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試合開始

特別試合だ、イベントを待つことなく一対一タイマン試合場でイベントは開催される。

まずは第一試合だ。

こちらの先鋒は斬り込み隊長のトヨムが出る。



「みんなよく見ておけ、アタイが勝っても負けても揚心流ってのはこんなもんだってな」



先鋒、すなわち敵が何をしてくるか分からないという状況での出撃。

言わば死番だ。

みんなのために情報を引き出し、場合によっては死に至る。


なんともトヨムらしいポジションではないか。

その試合場に、無手のトヨムが立つ。

柔道着に青いレギンス、白いレッグウォーマー。


足は朱に染めた地下足袋である。

その姿、無手というところに観客席はどよめいた。

トヨムは涼しい顔で、総合格闘技のようなグローブをはめる。



「いいのかよ、お嬢ちゃん。こっちは日本刀なんだぜ」



揚心流研修は本身をぬらりと抜いてみせた。

トヨムの眼差しがわずかに光る。

抜いたということは居合ではない、刃の筋が見て取れる。


勝機が見えたと、眼差しが光ったのだろう。

そして私の見立てでは、この剣士ウチの中堅どころ低度の腕前。

つまりネームドのトヨムには勝てないだろう。


剣士は中段、トヨムも半身に構える。

始めの号令、トヨムは素早く一足を送る。

構えの左右に変化無く。


つまり剣士の目には、トヨムが急におおきくなったように見えただろう。

しかもトヨムは剣士の右側、拳が小手に届くまで詰めている。

ここで初めてトヨムは、後足の左足を前に出した。


左右の入れ替え、同時に下から左拳で剣士のヒジをかち上げる。

折った、躊躇なく折った。

すみやかにトヨムは右拳を剣士の腹へ。


左手は剣士の袖を取っている。

さらに足刀、関節蹴りだ。

十分に剣士を痛めつけたところで、右で襟を取っての内股。


柔道技で脳天真っ逆さま、この一撃で「勝負あり!」とした。

観客席がまたもどよめく。

しかし陸奥屋まほろば連合陣営は平静、勝って当然という空氣。


揚心流陣営は師弟ともども、ガックリと肩を落としていた。

そして次鋒戦。

こちらはアマレス姿に打撃用のパットを着けた、三条葵さんが登場だ。

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