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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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魔石集め その2

〈ログインしました〉


 サクっと魔石を回収しに行こう。昨日より遙かにプレイヤーが多くなっているので早く狩場に行かなければ狩場がプレイヤーで埋まってしまうかもしれないからな。


 ロックゴーレムの外見はマネキンにそっくりで私が最初に想像していたゴーレムではないが人の形をしており移動速度もそこらの人間と変わらない。つまり百人組み手もできると言うことだ。

 流石に百体は無理だが十体なら不可能ではない。十体ができたら二十体と段々数を増やすのもいい。双心流は一対一の戦闘でも十分に力を発揮するが一対多でもその有効性は決して劣らない。

 

 得物があればさらに戦略の幅が広がるが今は本しか持っていない。ドガンさんに刀を作れないかと相談してみたが刀は西洋剣に比べて作るのが難しく、また製造方法が分からないため作ることはできないと言われた。

 作れないものをねだっても仕方がないので今は素手で戦うことにするが刀というジャンルがないのはありえないのでどこかで製造法か刀自体が手に入ると思う。太刀はその特性上相手を断ち切るのに向いているので体術を使って戦うよりも早く決着がつく。そのため有利に戦闘を進められる。


 居合も使えるがあれは一撃必殺の攻撃。二太刀目までなら許容できるがそこから先はお察しの通り、一対多では一々納刀しなければいけないので時と場合による。まあ、私はどちらも使えるように鍛錬はしているので状況に応じて使い分けていくだけだ。......刀があればの話だが。


 そんなこんなで門を潜りゴーレムが闊歩するエリアに辿り着いた。二日前にはゴーレムが乱立するだけだったこのエリアも今では多くのプレイヤーが戦闘を行っている。

 ぱっと見た限りではマッドゴーレムとロックゴーレムを相手に戦っているプレイヤーが多く、ブロンズゴーレム、アイアンゴーレムと戦っているプレイヤーは少ない。


 これなら狩場が十分にある。戦っているプレイヤー自体が少ないからいくらでも相手を選べるしな。まあ、マッドゴーレムもロックゴーレムもまだまだ余っているのでそいつらから先にやるか。


 マッドゴーレムはアイアンゴーレム同様見た目はマネキンだがその全てが泥で構成されている。他のプレイヤーの戦闘を見ていたが斬撃系の攻撃は殆ど無効化されるようだ。アーツによる攻撃ではダメージを与えられていたが通常攻撃は剣が透過してダメージが入っていない。これは泥という性質上切っても意味がないからだと思われる。

 逆に打撃系の技には弱い。泥を吹き飛ばせばそれだけでHPが大きく減少していた。これはバーストロックと同じ震撃で倒すのがベターだな。

 

「近くで見るとより一層きもいな、お前......エンチャント・グリーンダウン」


 手に持っていた聖書を閉じ、空中に手放す。放り出された聖書は空中で静止し、私に追随する。今の動作で書術のオートスペルが発動し、セットされていたエンチャント・グリーンアップが発動する。

 そして待機時間が終了したAGI低下のデバフが掛かり白黒の効果により白と黒の十字架がそれぞれ1つずつ出現する。これが私の定石、最初に書術を使うことで白黒の制約に触れずに効果を発揮させることができる。


 まずは様子見からだ。そのために素早さを上げたといっても過言ではない。


 マッドゴーレムに素早く駆け寄り一撃を入れる。思ったよりダメージが入らなかったので後方に飛び一度様子を見る。するとゴーレムは今更反撃に移っており、先ほど私がいた場所に拳を振り下ろしていた。

 殴った感触はスライムのようにある程度は力を込めなければ弾性があり、弾き返されそうだ。だがマッドゴーレムは想定よりも遅いので問題ない。


 再度駆け寄り、今度はヤツの身体に拳を近づける。

 

 攻之術理 震撃


 私の拳が当たり、触れた瞬間に生じた衝撃をヤツの内部に送り込む。バンっという破裂音が鳴りマッドゴーレムの腹部が吹き飛んでいく。

 震撃はその性質上、衝撃を相手に送るため数秒相手に触れなければならない。マッドゴーレムみたいな動きが遅い奴には有効だが素早く動かれると衝撃を流し込む前に失敗してしまう。


 腹を飛ばしたのでもう勝っただろうと思ったが戦闘終了のアナウンスが流れなかった。まさかと思いマッドゴーレムを見ればなんと体を流動させて再度腹を模っているではないか。ゴーレムはスケルトンとは違って体の一部を消したところでは死なないと言うことか。

 全体が泥でできてるのでどこを攻撃しても仮初めの身体にしかダメージは入らないし、もっと大きく消し飛ばさないと直ぐに直してしまう。だからこそ、先ほどから鎧砕きが反応していたのだろう。反応箇所は右胸だ。きっとあそこにマッドゴーレムの核なる物があるはずだ。


「如何に再生しようと核の場所さえ分かってしまえば後は簡単。お前の攻撃は鈍臭いからな。私が攻撃を受ける前に死んでしまうぞ?」


 マッドゴーレムの右胸に向かって震撃を放つ。今度こそバンっという破裂音とパリンっと何かが壊れる音がしてマッドゴーレムの身体が光となって消えていく。


〈戦闘が終了しました〉


 今の感じだったら同時に5体なら余裕だ。折角だしモンスタートレインをするか。余りプレイヤーが多いところでやると対処できなくなった時に地獄絵図になるが私の知ったことではない。自分の身は自分で守れ。

 自分でもイカれた考えだと思うがその方が面白いのだし、しょうがない。流石にそれが住民だったら躊躇するがプレイヤーは死に戻りができるし問題ないだろう。


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