01 極々普通の女子高生。
この物語はちょっぴりヤンチャな女子高校生が、大好きな乙女ゲームの異世界に生まれ変わる…――剣と魔法と物理と物理、あとは友情努力と物理のラブロマンス(?) である。
恐らく大体合っている。
◇ ◇ ◇
「やべぇ! 荷物届くの今日だった」
赤目明は18歳。 紺色のセーラー服、ゆったり掃いたルーズソックスがよく似合う …何処にでも居る、今ネットショッピングに大ハマり中の普通の女子高生。
今日の放課後の予定は、特に仲が良い女友達と集まっての女子会。
今しがた届いたメッセージアプリからの通知を見やり、思わず声を上げたのだった。
「はぁ? 荷物ぅ〜?? そんなん今どうでも良くね」
「荷物よりも番長、西高のカチコミいつ行きますか? 昨日もうちの領地で二人やられましたよ。 うちの領地で」
途端、ぶぉん!と風切り音。
明の力強い右ストレートが二人のお友達を薙ぎ倒し、綺麗に決まった。
頭高く一本に結んだ黒髪が宙を舞い、やがて結び損ねた後れ毛が、よく日サロした褐色の肌に張り付く。
女としては致命的に目付きの悪い三白眼がキリリとつり上がり、まさに鬼の形相。
切りすぎた前髪のせいで出た額には、青筋が浮かんでいる。
「テメェらナメたこと言ってんじゃねぇ! 死にてぇーのか!!? あ"あん!!!?」
明はちょっぴりヤンチャで短気なところがたまに傷、極々普通の女子高生だ。
通学用の鞄にさした相棒"ストレートフラッシュ"を引き抜き、器用にくるくると回す。
――ジャキン! といった効果音が似合いそうな程、格好よくストレートフラッシュの切っ先を倒れたお友達に突きつけて、大胆不敵にニヤリと笑った。
「おら、さっさっと立てよ。 死にてぇんだろ?」
なんて優しい子なんだろう赤目明。
倒れたお友達を助け起こしてあげようと、手(?)を貸してあげるなんて優しい以外の何ものでもない。
大事なことなので何度も言うが、赤目明は極々普通の女子高生だ。