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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ VS リアクティブスネーク その2

 ロードがヤツの進行方向に向けて手を翳す。するとその場に魔術陣が出現して炎の壁が出来上がり、そこに突っ込んだヤツは僅かなダメージを負うと共に首から少し下までの鱗を爆発させて無防備な肌を晒した。


 レオと一刀が追撃するために駆けだす中、ロードは待機させていた最後のファイヤーバインドを発動させる。

 肩の上あたりに展開されていた魔術陣からは鎖を模った炎が途切れることなく射出されヤツに蛇のように絡みつき束縛をした。しかし、このアーツに関してはヤツとのレベル差故に拘束時間は殆どない。

 それでも拘束されて動かなくなれば、聖が待っていましたとばかりに攻撃をする。


 毎度おなじみのオリジナルスキルを発動させて風属性の魔力を込めれば弓術のアーツを使い強力な一矢を放った。


 それはヤツに向かって駆けだしていたレオや一刀を軽く追い抜くと側面にぶつかって爆裂装甲に触れるが鱗を貫通することは無かった。それでも属性解放の効果によって多くの鱗を剥ぐことに成功し、続けざまにオーラを纏ったレオと一刀が剣を掲げてヤツを斬りつける。


 ロードのアーツにより身動きを拘束され、聖によって鱗を剥がされたため無防備に攻撃を受け続けるリアクティブスネークはHPバーをかなりの速度で削られ、最終的には6割まで削ることに成功した。

 だが、ファイヤーバインドの効果時間が切れて徐々に鱗も再生してしまったため攻撃は中断となってしまい、ヤツの反撃が始まる。


 尻尾が鞭のように唸りながら振り払われてレオたちを弾き飛ばそうとする。それを間一髪で不知火が間に入ることで防ぐがカイトシールドに叩きつけられた鱗が赤熱を始め瞬時に爆発する。

 爆裂装甲の威力はかなり高く不知火と言えどダメージは免れないが待機していたハイヒールを行使することで全快まで回復させた。

 しかし、ヤツの攻撃はそれだけに止まらず体全体を動かして近くにいたレオたち3人を締め付けようと動き出した。一刀は難なく回避することが出来たようだがAGIが低いレオと不知火は逃げることが出来ずに捕縛されそうになる。


「ゼロ!!」

「ああ、分かっている。リリース」


 不知火の言葉に呼応するように高く上げた右手を振り下ろす。この動作により書術のアーツであるリリースにセットされていたホーリープリズンが発動した。

 このアーツを使えば待機時間を無視できるのでホーリープリズンは即座に発動し、レオと不知火を囲うように魔術陣から光の柱が生み出されてヤツの締め付けを防ぐ。だが、白黒の効果が乗っていないため直ぐに光の柱には罅が入った。

 私のレベルが80になったとはいえ相手はレベル50のボスモンスターだ。やはり大きな効果は見込めなかった。しかし、それでも2人が攻撃されるまでの時間は稼げた。


 2人はホーリープリズンに守られているとは言え完全に包囲されて逃げ出すことは出来ないがそこに詠唱を終えたロードが魔術を使った。


 今度は威力重視にしたのだろう。土属性の魔術が次々に発動してヤツに向かって攻撃が始まった。

 岩の弾丸や槍などの攻撃を受けるたびに鱗が剥がれ、それでも攻撃は止まらずに聖の援護も合わさってヤツにダメージを与え続ける。そして、攻撃を受け続けたリアクティブスネークはレオたちを締め付けることを止めて逃げた。


「あの野郎!! 反撃だぜ!!」


 魔術の範囲から逃げ出そうと焼けた森の中を進んでいるリアクティブスネークを追いかけるようにレオが走り出した。


「私たちも追いかけよう。ロードと聖はヤツをエリアの端まで追いつめてくれ。一刀は真後ろについていつでも攻撃に移れるように待機。不知火は追い詰めてからヘイトを奪いヤツの隙を作ってくれ」


 指示を出している間にもレオとはかなり離れてしまった。

 一刀は良いとしても不知火はAGIが低いためバフを二重で掛けて底上げする。聖にはSTRとINTのバフを二重にして、ロードにはINTとAGIのバフを掛けてヤツを追い詰めるのに集中してもらう。


 魔術は矢よりも射程距離が短いのでロードの攻撃が届かなくなれば聖がカバーし、その間にロードが近づき攻撃を始めるのサイクルで徐々にヤツをエリアの端まで追いつめていく。

 これも全員がある程度のテクニックを使えるから出来る攻略法だ。不知火など良く分からないテクニックを使っているしな。全く恐ろしいにもほどがあるぞ。今のうちに技を盗んでおくか。


「ロード行けるか?」

「もちろんですぞ」

「よし、一刀たちは時間稼ぎをロードは範囲攻撃でヤツの鱗を剥いでくれ。その後ロードは補助に回り、その他全員で攻撃に転じる。不知火はヘイト管理を頼んだ」


 全員の返答を聞きながら私も詠唱を始める。ヘイトが不知火に向いているこの隙にやれることはしなければいけないからな。


「【神聖なる息吹が祝福し邪悪なる吐息が侵す 勇猛果敢も虚しく我の眼下で尽き果てる〈連続詠唱 五種強化〉】。さらにもう一回だ。【神聖なる息吹が祝福し邪悪なる吐息が侵す 勇猛果敢も虚しく我の眼下で尽き果てる〈連続詠唱 五種強化〉】」


 動きながらの行使はできないがそれでも強力なテクニックを使う。白色の魔術陣が5つ構築されて魔術陣から色とりどりの輝きがレオたちに降りかかるともう一度同じ現象が起こった。


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