表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

254/724

まだまだ二日目〇

総合評価808ptブックマーク登録270件評価ポイント合計268ptいいね5件 ありがとうございます!

ナンブ・リュウゾウ奮戦す

さて、女番長俗称スケバンを相手にナンブ・リュウゾウ先生。こちらは大変に落ち着いたもの。

「……そこをどけろ、女。俺ぁ女をやっつけて悦に入るような趣味は無ぇんだ」

シブイ! 激シブっすよ、お兄さん!しかしスケバンさんも場馴れしてらっしゃる。

「ヘッ、女だと思って甘く見てると、痛い目に遭うぜ……」

ジャリリッとヨーヨーの紐……じゃなくって、細い鎖を伸ばします。これに対してまたまたリュウゾウ先生は。

「女相手に武器は無ぇよな……」

黒帯の腰に鎖鎌を仕舞い込んで、またまたシブイ! ニクイっ!

「死人部屋で後悔すんなよ、柔道の兄さん……」

「じゃあ、いくぜ……」

空気を切り裂いて襲いかかる、金属製のヨーヨー。ナンブ・リュウゾウこれをかわしてかわして、袖と襟を取った! 取った瞬間には投げている!

というかリュウゾウさん、組み合ったときに気づいたんですが、スケバンさんとほとんど身長が同じじゃないですか!! どれだけ小兵なの、リュウゾウさん!!

「ふむ、思いの外ヤルようですね、鬼神館柔道」

おや? これは天の声? いえいえ、どうやら陸奥屋一党の軍師。ヤハラさんのようです。何故それがわかったか?

「こら、嫌味眼鏡のヤハラ! 思いの外ヤルたぁなんだ、思いの外ヤルたぁ! お前鬼神館柔道をなんだと思ってやがんだ!」

まあ、リュウゾウさんがご丁寧にもキャラ紹介をしてくれたから。ですが陸奥屋の軍師さん、ちょっと遠慮がちに答えます。

「……サルにもできる、野蛮な力比べ……」

「ッキャーロー! 柔道ってのはぶつりとりきがくの集大成! 筋力バカの武道じゃねーぞ!」

「物理と力学くらい漢字で言ってください、貴方の恥は柔道の恥なんですよ?」

「やかーしー! 数学ができんのが、なんで悪いんとやーーっ!!」

「ですから漢字の話ですから……」

いえヤハラさん、リュウゾウさんの台詞は『高校大パニック』という映画のパロディですよ?

しかしそんな裏ネタも流れ去り、ヤハラさんは「ではこのようなシチュエーションはいかがですか?」と一手を打ってきます。



単純なヤハラの作戦

引き続き実況は私、シャルローネが務めます。ヤハラ軍師、次なる一手は……。

「星の海を俺は旅する! キャプテンハチロック、四十人の仲間たちとともに推参!」

「主に仕えながらヤクザの二代目! セーラー服を着ていなければ機関銃も持っていません! 神の御名のもとに悪を斬ります!」

ふたつの部隊が同時に攻めてくる。昔ながらの単純な策でした。

「そうはいきませんわよ、ヤハラ軍師! まほろば本隊、鬼神館柔道のみなさま、突撃ですわ!」

こちらも出雲鏡花さんの指揮。一気にここを貫くつもりでしょう、本隊を送り込んできました。

「鬼神館柔道ってこた、マミさんも来るのか!? よっし! やるぞーーっ!」

マミちゃんの存在を意識して、リュウゾウさんもヤル気満点! なのだけど……。

「ふぅっ! や、ヤラれただと……」

んお? リュウゾウさんが撤退ですと? なぜに? なにゆえに!? だけど私も忘れていました。天誅戦隊カツンジャーには、まだ人材があったことを……。

「すまんな若者よ……お主を相手にするのは、少々骨が折れる……」

そう、影の軍団。whatりfun zooでした! 鬼神館柔道のフジオカ先生同様、濃厚な眉毛! フジオカ先生同様、バターよりも濃厚な眼差し!

これぞ昭和の男前! 平成令和のイケメンなんぞチャラ坊と吐き捨てる胸焼け指数! これが男ってもんだぜ、覚えておけ!

だけどそれだけ独特の体臭を放つキャラって忍んでるんですか、忍者のおじちゃん?

「あぁっ! ず、ズルいよ忍者っ!!」

これは茶房店主、葵さんの声!? 振り返ると葵さんが撤退していくところ!

「あっはっはっ、こりゃお姉さん一本取られちゃったな♪」

実力者のポニーテール、御門芙蓉さんも撤退!

つまり、まほろば本隊に影の刃が忍び寄っている? これには鏡花軍師も慌て気味。

「マヨウンジャー、情熱の嵐! 忍者さんを止めなさいな! やーっておしまい!」

「あらほらさっさー」

やる気無く答えたのは、情熱の嵐リーダーのヒナ雄さん。もしくはイヤイヤにも思える返事。



我らがヒーロー&ヒロイン アゲイン

「やっぱりネームドを狙うのは危険だ! ここは新兵格を数多く撤退させようぜ、幸さん!」

「そだね、まずは手堅く活躍してうおっ!? 新兵が次から次へと……」

「うわ、小手壊された! チキショウ、この防具修理費高いんだぞ!」

「あーーっ、片足斬り落とされたーーっ!」

「俺の防具も壊されて……クソッ! 新兵風情がっ!」

「あぁっ、やられたっ! 幸♡兼定さん、撤退ーーっ!」

「うおっ、新兵なんぞに…この俺がっ……万里くん撤退ーーっ!」



忍者の猛威

闇に生き、闇に滅する……それが、忍者。

人知れず歴史を動かし、誰に報いられることもなく時代を作る影の住人たち!

されど人よ、それを嘆くことなかれ。

忍ばない忍者も中にはいるのだ!

「歩、お前を斬るっ!」

「あ〜れ〜〜なのですよ〜〜」

「まだ斬っとらん、まだ斬っとらん」

あ、どーもどーも。陸奥屋一党鬼組の忍者です。現在は単身斬り込みをかけ、まほろばの葵ちゃん、御門プヨ助を葬り、歩ンの目の前。

「そんな戯言をホザイておきながら、忍者さんもさりげなく戦車隊の目の前まで潜入完了なのですよー」

「あぁ、前線に戦車隊を出さないなんて、出雲鏡花は何考えてるんだ?」

「きっと温存なのですよ♪」

「半蔵のおっさんがまほろば軍の前線を痛めつけてんのに、温存もへったくれも無いだろうに。連絡が届いてないんじゃないのか?」

すると茶房の看板娘、三条歩が自軍の無線に応答した。

「はい、敵兵は歩の目の前! 鏡花さま、驚いてはいけないなのですよ? なんと歩の目の前にいるのは、陸奥屋の忍者さんなのですよ!」

歩無線から、発狂したような悲鳴が聞こえてきた。出雲鏡花、私がまほろば陣地奥深くまで潜入したことに、悲鳴をあげているのだ。攻めれば孔明、守ればポンコツ。思い通りに事が運ばなくなると、恐慌を起こすあたりはお嬢さまの鏡だな、出雲鏡花。おそらく歩ンに、「とっととその目の前の忍者を斬ってくださいまし!」とか叫んでいるんだろうな……。相変わらず耳障りな声だ。

そこまで慌てなくても、陸奥屋視点で考えればわかるだろうに。私たちにとっては、鬼神館柔道の連中が大変に邪魔くさいのである。

と、マップを確認してみると、その鬼神館柔道に単身挑みかかる猛者がいた。ユキッペだ。武器を取っては一日の長があるのか、あの汗臭い連中を次々と葬っていた。



動き出す巨匠

リュウです。あまり私が出張ると、みんなが興醒めになるので出番が少ないです。しかし出雲鏡花の悲鳴まじりの指示、「歩さんがなかなか忍者さんを斃せないでいますわ!

リュウ先生、『への一号司令』、発動ですわ!」を受けたからには、出撃しなければならない。

しかし事前打ち合わせで『への一号司令』などという作戦など聞いたことが無い。まあ、あのデコ娘のノリと勢いなのだろうことは、すでにわかりきっているのだが……。それにしても『への一号司令』とは……ネーミングセンスの無さにもほどがあるだろう、出雲鏡花。

ジャリ……と地面を踏みしめて、やって来ました戦車隊陣地。そこでは忍者と歩ちゃんが何やら立ち話をしていた。歩ちゃんも歩ちゃんで、出雲鏡花の指示など頭から抜け落ちている様子。

「よ、忍者」

私も気楽に声をかけた。

「お、リュウ先生。出撃かい?」

「あぁ、陣幕のデコ助が指示をくれてね。悪いが忍者、お前を斬るよ?」

「それはマズイな、トンズラさせてもらうよ」

言い終わらぬうちに、私は抜刀。横一文字に斬りつけた。手応えあり、しかしそこには忍者装束を着た丸太ん棒が転がっている。

「はーっはっはっはっ! さすがだなリュウ先生、だがここは逃げさせてもらう! またあおーーっ!」

ハイレグレオタードの忍者が、大凧に掴まって逃げて行くところだ。しかしその太ももには、私のつけた大きな斬り傷。うん、あれは脚が効いていないだろうな。反撃を試みず、逃げるのが正解だ。

「お〜〜ここにも忍ぶ気が全然無い忍者がいるのですよ〜〜……」

さすが歩ちゃん、変なところに感心している。

まあ、忍者対剣士。判定で私の勝利というところか。

それにしても大凧まであるなんて、もはやなんでもアリだな王国の刃……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ