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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ VS トレントンキング その5

「お待たせ」

「収穫ありだぞ」

「戻ったか。早速で悪いが情報共有を頼む」

「オッケー。でも、その前に一刀の方はどうだった?」

「俺からか。俺が調べた限り、周囲に何体かそこいるトレントンよりも一回り程でかいのが存在していた。しかもそれぞれの距離はかなり離れてたぞ。俺はこのトレントンが怪しいと考えている。で、どうだ、聖?」

「うんうん。全くその通りだと思うよ。僕たちもエリア端まで探索をしてきたけど一体だけ周りのトレントンとは明らかに大きさが違うやつがいたからね。それに、そいつを倒したんだけどなんと再生しなかったんだよ。これ、怪しすぎじゃない?」


 再生しないトレントンか。確かに怪しいな。それに......もしや。


「そのトレントンを倒したのはいつのことだ?」

「大体10分くらい前かな? それがどうかしたの?」

「やはりか。ちょうどその頃にここのトレントンたちの再生速度も低下している。これは当たりじゃないか?」

「そうだったんだ。じゃあ、次の作戦は決まりだね。ちなみにトレントンキングの方はどうだった?」

「それは分からんが今まで通りの攻撃だと回復速度の方が速いな」


 一刀と聖たちが持ち帰った情報をまとめた結果、今から例のトレントンを討伐しに行くことになった。聞いた限りでは他に目ぼしい情報は無さそうなので怪しい情報から潰していくのが良いだろう。


「そう言えばだがエリアの端に向かうほどトレントンは弱くなってたぞ」

「それもヒントになるかもな。だが、今は再生しないトレントンを倒すことを優先しよう」


 トレントンキングから離れる程に魔物が弱くなっているのか。しかし、これについては予想の範囲内だ。本命から遠ざかる程に弱体化するのはゲームの定番だからな。


 不知火を先頭にして後ろに私が続き、その両端にロードと一刀が付いて後方には聖がいる。レオは遊撃だ。

 何時もならばロードが私の位置にいるが白黒が発動している状態ではそうもいかなく、全方位を常に警戒しながら一刀が見かけたトレントの下まで向かっている。


 ここでトレントンキングが地震を起こす魔導を行使すればこの隊列も意味が無いがトレントン相手なら問題なく林の中を進むことが出来る。ちなみに林と言ったが元はここも草原だった。それが、トレントンが生えたことによって魔の森の麓のように林になってしまっている。


「通れるようになったぜ!!」


 トレントンの幹を切断したレオが手招きをする。

 今もトレントンは再生により、切断面が成長しているが完全に成長しきるまで攻撃することは無いので全員で傍を通って先に進む。


 トレントンを行動不能にすることを目的とした戦闘ならレオが適任なので好きなように動かせているが、パラメータの暴力により一撃で切断できるのが余程気持ち良いのか私たちが通る道を開拓するだけでなく周辺のトレントンにも攻撃を仕掛けている。

 そうなればトレントンが伐採されて見通しが良くなるのは自明の理と言うもので今まで届いていなかった魔導が届き始める。だが、不知火がいるためその攻撃が私の下まで届くことは無い。


 暇と言えば暇だがたまには偉人になったかのような気分を味わうのも悪くないものだ。

 もしもこの陣形を崩すと言うのならばフォレストスパイダーでも足りない。せめて80レベルのボスモンスターが欲しい。おっと、こんな事を考えていると本当に来そうなので余計なことは考えないようにしておこう。


「見えてきた。あれがそうだ」


 一刀が指指す方向に目を向ければ確かにそこには大きめのトレントンがいた。他のトレントンに比べれば一回り、いや二回りほど大きいだろう。しかし、違うのは大きさだけで他に変わった所は無さそうだ。


「モーションに変化はあったか?」

「特に無かったと思うよ。違うのは大きさだけ」

「それなら、レオ。攻撃してみてくれ」

「任せな!!」


 指名されるのが分かっていたのだろう。返事をすると同時に駆けだしたレオの大剣にはオーラが絡みついている。

 剣術の二次スキルには剣術Ⅱ、短剣術Ⅱ、長剣術Ⅱの三通りあり、攻撃後のスキが多い代わりに強力な攻撃を可能とする長剣術Ⅱを習得したレオは一撃の瞬間火力で言うのなら私たちパーティ中で一番高い。そしてバフによる強化も加わっていることも合わせれば鬼に金棒と言うわけだ。


「パワースラッシュ!!」


 トレントンの攻撃を掻い潜り、レオの大剣が振り下ろされる。

 型も何もないただ大剣を振り下ろしただけの攻撃にも関わらず、何の抵抗もなくトレントンを切断してしまった。


「爽、快!!」


 本当に気持ちよさそうな顔をする。

 レオによって切り飛ばされたトレントンの上部は切断されたそばから黒い靄となって消えて、残された幹は時間が倍速されたかのように枯れていく。

 実際に見るまでは半信半疑だったが本当に再生しないようだ。


「レオ、隣のトレントンも攻撃してみてくれ」

「おうよ。ハイローリングスラッシュ!!」


 円形に剣の軌跡を残しながら斬撃が放たれ、トレントンのHPを削る。

 それから数秒ほどトレントンの様子を観察するが僅かにHPの回復速度が落ちている。

 これは確定だ。次も一刀に大きめのトレントン、以降ビッグトレントンの下に案内してもらいこれを討伐していこう。

 それとビッグトレントンを5体ほど倒したらトレントンキングにも影響はあるのかも調べないとだ。


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