:シェード
職業:ギルド会員
属性:Artificial属性
得意武器:両手剣 刀
ステータス
レベル:4
HP:54
MP:62
攻撃力:12
防御力:23
魔法攻撃力:30
魔法防御力:39
もっと強くならなくてはいけない、あの魔王を倒せるようになるために