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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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レベリング その6

「右に4体、トライホーンラビットだ」

「やつらなら無視して構わないだろう。避ける方向で進んでくれ」


 ロードたちが5体のトライホーンラビットを倒し、戦闘終了のアナウンス響いている中、一刀が敵を見つけた。

 私の索敵系のスキルでは探知出来ないので斥候としてなら既に一刀の方が適していそうだ。


 戦闘自体が直ぐ終わるとしても何度も戦闘を挟んでいてはMP消費量が心配になる。

 ロードの場合は杖術のアーツでMP回復できるがそれも微々たるものだし、聖たちはMP回復ポーションを使用しなければいけない。

 ポーションはダンジョンに入る前に補給しているようだが、連続で使用すればポーション酔いの状態異常に陥るので多用は出来ない。

 よって、慣らしが済んだら連戦に入るまでは戦闘を極力避けて攻略に専念した方が何かとコストパフォーマンスが良い。

 何せ連戦さえ始まってしまえば闇属性魔術のアーツで相手のMPを奪う手段が増えるからだ。


 ......まあ、白黒が最大まで成長していれば物理で殴るのもアーツを使うのも大差ないと思うが。




「ここからは避けられない戦闘が格段に増えるから戦闘準備を怠るなよ」

「まかしとけ!! 俺が蹴散らしてやるよ!!」

「張り切るのは良いが余り離れるな。俺がカバーに入れなくなっても知らねえぞ」


 最初のトライホーンラビットとの戦闘からさらに数戦挟んで生物区域に到達した。

 ここからはラビット系だけではなく、ウルフ系やボア系の魔物が群れで出現するようになり、エンカウントする確率が高くなる。

 一刀がソロなら見つかる前に逃げる事が出来たかもしれないが、今はパーティで行動中なので初期区域とは違い簡単には逃げることは出来ない。


「ダメだ。見つかった。前方からラッシュボア4とクリティカルボアが1だ」


 そんなこんなで攻略を進めること数分でとうとう魔物に見つかったらしい。耳を澄ませば一刀の情報通り、森の奥から何かが走る足音と鳴き声が聞こえる。

 今回の魔物は前方から攻めて来たと言うこともあるが不知火に任せるのが安牌だ。

 特にラッシュボアの上位種だと思われるクリティカルボアは、私たち後衛が真正面から攻撃を受ければHPの半分以上は軽く持っていかれるのを覚悟しなければいけない相手だ。


「俺がクリティカルボアとラッシュボア3体のヘイトを買うから残りの1体はレオが叩いてくれ」


 盾を構えた不知火が前に出てヘイトを稼ぐアーツを使う。すると1体、また1体と不知火をターゲットにしたラッシュボアたちが盾を目掛けて次々と突進を喰らわせた。

 その攻撃で不知火のHPが削れるがハイヒールを飛ばして直ぐにHPを回復させる。

 ボア系の魔物はステータス的にSTRが高いはずなので一回当たりのダメージ量が大きいが不知火も純タンクなので問題なくやつらを引き付けてくれる。

 不知火をターゲットにしているラッシュボアたちにはロードと聖がヘイトを稼がない程度の軽めのアーツを少しずつ発動させてHPを削りだした。

 ついでに一刀もそれに乗じてヘイトを奪うギリギリを見極めながら強力なアーツを使って攻撃している。


 レオはと言えば、不知火がヘイトを奪わなかったラッシュボアとタイマンを張っている。

 不知火なら全てのボアたちのヘイトを買って自身に攻撃を集中させる事ができるが、その分少しのヘイトでターゲットがズレてしまう。

 特にSTRにガン振り、強攻撃アーツが殆どの大剣使いであるレオが攻撃する度に不知火がヘイトを奪わなければいけなくなる。

 それによって効率も悪く、手間が増えるだけなので敵が複数の場合は適当に魔物をレオに流した方が最適だ。


「レオはヒットエンドランで被ダメを少なくしてくれ」


 レオにエンチャント・マナスティールを飛ばしながら指示を出す。

 先ほども言ったようにレオはSTRにSPを多く振っているので素のVITは低い傾向にあり、ラッシュボアの攻撃と言えど喰らえば4割程のダメージは覚悟しなければいけない。

 いくらヒールによる回復が即座にできるとしても一度で4割も回復することは出来ない。それに不知火もいるのでレオだけに目を掛けるわけにはいかない。


「分かってる、ぜ!!」


 突っ込んで来たラッシュボアを避けながら返答したレオは回避と同時に大剣をヤツの身体に滑らせて攻撃を喰らわす。

 もしかしたら、私にタゲが移るのを防ぐためにヘイトを稼いでくれたのだろうか。


「ハイローリングスラッシュ」


 ヤツが転回して再度突撃を始める。それと時を同じくしてアーツを準備したレオはヤツとぶつかるタイミングを見計らってアーツを発動した。

 名前の通り、回転しながら敵を斬りつけるハイローリングスラッシュは発動時に前方か左右に移動しながら対象を攻撃する。

 これにより、盾職が引き付けてから攻撃を加える戦術が正攻法とも言われるボア系の魔物に対して、タンク抜きかつノーダメージで対処することが出来る。

 こんなことを言っては失礼だがレオにしては丁寧な処理だ。余り指示を聞かないレオのことなのでハイヒールを準備していたがこれは不知火に回せそうだ。


 ちなみにローリングスラッシュ系のアーツは今言った移動しながら攻撃する方法と移動後の遠心力を加えた攻撃の2つの攻撃方法があったりする。


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