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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ VS トレントンキング その1

 ワールドクエストが始動してから3時間が経過した今、私たちは69階層のセーフティーエリアにある魔法陣の傍らに立っている。

 結局、ミサキさんや教授、アーサーたちとの会合は23時に王都で行われる事になった。と言うのも教授たちがこの街に来るよりも私たちが王都に向かった方が良いと言う結果になったからだ。

 どうせ今日の攻略が終われば王都に向かう予定だったのでちょうど良い。


「いよいよ終盤だね。」

「時間的には大分やってたがその分レベルも上がったし、俺は満足だ」

「まだフロアボスが残っているから満足されても困るがな」


 今までのレベリングのおかげで全員が70後半まで種族レベルが上昇した。しかし、カンストまで上げる事が出来なかったのが残念だ。

 70レベルは超えているので多少の余裕はあると思うが出来る事ならカンストして挑みたかったと言うのが本音だ。

 特にロードは基本属性の魔術を全属性習得しているので、スキルレベルがカンストした時に習得できるアーツが使えていればフロアボス戦でより優位に立てたことだろう。


「そろそろ行くぞ。準備はいいか?」

「おうよ!!」

「もちろん問題ありませんぞ」


 バフを飛ばしながら全員を見れば問題ないと言うことなので魔法陣に乗る。

 この時ばかりは次がボス戦と言うことで緊張するがこの緊張感もまた堪らなく良い。

 フォレストスパイダーは楽に倒せたので70階層のフロアボスであるトレントンキングもそこまで緊張する相手ではないかもしれない。

 だが、余裕をかまして敗北などは御免なのでやはり慎重にだ。


〈ボスエリアに侵入しました。戦闘を開始します〉


「あ、れ......だよね?」

「そうだな」

「マジで?」

「マジですな」

「デカすぎじゃね?」

「キングはだてじゃ無いってことだ」


 70階層に跳ばされて直ぐに戦闘開始のアナウンスが流れた。しかし、戦闘が始まっただけで敵であるトレントンキングは攻撃してこない。と言うより、攻撃できないと言った方が正しいのかもしれない。

 私たちの目の前に見えるのはトレントだ。ただ、今まで見て来たトレントとは圧倒的に大きさが違う。

 転移した場所からトレントンキングがいる場所までは50メートル以上離れているにも関わらず見上げるようにしなければヤツの全貌を見ることが出来ない。


「近づかなければ反応しなそうだね」


 聖の言葉に頷きながら詠唱を始める。

 このエリアは草原で中央にトレントンキングがいるだけなので非常に見晴らしが良く、見渡しても魔物の姿は1体も見当たらない。


 一回目の詠唱が終わり、全員にバフを掛けてアブソープなどの闇魔術を掛ける。すると白黒の条件が満たされてバフの効果が上昇する。

 アブソープなどは継続時間が短いので意味はなさそうだが、ヤツが一切動きを見せないので白黒を最大まで上昇さてから行動に移ることにした。

 詠唱を始めて数分で遂に白黒が最大になる。


 都度、バフの更新を挟んだが6人もいると全員に全てのバフを掛けるにはMPを無駄に消費することになるので各個人が必要なバフだけに留めた。しかし、トレントンキングと戦闘になればバフを掛ける機会は幾らでもあるので全バフが掛かるのも時間の問題だろう。

 それと私の横では時間的に切れてしまった各属性魔術の効果を上昇させるバフをロードが自身に掛けてからMP回復ポーションを服用していた。


「どこまで近づいても大丈夫か確かめよう」

「攻撃は厳禁だが30メートル付近まで近づけたら先制はロードだな」


 準備は完璧と言うことでトレントンキングに近づいていく。

 途中で奇襲されても良いように警戒はしているが、今までバフを飛ばしている間も動きが無かったところを見ればトレントンキングは攻撃を受けてから動き出すタイプのボスである可能性が高い。

 それか距離で反応するタイプだがそれはなさそうだ。何故ならヤツとの距離が50メートルを切ったにも関わらず動き出す気配がないからだ。


「タイミングは任せる」

「それでは始めますかな。【灼熱は形を成す 燃ゆる剣 それは煉獄の宝刀 燃ゆる盾 それは烈火の陣笠 燃ゆる鎧 それは紅蓮の兜 陽炎を生む一刃 天を駆ける火竜の吐息 劫火を齎し焦土を残す炎々の嵐 火種が燃え飛翔する 火の番人が構える矛は万象を焼き穿つ 炎陣は猛火を散らし焦熱を運ぶ 日輪は沈み空は黒に支配される〈ディカプルマジック・オブ・ファイヤ 〉】」


 トレントンキングとの距離が30メートル程になった所で移動を止めてロードに合図を出す。

 今回は周囲に炎上する樹々が無いことや相手がトレントン系で火に弱いのでは無いかと言う考えの下、火属性で魔術行使してもらう。


 ロードが詠唱を始めると同時に10の魔術陣が構築される。その中の数個はトレントンキングの下で展開したがヤツが動き出すことは無い。

 これは攻撃を当てない限り動き出さないパターンで間違いなさそうだ。


 ロードにはINT上昇のバフは勿論のこと白黒によるパラメータ上昇の効果も入っているのでINTだけでも70レベル以上分のSPが加算されている状態だ。

 そう考えれば約140レベルの状況で挑んでいるのと同じ状況と言い換えられる。まあ、他にもバフは掛かっているのでレベルに換算すれば実際はもっと高レベル帯と言っても過言ではない。


 どちらにせよ、INTだけ見ても、70レベル以上が適性のトレントンキングなど余裕だと言うことだ。

 それに連続詠唱による10の魔術陣の展開も合わさっている事だし、フロアボスと言えども一撃で沈められる可能性もあるな。


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