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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第五項 王都
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PK戦 その4

「あれもオリジナルスキルか!」

「瞬間武装だ。装備の切り替えには注意しろ」


 メタモルフォーゼで武装変更をするとPKたちが騒ぎだす。知り合いらしい剣士はやはりかなりの腕前であるらしく、スキルについての情報収集も怠っていないようだ。ただ、メタモルフォーゼはユニークスキル級のスキルなので正解には辿り着いていない。まあ、瞬間武装は武器限定版のメタモルフォーゼなので殆ど正解と言って良いだろう。


 メタモルフォーゼで変換したのは武器だけだ。元は導魔に硬魔だったが今は樹王と黒茨の槍となっている。


 槍を片手で構えて突き出す。刀に比べれば御粗末だが多少は槍も扱うことが出来る。実際に練習していたのは薙刀だが使い勝手は似ているので槍でも普通以上に扱える。


 黒茨の槍には装備スキルがあるがそれはまだ使わない。一度使ってしまえば案外早く対処されてしまうからだ。


 槍の突きに対して剣士はアーツを使って防ごうとする。だが、普通に考えて点の攻撃を線で受け止めことは達人でなければ不可能に近い。例え剣の腹で防いだとしても、完全に力点を捕らえなければ止めることは出来ない。


「バカがよ!」


 剣が横に振られる。青の軌跡を描いたことから何かしらのアーツなのだろう。緩やかに景色が流れる中で剣士は正確に槍の穂先へと剣先を当てた。


 そう言えば剣術の二次スキルの中にカウンターと言うアーツがあったなと思い出しつつ、返す剣で反撃を仕掛けてきた剣士を見る。


 白黒の効果は未だ健在であり、PKたちに比べて圧倒的にAGIが高いため思考に余裕がある。体感3秒程の間に感知系スキルの強度を上げ、次に魔術を選ぶ。

 思考する時間が無くなり、行動に移さなければ剣で斬られる所まで来た段階で弾かれた槍を反転させ、石突で剣を握っている手の甲を叩く。


「っぐ! 今のに対応するのかよ」


 弾かれた際の反動を余すこと無く石突の攻撃に利用したので相当威力が高かったようだ。剣士が握っていた剣は弾かれて飛んで行った。


 さらに追撃を掛けるため腕を引き、重心を後方に移動させてから突き出す。連撃より威力を重視した一突きは剣士の胸に当たり、鈍い音を立てながら吹き飛んで行った。続けて一歩踏み出しながら槍を持ち替え、投擲する。

 下手な戦闘職よりもSTRが高いため打ち出された槍はかなりの速度を持っており、背を樹に打ち付けた剣士の肩を貫き、背後の樹に突き刺さった。ちょうど剣士が座る形で樹に背を掛けたため、黒茨の槍は剣士に対して斜めに刺さり、容易に抜け出すことは出来なくなっている。


 一番近くに喋り掛けてきたPK、左後方には残りの剣士、最も離れた後方にはタンクの男。これで残り3人。

 先ほど気配察知の強度を高めた時、タンクだけは動いていなかった。

 タンクとは常に敵のヘイトを受ける役割であるため最も前線にいるのが普通であるが今回の相手は違うようだ。一番可能性が高いのはオリジナルスキルの発動準備中だろう。


 そうなると、先に倒すのはタンクだ。

 本音を言えば最後に相手をしたかったがオリジナルスキルは使われる前に倒さなければ痛い目を見ることになる。


 歩之術理 縮地


 樹王を手にして地面を蹴り飛ばし、即座にタンクとの距離を縮める。


「させねぇぞ。スラッシュ」


 しかし、突如、例の剣士が目の前に現れて剣を振るう。寸前の所で回避することが出来たが危うく攻撃を受けるところだった。

 ヤツとの距離は10メートル以上離れていたのでこの距離を瞬時に詰めるとすればテレポートが使える空間魔術が必要になる。しかし、掲示板も、春ハルさんも、検証班でさえ製品版では習得方法を確認できていないため、空間魔術ではないだろう。だとすればこの移転はオリジナルスキル由来の効果であると考えた方が自然だ。


「お前の相手は俺だ。あいつらのように簡単に殺せると思わないことだな」


 出来ることならタンクを先に潰したかったが目の前のコイツを放置しておく方が危険だ。ヤツは隠蔽や偽装系のスキルを持っているようで鑑定が効かないためHPやMPの残量がどれ程かは分からないが少なくとも後数回は移転をすることが出来ると考えておいた方が良い。

 オリジナルスキルでも空間魔術を再現できるのは分かっていたが今まで使ってこなかったので可能性を捨てていた。しかし、何故ここで移転を使って来るのだろうか。まあ、最初に魔術士は倒せているのでコイツに時間稼ぎをされてもタンクへの処理が遅くなるだけだ。


 ただ、白黒の弱点がここでバレるのはまだ時期が早いのでどうにか避けなければいけない。PKたちがこの集団だけのはずがないからな。


「ピアーシング......ライジングスラッシュ......ファイヤーランス」

「魔戦士か!?」

「御明察」


 ヤツが踏み込みと同時に剣術のアーツを放つ。ここまでは予想通りだったが剣が突き出されるのと同時に赤色の魔術陣が出現した。

 突きは樹王で払い、踏み込もうとすれば高速で剣が振られる。アーツの補助動作により、本来では攻撃不可能な体勢からでも攻撃が続けられた。それを半歩下がることで躱せば、赤色の魔術陣から炎の槍が飛び出した。

 炎の槍は真っ直ぐに飛び、私を狙うが展開していたリフレクトを間に挟むことで対処する。


 魔戦士相手に後退は悪手だ。

 私は樹王を強く握り締め、ヤツとの距離を詰めた。


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