表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
65/378

ロックタートルとバーストロック

 鉱山の街、パールの東には始まりの街とは違い、荒れ地が広がっている。まあ、このまま北に向かえば草原が広がっているのだが。

 それはさておき、ここにはロックタートルとバーストロックがいる。

 ロックタートルはただの亀だが私が戦った魔物の中では初めて魔導を使う魔物だ。

 次にバーストロックだが......うん、あれはただの岩だ。だが、自爆の威力は馬鹿にならないが。いや、マジで。


 なんでそんなことを知っているかだって? それは......死に戻りしたからだ。正直、バーストロックのことを嘗めてました。

 だが、あれは想定以上の攻撃力だった。

 白黒をフルで発動させていたのだがまさかそれでも貫かれるとはな。受付嬢にあれ程自爆には気をつけろと言われていたのに。情けない限りだ。

 テンポよく進んでいたから調子に乗っていた。自重せねばいかん。しかし、そのおかげで頭が冷えたからよしとするか......。


 それにしても暇だ。デスペナは3時間のステータス、獲得経験値の減少。さらに一定確率でインベントリ内のアイテムのロストだ。

 アイテムのロストはなかったがステータスは5割も減少している。

 そして何よりつらいのは経験値が少なくなることだ。ステータスについてはバフをかければ元のステータスくらいにはなるが、経験値が少なくなると正直魔物を倒す意味を見出せない。

 今魔物を倒しても雀の涙程度しか経験値はもらえないだろうからな。


 デスペナが解除されるまではさっきの戦闘でも振り返ることにする。

 まずはロックタートルだがコイツは苦戦せずに倒せた。

 土属性の魔導を使って槍や球を飛ばしてくるが、発動の予兆が分かりやすいため簡単に避けることができる。それに鈍重で、殆ど魔導で攻撃しかしなかった。

 その代わりと言っては何だが、それなりに防御力が高いのが特徴だろうか。

 確かに防御力が高く、ダメージが与えられないうちに魔導で攻撃されたら堪ったものではない。だが、ここで鎧砕きが優秀な働きをしてくれた。


 より正確なことは検証班に投げるとして、このスキルのおかげで敵へのダメージが与えやすい箇所がなんとなく視えるようになった。

 例えばだが、ラッシュボアは硬い体毛のせいで攻撃が上手く通らないことがあるが、足の関節部などの体毛はそれほど硬くないため攻撃が通りやすい。

 このように魔物には生物と同じく弱点が存在する。そしてこのスキルは防御が高い相手に対してのみ外見からは分からない弱点を見極めることができると言うことだ。


 甲羅に籠っていようが防御が薄い箇所がなんとなく分かるので通常よりも効率よく倒せる。まあ、本来なら物理攻撃ではなく、魔術攻撃で倒すのがセオリーなのだろう。

 VITが高くてもMNDが案外低いのかもしれないからな。残念ながら神官には攻撃魔術がないので考えても仕方ないが。


 そして、私をキルしてくれたバーストロックだ。

 あれは推奨ランクEではないだろ。全強化をした状態の私のSTRが70くらいあったがそれでも5割しか削れなかった。確かに攻撃系のアーツは何も使ってなかったがそれでも倒せると思ったんだ。結局は死に戻りしたが。

 しかし、人は常に学ぶものだ。

 なんとなくだがバーストロックの攻略方法を見出せた。最低条件は一撃でHPを0にすることだ。しかし、通常攻撃ではそれは難しい。

 アーツでもあればできるだろうが、もし私がアーツを使おうものなら白黒が解除され、今度は火力不足になってしまい本末転倒だ。

 

 そこで今回も鎧砕き先生が役に立つ。

 鎧砕き先生によるとバーストロックの内部に弱点があると示している。その弱点に攻撃を入れることができれば一撃で倒すことができると思う。

 それと、どうやって内部に対して攻撃するかだが、これは既に解決している。

 双心流の技には本来、相手に触れた瞬間に生じる衝撃を体の内部にまで浸透させるものがある。私の専門は守りを主とする『柳』であるが、それに対を成す攻撃を主とする『荒』も多少は習得している。

 昔はどこで使うのか疑問に思いながらも、ただひたすらに稽古に励んでいたが何事もどこかに収束していくものだな。


「あ!!」


 まずい。また叫んでしまった。今度は露店の前にいたので、ばっちり通行人に見られている。恥ずかしすぎるだろ。30歳になって『あ!!』はないだろ。

 あー、あれだな。心はまだまだ若いってことにしておこう。


 それより今思い出したが別に経験値はそんなに重要ではないじゃないか。

 目的は魔石集めであってレベル上げではないのだから。それにロックタートルなら状態異常が効くんだった。いかんいかん、脳筋プレイするのはレオだけで十分だ。


 一つの物事に集中すると他のことに集中できなくなる癖を直したいものだ。

 常に冷静を保ち周囲を俯瞰することが戦場では重要なのだから。視野が狭くなるのは神官としても3流以下だ。

 とりあえずロックタートルを狩りに行くか。3時間もあれば5個くらいは魔石落ちるだろうしな。

 

 あ、これはやったか? 『フラグ立ったぞ』って幻聴が聞こえてくる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] バーストロック…ば○だん岩…?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ