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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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鉄の人形 その2

「ついでにこれも受け取ってもらいましょうか。ダブルスペル......ウォーターソード」

 

 ロードが魔術を行使すると本来一つしか出現しない青色の魔術陣が2つ出現する。そこから水で作られた剣が飛び出し、アイアンゴーレムに当たりダメージを与えた。

 今度はさっきよりもデバフでMNDが下がっているのでダメージは増えた。だが、まだまだ余裕が窺える。


「こっちだ来い!! パワースタン」


 アイアンゴーレムの一撃と不知火の盾による一撃がぶつかり火花を散らす。

 不知火の盾にも匹敵する大きさの拳を盾で受け切るも一瞬の硬直の後、不知火が押され体勢が崩れた。


 そこにアイアンゴーレムの上段からの一撃が不知火を襲う。 


「まかせて。瞬間装填、属性付与、属性解放......攻撃に参加できないならサポートに回ればいいってことだよね!」


 アイアンゴーレムの攻撃が不知火にぶつかる直前、聖が撃った矢が狙いたがわずアイアンゴーレムの腕に当たり、矢に込められた魔力が爆発する。

 その爆風にあおられ不知火の身体が吹き飛ばされていく。ナイスサポートではあるがサポートの仕方が荒すぎる。

 不知火のHPを見れば今の攻防でHPが1割削られていた。殆ど完璧に防御していたようだが相手の方がまだ攻撃力が高いと言うことだ。

 もし、追撃の攻撃を食らっていたらさらにHPが削られてたので確かに聖のサポートは的確だった。

 とりあえず不知火にヒールを飛ばしHPを全快まで回復させる。相手には状態異常が効かないが呪いは効くだろう。戦況に余裕が出たら使ってみるのもいいかもしれない。


「助かった!! 思ったより力が強いから油断した」

「気にするな。レオ、行くぞ。スラッシュ」

「おう、任せな! ダブルスラッシュ!!」


 一刀がアイアンゴーレムに近づき一閃。それにレオも続き一閃、二閃と剣を振る。

 ガリガリと音を立てながら敵の表面を削り、レオの全力の攻撃でアイアンゴーレムが蹈鞴を踏む。そこに隣で待機していたロードによる魔術の弾幕が炸裂する。

 流石のアイアンゴーレムでもこれには耐えれなかったようでさらに体勢を崩し、仰向けに倒れこむ。


「ふむ、地面に寝転がっててはカモ同然ですぞ?〈トリオマジック バインド赤・青・黄〉」


 ロードがそういうとアイアンゴーレムの下に三色の魔術陣が出現し、その中から伸びてきた鎖がヤツを束縛する。ヤツが腕を振るい鎖を壊そうとするが鎖は一切の抵抗を許さずアイアンゴーレムを拘束する。

 そのチャンスを見逃さずレオと一刀がアーツの連続使用でアイアンゴーレムに攻撃を加えていく。ついでに私もSTR上昇のバフを二人に掛けた後、カースを試してみたが結果は何も起こらずに失敗した。


 アイアンゴーレムが動きがとれない間にHPをゴリゴリ削り、いつの間にかヤツの残り体力が3割を切った。

 これで白黒を使えば問題なく戦えることが分かった。白黒を使ってもロクにダメージを与えれなかった時のことは想定していないので関係ないがもし、ダメだったらモンスタートレインをすることになっていたかもしれない。


「ここまで弱体化すればもう相手にならないな......パワースタン」


 鎖からやっと解放されたアイアンゴーレムは直ぐに白黒が最大で発動したため相当弱体化されてしまった。最初は不知火を吹き飛ばす程強力だった一撃も今では逆に不知火によって弾き返されるまでになっている。


「弱体化しても弓によるダメージは殆ど見えないけどね」

「......強く生きろよ、聖!!」

「レオ、もしかして煽ってるの?」


 聖はサポートに徹しているがさっきまではムキになって弓のアーツを連発していた。完全に急所に命中してもカンっと音を立てて弾かれた時は哀愁が漂っていた。

 これは相手が悪かったと諦めた方がいい。的確に命中させることができてもダメージを与えられなければ意味がない。

 だったら、この街での戦闘は諦めて次の街に期待した方がいい。なんたって次の街は魔の森の麓に建てられた森林の街なのだから。魔力を含んだ木が大量に乱立する魔の森なら強力な弓を作ることができるだろう。

 まあ、それでアイアンゴーレム相手に大ダメージを与えられるかと聞かれれば返答に困るが。


「ラストアタックいただき!! ローリングスラッシュ!!」


〈戦闘が終了しました〉

〈STR上昇のLVが上昇しました〉

〈VIT上昇のLVが上昇しました〉

〈MND上昇のLVが上昇しました〉

〈AGI上昇のLVが上昇しました〉

〈DEX上昇のLVが上昇しました〉

〈平衡感覚のLVが上昇しました〉


 無事に勝利した。終わってしまえばあっけないもので最初に不知火が追撃を食らいそうになった時以外危ないところはなかった。

 しかし困った。もしかしたら私がこの中で一番弱いかもしれない。白黒があったとは言えアイアンゴーレムとのレベル差が一刀たちは顕著だったのに勝ってしまったからな。

 こうなったらここのフィールドボスは私一人で倒そう。

 次の街に行くだけだったらここのボスは倒さなくても、別の道から森林の街に行ける定期馬車が運行しているので無理に倒さなくても大丈夫な仕様になっている。

 そこは運営の優しさだろう。だが、運賃が10万バースなので意外とお高い。まあ、フィールドボスと戦うよりも楽だし、早く街に着けるので結局は10万だったら安い値段設定だろう。


 それと大事なことなので、私のレベルは上がらなかった。次はレベル上がってくれるよな? 信じているぞ。私はLV30に成ったら何が起こるか知りたいだけなのだ。


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