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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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生産職の集い その4

〈戦闘が終了しました〉


 まあ、レベルは上がらんわな。期待はしていなかったので落胆はない。


「凄い。これが魔術ですか!!」


 くそ。ロードめ、やはり許さんぞ。私もキャラリセ覚悟で基本属性魔術を習得するか?


「何度も言ってるけどこれが普通の魔術なわけじゃないわ。ロードたちが使ってるのは連続詠唱、多重詠唱といった高等テクニックなの。普通のプレイヤーに彼らと同じものを期待しては可哀そうよ」


 それはそうだ。ロードは規格外だからな。今も簡単に6属性を多重詠唱で行使したが普通はできない。ロードと肩を並べれるのはさっきロードが魔術スタイルを真似した春ハルというプレイヤーだけだ。彼女も次元が違うからな。


「ドロップが渋い。増音袋をドロップしたやつはいるか?」


 私がドロップしたのは毛皮だったが増音袋をドロップした人はいないみたいだ。そう簡単にレア枠のアイテムが落ちるわけがないので私の時は運が良かっただけか。


「そんじゃあ、街に行こうぜ!!」


 レオの号令で街を目指して歩き始める。ここから街は少し歩くが雑談しながら向かえば直ぐだろう。街に着いたら今日は魔石集めの続きをする予定だ。




「今日はありがとね。ほんと助かったわ」

「ありがとうございました。これ私からのお礼です。よかったら受け取って下さい」


 生産職ギルドのロビーでミサキさんたちと別れる。別れの直前にリアさんからHP回復ポーションとMP回復ポーションの詰め合わせを貰った。リアさんが作るポーションは本当に製品版から始めたプレイヤーなのかと疑うほど高品質だ。

 なのでレベル上げの途中で見つけた薬草の類を渡しておいた。採取のスキルを持っていないのでレア度自体は低いが経験値稼ぎにはなるだろう。


「二人はこの後どうする?」

「一刀たちと合流して森林の街に向かうぞ。ゼロはまだこの街に残るんだろ?」

「私はまだ修行が残っているからな。それにこの街のフィールドボスを倒そうかと思ってる」


 レオたちは装備の製作に必要なアイテムを揃え終えたので後は生産職に装備を製作してもらうだけだからここにいる必要はない。なので森林の街に行き今度は聖とロードの武器を作りに行く話になっているみたいだ。

 私も修行の件がなければ同行したが途中でほっぽりだすわけにはいかず、この街で魔石集めの続きをすることにした。

 

「そう言えば今日はゼロ殿、珍しくインしてませんでしたな? 何か用事があったので?」

「ん? ああ、今日は久しぶりに体を動かしてきた。こっちではできないことも向こうにはあるし、久しぶりに姪っ子に鍛錬をつけて欲しいと言われてな」

「十六夜ちゃんか。彼女もAWOをやるんだったな。一緒に行動するのか?」

「それはないだろう。こっちくらいは自由に生きたいからな」

「リアルでも十分自由に生きてるではないですか」

「そうだそうだ!! 俺と代わるか?」


 レオとは代わりたくない。もし代わったとしてもプログラミングなど触ったことがないから一瞬で首を切られることになるだけだ。

 私は不労所得で生きると決めているのだ。自分がやりたいことを十分にできないのは耐えられない。そのために今まで頑張ってきたからな。

 

 その後、一刀たちが着いたのでそこで一刀たちとは別れ、バーストロックをボコボコにするため、東の門を潜る。AWOの製品版がリリースされて今日で4日目。鉱山の街にも多くのプレイヤーが到着している。

 戦士系のプレイヤーはこの街で装備を作るため、それ以外のプレイヤーも定期馬車に乗るために魔物を狩っている。標的になる魔物は物理攻撃が殆ど効かないが魔術には弱いロックタートル、ゴーレム種の中でも最弱のマッドゴーレムの2種類だ。

 他の魔物は見向きもされない。一部ゴーレムやスケルトンは人型の魔物ということもありPVPの練習相手になっているみたいだが私の目の前にいるバーストロックは言わずもがなハブられている。

 

 そう言うことで私は誰の目にも止まらないバーストロックを相手しているわけだ。

 お前はほんと不憫だよな。同じエリアにいるロックタートルはあんなにも多くのプレイヤーと戯れているのにお前は誰からも相手にされないなんて。 

 だが大丈夫だ。私がお前と遊んでやるからな。でも、先に謝っておく。力加減を間違ってお前が自爆することになったら、すまんな。私も気をつけるがお前らだって何も感じず逝きたいよな。

 まあ、実際にそんなことを思っているかは知らないが。


 攻之術理 震撃


 寸勁の要領でバーストロックを殴れば本来、衝突と同時に生じるはずの衝撃が数拍遅れてバーストロックの内部で破裂する。この技は拳の延長線上にしか衝撃を運ぶことはできないが鎧や硬い鱗などに包まれた敵には有効だ。体の内側を守れる人などいないからな。


〈戦闘が終了しました〉

〈鎧砕きのLVが上昇しました〉


 スケルトンで練習した甲斐があり思い通りの場所で衝撃を破裂させることができる。念のため白黒を発動させて攻撃してみたが今の感じだったら白黒なしでも大丈夫そうだ。

 ついでにレベルが停滞している書術も育てておかないといけない。もし何かのイベントで要求されたら困るからな。


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