かなり短い更新
昨日更新の予定が今日の短い更新になってしまいましたことをお詫び申し上げます。
体調不良でした。
ふむ、お手軽な転ばせ武器となると、一時期大流行していながら役立たず扱いの憂き目を見た『刺股』があったが、どうだろう? あれなどはお手軽で難しくもなく、便利が良いのではなかろうか。
世間一般の評価ではミスター役立たずの称号を冠しているようだが。ただしそんな評価は素人評価にすぎず、私や士郎さん、あるいはフジオカ先生にかかれば一打必倒の得物となるのである。
ま?う、ダイスケくんに相手してもらおうか。
打太刀ダイスケくん、仕太刀士郎さん。
日本刀を八相に構え、ダイスケくん接近。
士郎さん、下段からダイスケくんの手首を責める。
関節部分的に丁度よく引っかかり、ダイスケくん仰向けに転倒。
お見事、では次に私とセキトリで。
セキトリ、メイスを控え砲の構えで接近。
私は中段、剣道試合のようにかまえる。
間合い、敵の目を狙った刺股を突き出しながらしごき下ろす。
これでセキトリの胴をせめる。
するとセキトリの腹には、下方45度の『重み』が加わり、尻もちをつきやすくなる。
これが刺股の使い方だ。
読者諸兄の中には、未だにフィジカル鍛えてるんだから甲冑の重さなんて屁でもないだろ?
とかのたまう方はいらっしゃらないだろうか?
では答えよう。いかにフィジカルを鍛えてようとも、筋肉してるのか、が働きにくい状態ならば、筋肉の作業結果が発揮されにくい状態なら、フィジカルに見合ったパフォーマンスは発揮あれないのだ。
もちろん他にも使い方はある。
フジオカ先生が鬼神館柔道スーパーヘヴィ・ウェイトを相手にしている。
これも下から攻めた。
狙うは喉輪だ。
一発でヘヴィ・ウェイトをひっくり返した。
さらには足首にかけてつまづかせる。
さすが柔道家、上手い。狙ったタイミングでドンピシャリだ。
これで刺股の有用性が証明できたかと思うが、果たして稽古未だ至らぬ若者たちでつかいこなせるかどうか。
そう考えるなら、これ見よがしな刺股のような足かけ武器などよりも、長杖やメイスの扱いを工夫した方が良さそうだ。
ではどのように工夫するか? ここは士郎さん、フジオカ先生の二人と相談だ。
「俺ならまず、水月を突くかな?」
水月、すなわち鳩尾、ストマック・ブローだ。
「しかし士郎さん、敵はフルプレートアーマー。甲冑で全身覆われているんだ」
「それでもよ、腹を突かれりゃ体重はケツがわにおちるもんだ。コケてもらえるさ」
「そうさな士郎さん、一度に崩れた姿勢を立て直すには、フルプレートアーマーは障害になりすぎる」
その他の技でもそうだ。
足かけや突っ転ばせであっても、一度コケたならダウン判定されるまで、彼らは転落し続けなければならないのだ。
『パンを踏んだ娘』のように。
「そうなれば、転倒のきっかけはごく些細なものでも構わない訳ですな」
「突っ込んだ意見を言うならば、フィジカル軍団であろうとウチのトヨムが寄りかかるだけでコケるかもしれない」
「小隊長でも?」
「そう、トヨムでも」
「そうなりゃリュウさんや、変な武器を持たんでも、敵をコカすことはできそうだぜ。コカし役はメンバー全員だ」
「最強の武装と信じて出てきたのに、その甲冑が自分たちの首を締めるのさ」
「便利な道具に頼ってばかりいてはイカンという教訓ですな」
「いや、彼らもフィジカルを鍛えているから、一概に否定はできません。ただ、信仰する宗派が、我々と違っただけです」
「とはいえリュウさん、コカし役の数はそろったぜ」