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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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変異種マーキュリーゴーレム戦 その1

〈ログインしました〉


 夕飯を食べて戻ってきました。今からボス戦だ。初見で、さらにソロということもあり少しだけ緊張しているが問題はないだろう。やらなければいけないことがまだまだあるのでこの戦いもただの通過点に過ぎない。さっそくボスエリアに向かう。 


 南門を出てさらに南下する。時折近づいてくるゴーレムたちを相手にしながら荒れ地を1時間ほど進むと、ついにボスエリアが見えてきた。

 いつもの如く警告ウィンドウが出るが、すぐに戦闘などそんな愚かなことはしない。バフで完全に身を固めてから挑むことが大事だ。

 

 最初から少しでもパラメータが上がっていればもしもの事故など起きないからな。パラメータ上昇系のエンチャント・アップとハイエンチャント・アップを両方かけ自身を強化する。さらに街で買ったバフがつく料理も食べてっと。これで完璧だな。レベル差で私が勝っていても何があるか分らん。


〈ボスエリアに侵入しました。戦闘を開始します〉


 さて、戦闘が始まったわけだがマーキュリーゴーレムの変異種はどこにいるかな? と思ったが意外とすぐに見つかった。きっと戦場の真ん中に立っているマネキンがマーキュリーゴーレム・ホプリゾーンなのだろう。マーキュリーというのだからはぐれ〇タルみたいな外見かと思ったが普通にアイアンゴーレムと同じで安心した。それに体長も私と同じくらいなので戦いやすそうだ。

 人型なら戦い慣れているからな。異形の魔物よりは格段に戦いやすい。だが、よく見れば表面が波打っている。あれか、表面張力で人型を保ってるとかか? それだったらマジでめんどくさい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

NAME:ーーーー

RACE:マーキュリーゴーレム・ホプリゾーン LV50


魔素の影響によりマーキュリーゴーレムが変異した姿。通常種よりも格段に強い


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 LV50、か。依頼に書かれていた推奨レベルと同じだな。問題はレベルより変異種ということだ。通常種のマーキュリーゴーレムとは戦ったことがないから分からないがそれよりは格段に強いようだ。

 考えるのはこの辺にして殺る(やる)か。ヤツは私が動くのを待っているのか未だに動く気配がない。なめてんのか、と。戦闘が始まってんのに棒立ちとはずいぶんと余裕をこいているではないか。まあ、私もボスを前にゆっくりと考え事をしている時点で同じだけどな。

 だが、これにはしっかりとしたわけがあるから私はいいのだよ。


「それじゃあ、始めようか......ソピアー。これが入ればラッキーなんだがな。

【神聖なる息吹が祝福し邪悪なる吐息が侵す 勇猛果敢も虚しく我の眼下で尽き果てる〈連続詠唱 麻盾睡反盾奪〉】」


 INTの基礎パラメータを上げ、5種類のアーツを発動させる。本命のパラライズ、スリープ、スタンは無事レジストされた。〈白黒〉から状態異常の記述を消したのでレジストされるのは想定内だ。効けばいいな程度の気持ちだったので落胆はない。まあ、フィールドボスなのでもともと状態異常への耐性も高いのだろうけど。

 連続詠唱を使うと待機時間が重なって身動きが取れなくなるから戦闘中はよほどのことがない限り使えない。いつもの移動しながらアーツを行使するテクニックが使えないのはきついよな。特に私みたいな前衛で戦う魔術士や神官だとさ。おいそこ、それは少数派だとか言うなよ。少数派の意見も大事だろ?

 

 歩之術理 縮地

 

 前に倒れる反動を最大限に使いマーキュリーゴーレム・ホプリゾーンへと高速で接近し、未だ突っ立っているコイツに渾身の一撃を放つ。


 攻之術理 震撃


 ゴーレムなどの防御力が高い奴らには特に効き目がいい私の攻撃がヤツに当たった瞬間、まるで油に触れたかのように受け流される。簡単に往なせるような打ち方はしていないのでこれはあいつの特性だろうか。


 攻之術理 廻脚


 受け流されたことで体勢が崩され前かがみになるが、その反動をそのまま回転蹴りにつなげる。今度はしっかりと胴体にヒットするがダメージの方は芳しくない。

 地面に着地すると同時にマーキュリーゴーレム・ホプリゾーンが殴りかかってくるがそれを軽く受け流し距離をとる。面倒だし、マーキュリーゴーレム・ホプリゾーンだと名前が長いからマーキュリー・ホプにしよう。

マーキュリー・ホプの攻撃は脅威にはならないな。だが、こいつの特性として攻撃する場所によっては流動する体にいなされてしまう。今まで震撃ばかり使っていたからこいつにも効くと思っていたが甘くみていた。

 

 それが封印されたところで効率よくダメージを与えられないだけで痛手ではない。だが、流動体は厄介であることに変わりはないな。地道にダメージを重ねるとしますか。


 双之術理 瓦解


 攻撃は避けず、往なしその反動を全て相手に向けることを理念に置いた術を使い、ヤツの攻撃に注視する。

 マーキュリー・ホプに近づき最速の手刀を放ち、そのまま顔面に蹴りを入れる。敵の攻撃は避けるのではなく逆にその力を利用してさらに追撃を入れる。時間が経つにつき攻撃を当てる場所、攻撃の往なし方が最適化されていき徐々にHPバーが減っていく。そして私のテンションも上がっていく。


「なかなかいいぞ、その攻撃! だが、速さが足りていない。もっと腰を意識しろ。そう、それだ!! やればできるじゃないか。もっと私を楽しませてくれよ。アイアンゴーレムじゃあ、もの足りないんだよ!!」

 

 自分でも油断しすぎだな、とは思うがこのレベルになるとアイアンゴーレムでさえ簡単に沈むので何度攻撃しても死なないこいつが本当にありがたい。一撃で葬るのも心地がいいが何回もやっていると強敵と戦いたくなるってものだ。


 攻之術理 砕骨 


 正面から突き出された足を踏みつけ空中に跳ぶ。そして落下する勢いを加算した蹴りでマーキュリー・ホプを叩きつける。


「ほら、早く起き上がれ。今は夜だが寝るには早いぞ。って、もうそんなにHPが減ってんのか? アブソープ......エンチャント・グリーンアップ」


 さっきの蹴りを最後についにマーキュリー・ホプのHPが5割をきった。ここからさらに面白くなる。第二形態を期待してるぞ。


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