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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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ワールドクエスト その2

 中央のエリアに戻って来てまず行ったことはお知らせ欄に届いたワールドクエストの概要を確認することだ。概要を選択すると内容がポップアップして情報が閲覧可能になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ワールドクエスト【悪意の胎動】

失敗条件:王都〈フィクト〉陥落または主要四都市〈ファージン〉〈パール〉〈フォースト〉〈ザスライド〉中三都市陥落

陥落条件:都市中の住民半数以上が死傷かつ建築物の半数が倒壊

達成条件:スタンピード終了まで上記条件を満たさないように都市の防衛


スタンピード終了まで残り99時間


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ざっと流し読みしてみたがどう思う?」

「何とも言えんな。情報待ちだ」

「でも、スタンピードが始まってるって事はもう魔物が街に向かっているって事じゃない?」

「いや、直ぐに戦闘が始まる訳ではないだろう」

「ゼロ殿の意見に同意ですな。今はダンジョンから出ないで情報が集まるのを持つのが賢明でしょう」


 概要を確認した後、パーティ内で話し合いを行う。

 しかし、ダンジョンにいて情報が無い私たちは結局情報が集まるまではダンジョンから出ないと言う結論に至った。ただ、アーサーやミサキさんから返信が来るのはもう少し後になるだろう。


〈フレンドからメッセージが届きました〉


 それから少ししてミサキさんからメールが届いた。

 メールの内容としては現在、地上でスタンピードの予兆は見られないが今後の方針を話し合わないかと言うものだった。

 さて、どうしたものか。今後の方針を決めるのはやぶさかではないが問題は時間帯だ。


「ミサキさんから連絡が来たがスタンピードは今のところ問題ないようだ。ただ、これからについて話し合わないかと相談された」

「俺の所にもかねがね同じ内容が教授から届いた」

「アルポールからはゼロと同じ内容だね」

「俺の方はスタンピードは起きてないって報告だけだな」


 聖に届いたアルからの返信はミサキさんと同じ内容だろう。

 それよりも、一刀宛てに届いた教授からの連絡でも話し合いを提案されているならそれに乗じてミサキさんやアーサーたちとも合同で行った方が良さそうだ。


「一刀は教授にミサキさんやアーサーたちも呼んで対策案を話し合わないか連絡を取ってくれ」


 一刀に一言伝えてからメールを飛ばす。

 それと先ほど確認した時にアーサーから返信が届いていた。内容はダンジョン攻略を進めていて外の状況は分からないとのこと。


 ダンジョン内でメールを返す余裕があると言うことはセーフティーエリアにいる可能性が高そうだ。

 周囲を見渡してもプレイヤーは一人もいないのでこの階層にはいないのだろうが、果たして70階層より先に進んでいるのか、それとまだ下層にいるのか。


「教授からだが今、王都にいるらしい。ただ、情報収集を優先させるから話し合いは今夜でどうかと来た。どうする?」

「それで良いんじゃないか?」

「そうだな。それだったらアーサーたちも同じことが言えるだろう。21時以降はどうかと連絡してみてくれ」


 今の時間は15時を過ぎた辺りなので6時間後と言うことだ。

 教授たちが情報収集するにしても1、2時間ではあの人たちは満足しないだろう。さらに言えば教授はこの街にいない。

 王都にいると言っていたので対面して今後の展開について話合うならここに来るまでに追加で2時間は掛かる計算になる。

 それに21時まで時間的猶予があればそれまでに70階層の攻略も完了しているはずだ。

 もしかしたらそのまま71階層にも進出して転移可能階層を増やすことが出来るかもしれない。そうすればソロでダンジョン挑んでも71階層から再開できる。


「連絡終わったぞ」

「それじゃあ、さっきの続きやるか!!」

「レベリング再開ですな」


 一回連戦をやれば終わるまでに連絡が来ていることだろう。

 その後は時間を合わせながら攻略を進めるだけだ。

 ダンジョンを出る前に全員がカンスト出来ればいいが間に合うだろうか。今から3時間では流石に厳しいか。

 それでも出来るだけレベルを上げることに越したことは無い。スタンピードがどういった代物かは分からないが、フィクションで出てくる用語としての意味なら魔物の大量発生を示すことが多い。


 全員でセーフティーエリアを出てから森の中を進む。

 ワールドクエストが始まった時に掛けたバフはとっくに解けているのでそれぞれに必要なバフを掛けていく。

 一刀はバフが掛かると同時に釣りに行くために走り出したので、私たちも遅れないように移動しながら単体で行動している魔物を捕まえて白黒を成長させる。


「あれなんかが良いんじゃない?」

「時間もないしそれでいこう」


 枝に止まっているマギオウル目掛けて聖が矢を飛ばす。

 その攻撃は外れる事無くマギオウルに命中し、マギオウルのヘイトを買った。しかし、それに続き不知火が自身のヘイトを上げるアーツを使い聖からヘイトを奪う。

 流石の鳥頭と言うべきか、それともアーツが凄いのか風の魔導を発動させる直前でターゲットを変更されたと言うのにまるで何事もなかったかのように不知火にターゲットを合わせて攻撃し始めた。

 その間に聖は一刀の様子を窺いに離れていき、私はパラメータの上昇値を上げるために詠唱による魔術行使を行う。

 これには理由があり、詠唱の方が一つずつアーツを発動させるよりも少しだけ短い時間で行えるのだ。


「移動するぞ」


 白黒も成長してきた所で聖の下へ移動する。

 今の隊列は私が先頭、次いでレオ、ロード、不知火となっている。私が先頭なのは聖の位置を把握できるからであり、不知火はマギオウルに狙われているので殿だ。

 そして、一刀と合流する直前でロードにはマギオウルを倒してもらう手筈となっている。

 その直後に広範囲魔術を連発してもらうのでロードは多少ハードだが、実際は何の苦にもなっていないのだろう。


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