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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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鉄の人形 その1

「不知火たちが欲しい素材は鉄だよな? 鉄を落とす魔物はアイアンゴーレムだがそのまま戦うのか?」

「できるならそうしたいんだが今のレベルじゃちときつくねえか?」

「確か、アイアンゴーレムはLV30以上だよね。流石に苦戦すると思うよ」


 この街で作れる装備の最大が鉄装備なのでアイアンゴーレムに挑むのが一番効率がいいのだが、一刀たちのレベルがそこまで上がっていないので戦闘になれば誰か死ぬかもしれない。

 白黒を使えば何とかトントンになるかもって感じだ。

 逆にアイアンゴーレムより強い魔物はフィールドボスしかいないので弱い魔物なら選り取り見取りだ。だが、他の魔物だと肝心の鉄が手に入らない。なので、レベルを取るかアイテムを取るかの問題だ。


「情報収集した限りだとマッドが17、ロックが20、ブロンズが25、アイアンが32レベルだ。俺たちのレベルだとロックゴーレムがちょうどいいんじゃないか?」

「でしたら、少し高めのブロンズゴーレムでレベル上げをしますかね?」

「おいおい。そんなんじゃつまんねえじゃん。やっぱ、レベル差があったほうが面白いじゃねえか!!」


 レオの意見には賛成だが白黒でステータスを高めても対抗できなかったらグダる。無難にレベルを上げてから挑むのでもいいんじゃないだろうか。

 ブロンズゴーレムなら一刀たちのレベル帯にちょうどいいし、それに素材より安全マージンを取った方がいいだろうからな。


「おいおい、そこまで言われたら俺もアイアンゴーレムと戦いたくなるじゃねえか。お前らもそう思わねえか?」

「吾輩はどちらでもいいですぞ。それは皆さんに任せますので」

「不知火がいいなら俺もいいと思うぞ。この中で一番大変なのは不知火になると思うしな」

「僕もどちらでもいいよ。ゴーレム相手だと役に立たないからね」


 結局はアイアンゴーレムに決まった。

 なんだかんだ言ってみんな高レベルの相手じゃないと満足できなくなっている。私も自分より低レベルの魔物しか殆ど相手にしてないので、腕がなまらないように自分よりレベルが高い相手とも戦っていかなければ。とは言ってもアイアンゴーレムとのレベル差は3しかないが......。




「え、これは気持ち悪いんだけど」

「話には聞いていたが実物を見ると余計に気持ち悪く感じるな」

「うげぇ、気持ちわる。俺が思ってたゴーレムとちげぇんだけど」


 鉱山の街を出て南に進んだ先には荒れ地が広がっており、そこには人型の泥、岩、銅、鉄の塊がうじゃうじゃ存在した。


 分かるぞ、レオ。私も想像していたゴーレムとは全く違くて驚いている。

 ゴーレムと言ったら普通はファンタジー定番のいかにもなゴーレムをイメージするが、AWOのゴーレムは人型で顔ものっぺりとした言うならばマネキンみたいな格好をしている。

 いや、みたいなじゃなくまんまマネキンだ。つまり、一言で言うならキモイ。


「見た目を気にしてもしょうがねえよ。早速始めようや。ゼロ、バフを頼む!!」

「吾輩は特に何も感じませんがね。確かに気持ち悪いのは否定できませんが」


 ロードは何も感じないのか。先に教授からこの話を聞いてなかったら私ももっと嫌悪感に苛まれてたことだろう。

 まあ、それはいい。今度から私の魔石集めの対象になるのだ。あいつらの姿は飽きるほど見ることになる。


「エンチャント・ブラウンアップ......不知火、そいつは見かけ通り素早いみたいだから気を付けてくれ。それじゃあ、始めようか......エンチャント・ブラウンダウン」


 無駄をそぎ落としたスリムボディーのゴーレムはその見た目通りかなりの速度で移動する。ああ、私のゴーレム像を返してくれ。もっとファンタジーなゴーレムと戦いたかった。


「では、ファーストアタックはいただきますぞ......ファイヤーソード」


 ロードが行使した魔術陣から炎の剣が生まれ、アイアンゴーレム目掛けて高速で発射され、突き刺さる。

 轟々と燃え盛る剣をその身に受けたアイアンゴーレムはその場に止まる......ことはなく私たちに向かって全力で突っ込んでくる。

 何それ、キモイのだが。なんで陸上選手顔負けのフォームで走っているのか。それにロードの攻撃も余り効いてない。


「不知火、ヘイトを早く奪ってくれ!! マジでキモイんだけど。何あの走り方!!」

「そういわれなくても分かってるから安心しな......バイタルアップ、ヘイトアップ!!」


 分かるぞ。あの走り方はないわ。実際にマネキンがあんな感じに走ったら、その場から逃げだすかもしれない。


 不知火がVITを強化するアーツを使い自己強化してからアイアンゴーレムに向かってヘイトを奪うアーツを放つ。無事にアイアンゴーレムのヘイトをロードから奪いアイアンゴーレムのヘイトが不知火に向かう。

 アイアンゴーレムは物理攻撃しかしてこないので魔導を警戒しなくて済む分楽だろうか。


「ヘビィショット!! あ~、ダメだ。矢だとアーツ使っても弾かれちゃう。やっぱオリジナルスキルを使わないとだめか~。ゼロ、僕のMP管理もお願いね」


 弓だと弾かれるのか。これから白黒でアイアンゴーレムのVITは下がっていくがそれでも弾かれるのだろうか。

 それと聖のMP管理だ。確かに聖がオリジナルスキルを使うなら必要だが、ロードのついでなので問題はない。


 接敵まであと10秒を切った。

 今の内に白黒を成長させておこう。バフはSTR上昇でデバフは満遍なく食らってもらう。近接戦が始まる前からお前はもう私たちの攻撃には耐えられなくなっている!!


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