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カエデ地獄……序章

 マミさんですよ〜♪ ひょっとしたらマミさんの一人称って、実は初めてなんじゃないんでしょうか〜?


 そんなマミさんがキビキビとしたトヨム小隊長との『初めてのきゃあ♡』を紹介しちゃいますね〜〜♪

 RBC認定タッグマッチシリーズ、このRBCっていうのは『王室バトル評議会』の略なんだそうです。ですが評議会を意味する英単語をなんて読むのか、マミさんの英語力では全然でした。


ちなみに小隊長に訊いてみたところ、「RBAはロイヤル・バトル・アソシエーション……王室バトル協会の略だ!」と教えてくれました。本当はCが何の略かを知りたかったのですが、うにゅ〜……。


 さてさて、Cがエッチな意味だとかなんとかいう古くさいお話はリュウ先生や士郎先生におまかせして、トヨムちゃん小隊長とマミさんのタッグは快進撃♪


 不正者相手でも正統派ストロングスタイルでも、タッチワークとカットワーク、それにツープラトン攻撃を駆使してなんとなんと、五連勝♪

 とっても好調なスタートを切ったのです♪



 あのリュウ先生や士郎先生でさえ黒星発進しているタッグシリーズ、ここまで無傷の五連勝ですよ、みなさん。もっともっとマミさんたちを褒めてください。



 ところがところが、そんな絶好調マミさんたちの前に強豪が立ちはだかったのです!

 お友だちのカエデちゃんと鬼組フィー先生のタッグチーム『だんでらいおん』(マミさん命名)と対戦することになってしまいました。



「な〜に、今回は小人数、二人一組のタッグマッチだ。この前の大規模演習みたいにはいかないよ」



 あの……小隊長? マミさん知ってますよ。そういうのってフラグってゆーんですよね?

 そのセリフを口にした者から消えてゆくという、呪いの言葉。

 そんなことを考えながら、試合開始のゴングです。


 こちらの先鋒はトヨム小隊長、あちらはカエデちゃんが出てきました。小隊長としては狙い定めてカエデちゃんの内懐にダイヴ、マシンガンパンチの連打を一方的に浴びせるか、柔道殺法一撃でキルまで追い込みたいところなのですが……さすがカエデちゃん、小隊長の戦法を読んでいるのか動きを止めてくれません。



 スルリスルスル、ヌルリヌルヌル。ん〜〜……小隊長としてはカエデちゃんの足を止めたいでしょうねぇ〜〜……。


でもって片手剣という武器でリーチに勝るカエデちゃん。右へ右へと回って小隊長を追いかけます。小隊長もカエデちゃんの足にカウンターを合わせて飛び込みたいところですが、カエデちゃんの切っ先が常に脇腹を狙ってきてます。でも小隊長、このままじゃジリ貧ですよ?


 おおっ!? ジャキーーン! というような擬音がつきそうな勢いで、小隊長は拳をアゴの前に、脇を糊づけしたみたいにピッタリと、小さな弾丸のように構えました。ご存知ピーカーブー・スタイル。どうやら小隊長、片手剣も丸楯もなにするものぞという覚悟を決めたようです!


 そうですよ小隊長、戦いはまだまだ序盤戦です。気合入れていきましょう!

 ところがその向こう側で、ピスッという小気味良い音が。途端に小隊長、「アフン♡」とか言って構えが崩れてしまいました。その顔面にカエデちゃん、丸楯の殴打。フラつく小隊長は向こうのボックスへと押し込まれてしまいました。



 小隊長の身になにが起こったのでしょう? 会場に設置されたスクリーンに再生映像が流されています。


 いつの間にか敵陣を背負わされた小隊長、その背後からフィー先生が忍び寄って、薙刀を逆さまに構え……小隊長の可愛らしいヒップに石突をひと突き♪


 なるほど、あのピスッという音は石突が刺さった音だったんですねぇ……。どこに刺さったかは、乙女のマミさんは言えませんけれど……。とにかく『はにゅ〜ん♡状態』の小隊長、敵陣で固定されての滅多打ち、ゲージも削られてグロッキー状態です。ここはマミさんが救出にむかわなくては!


 するとカエデちゃんもフィー先生も、マミさんのことなどまったく相手にしてくれず、小隊長を解放して蜘蛛の子を散らすように逃げちゃいました。とりあえずお目々グルグル、マンガのような顔の小隊長を自軍のボックスに押し込んで、選手交代。マミさんが行きますよ〜〜!


 お相手はフィー先生ですか、お覚悟を! マミさんの棍棒が唸って光ります!


 が、フィー先生ってば石突を使ってチョンチョン、マミさんから距離を取ろうとします。

 ぬぬぬ、まともにはやり合ってくれそうにありませんねぇ……。さきほどピーカーブーに構えた小隊長が、どれだけ焦れていたかわかります。



 ですがねぇ〜フィー先生? チョン突きだけじゃマミさんたち『チーム・ブラックリリィ(仮称)』には勝てませんよ〜〜?

 マミさんも覚悟注入、気合充填! 突き出した二本の棍棒(繭型メイス付き)の切っ先一寸を重ねて構えます!


勝負、ここで踏み込み斬り込みしていく所存であります!

……ペチッ! あら? スネ打ちを軽く頂いてしまいました。これは失敗失敗。


 今度はスネにも意識して……おっと、面打ちですか!? これは足でかわして、距離を取る石突の攻撃。これを待っていたんです。双棍でかわしていなしてインファイト、前へ前へ出て行きますからね〜〜♪

ザクッ。



 あらヤダ。スネ打ちのクリティカルが入ってしまいました。バイブレーションが走って片脚が使用不能です。恥も外聞もなく、ゴロゴロころがって、ボックスで待機中の小隊長にタッチ……ってまだ目を回してます!


 回復ポーション使ってなかったんですか、小隊長!

 ……無理ですよね、目を回していたんですから。

 さあ、ここからはたし算引き算のお勉強ですよ?



①この場でマミさん撤退→使い物にならない小隊長がリングイン→負け確定。

②使い物にならない小隊長にタッチ→マミさんはボックスで回復、小隊長は撤退→まだ望み有り



 ということで、無理矢理小隊長とタッチ。失神状態の小隊長をリングに押し出して、マミさんはボックスへ。ピスッ、ピスッという小気味良い音に合わせて、小隊長の「みぎゃっ! みぎゃっ!」というイイ声で鳴いているのが聞えてきますが、まずはマミさんの回復です。



「っキュ~~ン♡」



 おや? どうやら小隊長は昇天……ではなくライフが0。撤退してしまったようですねぇ……。

 そんな訳で回復したマミさん、二対一のハンデキャップ戦へ出陣です! 死人部屋の小隊長、マミさんを見守っていてくださいね……。


 ですが小隊長は見守ってくれているだけで、具体的に何かをしてくれる訳ではありませんでした。つまりマミさんはまたもやフィー先生にスネを取られ、カエデちゃんには鱠のように斬り刻まれして、散々な負け方をしてしまったのです。




 そして戻ってきた控え室、そんなシステムになっているのかどうかはわかりませんが、診察台に載せられた小隊長は、いまだに「うひょっ♡ うひょっ♡」といいながら不気味に痙攣しておりました。


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