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ナンブ・リュウゾウ、立つ

ナンブ・リュウゾウ、腰を落とした構え。

状況からすると弾丸タックルを狙っているかのようだが、それは悪手だ。

背中に致命傷を負ってしまう。


敵は刃物をもっているのだ。

レスリングにグレコローマンという試合形式があるのはご存知であろう。

下半身への攻撃が禁止されたレスリングである。


グレコローマンとは『ギリシャローマ』の意味である。

もうお分かりであろう。

戦争に明け暮れていたギリシャローマ式レスリングというのは、敵が刃物をしょじしていること前提をレスリングなのだ。


つまり弾丸タックルというのは、ナイフ有りのケンカや戦場には向いていない技なのである。

ということでナンブ・リュウゾウ、まずはほぼ完全な半身で構えを取った。

これは敵からの攻撃部位減らすための工夫である。


これだと剣士はリュウゾウ前手か頭しか狙えない。

リュウゾウとしては意識をその二箇所にだけ集中していれば良いのだ。

あるいは、前手などはエサとしてチラつかせることもできる。


剣士としてはその前手がうるさい。

うるさいと感じさせることで、剣士に前手を狙わせることも可能性だ。

そして剣士の表情が険しくなってきた。


焦れてきたのがわかる。

ナンブ・リュウゾウ、前後の動きを追加。

前手、あるいはたいまで剣士の間合いに入れては脱出を繰り返した。


剣士はますます苛立ちを露わにした。

だがまだ我慢している。

なかなかリュウゾウの思う通りにはならない。


しかし柔道青年はここも丁寧に。

腰を深く落としたり伸ばしたり、上下の変化も付け加える。

さらには間合いの中をウロついて、徹底的に挑発した。


ここまでくると、リュウゾウの初手が気になってしまう。

打つのか、蹴るのか、掴むのか?

柔道マンとしてナンブ・リュウゾウを見るのならば、掴むだろう。


鬼神館柔道、やはり掴んでナンボだ。

しかしここは王国の刃というゲーム世界、関節蹴りで刀剣との間合いを等しくするのも手である。

あるいは飛び込んで殴りつけるか。


いずれの手段を取っても、実力差があるのだ。

負けることはない。

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