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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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護衛依頼 その1

「分かってんじゃねえか! これでオレたちも採掘ができるってわけだ。ツルハシ振らなきゃ今日は始まんねえってな!! ガハハハッハ」


 ああ、分かった。この人たちはかなり頭のネジが飛んでいる。

 採掘をするのが人生の生きがいになっているのだろう。まあ、私も人のことは言えない立場だが。


「おっと、すまねえ。今日もツルハシ振れると思うと嬉しくてつい、な。」

「それは良かったですね。私もミスリルが貰えるなら護衛を励ませてもらいますよ。申し遅れました。私の名前はゼロといいます」

「おう、よろしくな。ちなみに俺の名前はガロンってんだ。鉱夫組合の組合長をやってるんだぜ。鉱石が欲しくなったら是非鉱夫組合によってくれよな。一回くらいは安くしてやるぞ」


 待て。また重要人物か? 主要キャラとしか会ってない気がするんだが気のせいだろうか。

 それはいいとして、なんで組合長がここにいるんだ。組織の長と言うものは普通現場に来ないだろ。だが、こう言うところに来るからこそ部下に慕われているのだろう。

 

「早速だが中に入ろうぜ。オレたちが採掘をするのはこの鉱山の中層だ。下層に行けば行くほど希少金属であるミスリルなんかが大量に採れるが、今は下層にスケルトンの変異種である魔物が生まれてしまったみたいでな、最高位神官に討伐依頼を出してるからそれが終わるまでは中層までしか行けないんだぜ。それにここで採れるミスリル以上の希少金属は殆どを王都に納品しなきゃならねえから、パールにはミスリルは滅多に出回らねぇんだ」


 そうだったのか。それならこの護衛を成功させれば貰えるミスリルは現状では最高の素材になる。

 これでまた装備が更新できるが、防具にミスリルを使うことは少ないと思うので、とりあえずミスリルを使ってゴルジアナさんにアクセサリーを作ってもらうとしよう。

 それでミスリルが余れば残りはロードにやるのもいい。

 

「ところでガロンさん、この鉱山は潜りモグラとスケルトンだけしか魔物は出現しないのですか?」

「ああ、そうだ。この鉱山には潜りモグラとスケルトン種しかいねえ。それに、さっきも言ったが下層に行けば行くほど出現する魔物の強さは急激に上がる。だが、安心しろよ。オレたちが今から行く中層はたまにスケルトンの上位種が出るが所詮はランクEだ。オレたちの攻撃じゃああいつらを完全に破壊するまでには至らないが、逆にあいつらの攻撃でもオレたちには対してダメージは与えられねえ。その間にゼロが襲い掛かってくる魔物を倒すってことだ。」


 ぶっつけ本番になるがガロンさんたちに対してスケルトンがダメージを与えられないなら大丈夫だろう。問題はどのくらいの数の魔物がくるかだが、そこはなるようになるか。




 坑道を進むこと数時間が経過した。

 移動時間はやはり長かったが何度もスケルトンに襲撃を受けたので意外と忙しく、体感ではそこまで時間が経っていないように感じる。

 ガロンさんたちは毎日この距離を移動してると考えると尊敬に値する。

 私は早々に歩くのに飽きた。まあ、飽きたからと言って進まなければいけないのだから普通にガロンさんたちに付いて行くわけだが。

 

「よっし、到着だ! お前ら掘るぞ!! いいか、一欠片も残すんじゃねえぞ!!」

「「 分かってますぜ、親方!! 」」

「お前たちの筋肉は何のためにある!」

「「 鉱石を掘るために!! 」」

「お前たちの生きがいはなんだ!」

「「 ツルハシを振ることだ!! 」」

「そうだ! オレたちの人生はツルハシを振ることから始まりツルハシを振るって終わる! 行くぞおぉぉ!! 掘れえぇぇ!!」


 戦争でも始まるのか?

 凄い熱量だ。ほんと、採掘に命かけてるのが伝わる。

 これはミスリルも期待していいかもしれないな。


「そう言うことだからオレたちは採掘を始めるぜ。その間はオレたちの背中は任せたぞ、兄弟!!」

「ああ、守りは任せるんだな。兄弟たちには一切触れさせないさ」


 さて、私もやるか。

 何故ガロンさんのことを兄弟と呼んでいるのかと質問が飛んできた気がするが、漢の友情と言うものだ。突っ込むのは野暮ってもんよ。


 兄弟たちが鉱石を掘っている場所は広場のようになっており、それなりに広い空間だ。

 しかし、この空間は他の採掘場所と繋がる坑道が数多くあり、そこからスケルトンの集団がやってくる。

 上層までは3体ほどの集団で行動していたスケルトンもここでは10体ほどの群れで行動している。

 スケルトンは生者に寄って来るアンデット特有の性質があるため、この人数でも一か所に留まっていればそれはもう数えるのが億劫になる数のスケルトンがやってくるわけだ。


「ターンアンデット」


 そして、まんまと此処に来たスケルトンを私が消滅させていくループが完成している。こんなに簡単でいいのかと思うほどスケルトンのHPバーが削れていくので笑いが止まらない。

 私が使っているターンアンデットは不死属性に対して特攻力のあるアーツなので効果はバツグンだ。

 それにターンアンデットは範囲攻撃アーツなので装備スキルの効果でさらに範囲が拡大され、一度で5体は範囲内に入ってくれる。

 残念な点を挙げるとするならスケルトンをいくら倒してもレベルが上がる気がしないと言うことだろう。

 上位種のスケルトンを除けばスケルトンはLV10だ。ついでに兄弟たちが掘り起こす潜りモグラもLV14と他の魔物よりは高いが、私のレベルからすると経験値的には物足りない。

 

 まあ、いい。これも塵積も、塵積もっと。

 すみません。スケルトンのおかわりください!!


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