準備は万端
〈戦闘が終了しました〉
〈解体のLVが上昇しました〉
〈危機感知のLVが上昇しました〉
〈気配察知のLVが上昇しました〉
〈魔力視のLVが上昇しました〉
〈隠蔽のLVが上昇しました〉
〈偽装のLVが上昇しました〉
新しいオリジナルスキルの慣らしは終了だ。使いどころを選ぶがこれは確実に切り札になりえる。これなら今日の夜にはフィールドボスに挑むことができるな。
本当だったら魔石を集めてからの予定だったが、今の調子ならレベルが上がったとしても数レベルだ。よって少し早めにフィールドボスに挑むことにした。だが、まだ依頼の受注をしていないのでギルドに戻ろう。
そうそう、金に余裕ができたので新しいスキルを追加した。使えそうなスキルが結構あってどれにするか迷ったが多すぎても邪魔なだけなので使えそうなものだけピックアップした。
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〈解体〉
ドロップアイテムのレア度がわずかに上昇する
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〈危機感知〉
自身の危険をわずかに感じ取る
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〈気配察知〉
モノの気配をわずかに感じ取る
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〈魔力視〉
魔力をわずかに目視できる
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〈隠蔽〉
物や人などをわずかに見つけにくくする
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〈偽装〉
ステータスの内容を書き換える
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追加したスキルは全部で6個だ。とりあえず必要そうな感知系のスキルと隠蔽系のスキルを買った。〈危機感知〉〈気配察知〉〈魔力視〉は奇襲に対応できるように、〈隠蔽〉〈偽装〉は効果があるかは分からないが鑑定などを使われてもステータスがバレないようにと思い習得した。
それと本命の〈解体〉はドロップアイテムのレア度を上昇させる神スキルだ。なぜ今更かというと、忘れていたからだ。いやだって、いろいろあったし、しょうがないよな。私は決して悪くない......と思いたい。まあ、思い出しただけよしとしよう。
なんだかんだで300,000バースは使ったかな。〈解体〉が〈鑑定〉と同じくらいの値段だったのが原因だ。その分はしっかり働いてもらわないといかんな。ボス戦が終わればまた、ゴーレムが相手だし稼ぎ時だ。
プレイヤーが多く、活気づいている間に売れるものは売ってしまいたい。特にアイアンゴーレムの純鉄なんかは結構高額で取引されていたので介入するチャンスだ。
そういえば一刀からアーサーたちが森林の街のフィールドボスに挑みに行ったと連絡が来ていたんだった。あいつらが負けることはあり得ないのでそのうち情報も出回るだろうし、私も便乗させてもらうとしよう。
あとで、向こうの街に出現する魔物も調べておかないとだ。今度は集める魔石が増えたりしないよな? さすがにこれ以上増えるのはつらいぞ。今だって同じ魔物と何時間も戦闘しているのだから。自分で決めた目標でないと飽きてしまうのは私の悪い癖だ。
・・・
・・
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街に着き冒険者ギルドを目指す道すがら今後の予定を考えていた。今日明日とこの街にいることは確定しているが次の街ではどれほど拘束されるのだろうか。迷宮の街ではあいつらとダンジョン探索をする予定を立てているので長引くような修行内容だけは勘弁してほしい。
ダンジョンは魔術と同じでロマンが詰まっている。それにまだ誰も制覇できていないのだから余計にやる気が湧いてくるというもの。ダンジョンにはミノタウロスとかがいるかもしれない。別にいたところで特に意味はないがミノタウロスがいれば紐が落ちている可能性が......ないか。おっと、これ以上足を踏み込むのは危険な香りがするので話を変えよう。
そうだな。今度買う馬の話でもするか、と思ったがギルドが見えてきたので話はこれまでだ。
「この依頼の受理をお願いします」
壁に貼り付けられている依頼書を取り受付に持っていく。何か視線を感じるがこの作業も慣れたもので、まるで熟練の冒険者のような立ち振る舞いだ。......自分で言ってて悲しくなる。誰か慰めてくれ。できればケモミミっ子がいい。これはやばい。アニマルセラピーが足りていないな。
「ゼロ様、大丈夫ですか? それと変異種マーキュリーゴーレムの討伐依頼を受理しますがよろしいでしょうか?」
いかんいかん。受付嬢にいらん心配をかけてしまった。それはさておき、鉱山の街のフィールドボスはマーキュリーゴーレムだ。そして今はその変異種がフィールドボスになっている。
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マーキュリーゴーレム・ホプリゾーンの討伐 推奨LV50以上
報酬
マーキュリーゴーレム・ホプリゾーン1体につき4900バース
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驚異の推奨LV50以上だ。私だって魔石集めのついでにレベルが上がっていなかったら挑戦する気が起きなかったかもしれない。そりゃあ、ここでこんなもん見せられたら定期馬車に乗ってでも次の街に行くよな。なんでここだけフィールドボスのレベルがおかしいんだよ。
アーサーたちが挑むボスは通常種だと言っていたのでここだけの特別仕様か?
考えようと思えば理由などいくらでも思いつくが今はいい。大事なのはコイツを倒すことだからな。変異種のマーキュリーゴーレムということで苦戦するかもしれないが、少しは私の方がレベルが上なのでまだハンデがある状態だ。
今回の初回討伐報酬は何だろうか。また、スキルの書〈選択〉かもしれない。それでも別に構わないが金で買えないものが欲しい。そこは変異種だし期待してもいいかな。
「大丈夫です。依頼の受理をお願いします」
「......はい。依頼の受理が完了しました。それではお気をつけてください」
依頼の受理を終え、ギルドを出る。夜になり少し肌寒い風が吹きつけるが、今はそれが気持ちよく感じる季節だ。ボスエリアに行く前に夕飯を食べに行こう。腹が減っては戦ができぬ。というし腹ごしらえは大事だ。酒も飲みたいとこだが勝利の美酒を味わうためにもやめておこう。
一度ログアウトして戻ってきたらボス戦だ。




