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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第五項 王都
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PK戦 その5

 魔戦士とは戦士の二次職の1つだ。主な特徴としては戦士でありながら魔術を使えることだ。勿論、本職の魔術士に比べれば見劣りするが魔戦士の職に就いている者は大半がかなりの腕前を持っている。と言うのも近接戦中に魔術を使うため拘束割を呼吸をするレベルで使用できなければいけないからだ。


「スラッシュ......サンダーランス」


 剣が振られ、続いて雷の槍が飛んで来る。剣による攻撃は樹王で防ぐことが出来るが魔術による攻撃は極力リフレクトで防ぐことにしている。魔力を纏わせれば樹王でも対応可能だが万が一を考えると行動に移すことが出来ない。


「おいおい、そんなものか? さっきまでの威勢はどこに行ったんだ?」


 守りばかりで攻撃に転じないためヤツは退屈してしまったようだ。


「そう焦るな」

「ッケ。やっと喋りやがったか」


 ヤツと剣を交えている間にどうにか7つの魔術陣を選択することが出来た。陣は羽織の中で展開しているのでヤツにバレていない。後は待機時間が終了するまで攻防を続けるだけだ。


「俺の攻撃は見るに値しないってか!! ムーンスラッシュ」


 コイツの沸点は低すぎではないだろうか。まだ残っているPKを確認するために周囲を見渡すと激怒しながら下段から上段にかけて剣を振ってきた。

 しかし、そのアーツはレオが何度も使っているので攻撃の挙動が見え見えであり、掠ることは無い。剣先が鼻に触れるかどうかのギリギリを狙って後退し、樹王を突き出す。


「ソードガードっぐ!」


 剣士は上段に掲げられた剣を直ぐさま引き戻し、剣の腹で樹王の突きを受け止める。だがパラメータの差により、衝撃を緩和することは出来ずに後方へと飛んで行く。


「追加だ。白黒七種」


 バフの更新を行い、パラライズやスタンなどの行動不能系アーツで追撃を掛ける。紫電や漆黒が飛び、ヤツに向かって行く。四種類のデバフはその内の一つでも判定に成功すれば確実に隙を作ることが出来る。まあ、当たればの話ではあるが。


「当たんねぇよ」


 ヤツはそう吐き捨てると消えた。オリジナルスキルを使って移転したからだろう。突如として後ろに気配が現れる。


「お前に用はない」


 戦士寄りだからだろう。距離を詰めることばかりを優先し、魔術は補助にしか使っていない。それでは私には勝てないと断言できる。今までの攻防でヤツの癖は把握したからだ。それにアーツを使おうと樹王であれば対応できる。

 コイツがするべきだった行動は移転と共に距離を取り、範囲魔術を使うことだ。ただし白黒の制約を察することが出来ていないのなら仕方ない。


 歩之術理 縮地


 ヤツが行動する前に跳び出す。私の近くに移転してくる程度の相手なら無視でも構わないだろう。


 ヤツは気づいていないようだったがパラライズなどを放った時、ヤツの後方にはタンクがいた。つまり、ヤツが移転でデバフを回避したため紫電などは標的をタンクに変えたのだ。タンクは未だその場から動いておらず、迫る紫電を見てもそれは変わらない。


「お前の相手は俺だって言ってんだろうが!!」

「では相手をしてやろう」


 走りながら予想通り、前方に現れた剣士を見て腰下で右手を握るように動作をする。すると腰に樹王、右手には黒茨の槍が出現する。

 先ほどの周囲を見渡した時、黒茨の槍につかれた剣士は死に戻っていたのでメタモルフォーゼで回収しただけだ。


 槍を突き出す。ヤツは唐突に出現した黒茨の槍に驚いている様子はあるが無意識化で対処を優先した。先の剣士同様、カウンターで槍を弾き、攻撃に転じる。

 手に弾かれた感触が伝わる。ならばと槍を反転させ石突でヤツの右手を叩くために軌道を変える。だが石突での攻撃も剣を据えることで弾かれた。唇の動きからアーツであるパリィが使われたのだと判断し、弾かれた反動に身を任せる。


 攻之術理 廻脚


 反動を利用して回転蹴りへと繋げる。剣による迎撃を防ぐためにシールドを間に挟んだがその心配は要らなかったようだ。蹴りはヤツの腹に入り、後方へと大きく吹き飛ばし、数メートルほど飛んでから背後の樹に背中を打ち付けて止まった。

 続けて槍にMPを込めていく。すると徐々に黒色の茨が伸び始める。それをヤツに対して突き出した。頭部を狙い確実に殺そうとしたがそれはギリギリで避けられてしまう。しかし、伸びた茨がヤツを絡めとり、何重にも巻き付いて樹に張り付けた。


 この状態から抜け出すことは出来ても時間が掛かるのはオーガで検証済みであるのでこの男については一度無視し、タンクに足を向ける。


 ヤツは一体何のオリジナルスキルを使おうとしているのか。もしくは既に使っているのかもしれない。どちらにせよ今の今まで害が無いことを考えれば補助系の効果である可能性が高い。だが、もしもタメが必要な攻撃系の効果なら困るので先に潰しておいても損はないだろう。


「ハイパーフェクトガード」


 縮地で距離を詰めるとタンクはアーツを使用した。

 ハイパーフェクトガードは確か一定以下のダメージを無効化し、さらに攻撃を喰らっても体勢を維持することが出来るアーツだ。


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