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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ攻略 その5

 攻略が始まってから六時間ほど経っただろうか。今の転移で39階層に跳ばされた。この階層を攻略できれば40階層に到達し、アーマーボアとの戦闘になるが現実世界ではそろそろ朝日が昇り始める時間が近づいている。私としては無理に付き合ってもらう必要はないのだが、どうやら今日はアーマーボアを倒すまで付き合ってくれるようだ。

 なんだかんだ言ってダンジョン攻略は予想よりも速いペースで進んでいる。そのおかげで今までの階層は危なげなく進むことができてしまった。私としてはかなり物足りなかったがここで自分の欲望に従ってしまえば計画も台無しなので何とか我慢した。


「よっしゃ!! 行くぞ!!」

「走るなと言っているだろ。お前はトレインする気か? レッドネームになると解除するのは面倒だぞ」

「レッドネーム常習者は言うことが違うね」


 転移が完了し、レオが早速と言わんばかりに羅針盤にMPを込める。それから針が指す方向に向かって走り出そうとしたが一刀に止められ、お叱りを受けている。一刀はトレインによるMPKでレオがレッドネームにならないように忠告しているみたいだ。それに対して聖がβテストでは大体レッドネームだった一刀に言葉を掛ける。

 確かにレッドネームになると元に戻すのは面倒だった記憶があるがそれはさておき、私がトレインしてレベル上げをしたことは秘密にしておこう。一刀や聖にはバレていると思うがレオがそのことを知ったら私たちの制止を振り切りこの森の中を駆け回りそうだ。


 それはそれで絶対に面白いのでやってみて欲しいが一刀に文句を言われるのは嫌なのでレオが動かないように私もできる限り協力しようと思う。たまに監視の目が緩んでしまうかもしれないが。


「そんなことより魔物が来てるぞ。準備しとけ」

「あ~、あれなら僕一人で十分だよ」


 私も森の奥から向かってきている魔物は目についていたが私よりも先に不知火が注意を促す。すると聖が向かってきている2体のラッシュボアを見てそういった。ロードと一刀も動こうとしたが聖一人で問題ないと思ったのか一刀は再びレオが走り出さないように抑え込んでいる。

 聖が矢を引くとその矢は魔力が込められて放電を始める。そして、矢が二本放たれる。聖は一度に二本の矢を放つことが可能であり、雷を纏った矢は2体のラッシュボアの眉間に目掛けて飛来する。聖は30メートルほど離れたものを正確に射抜く実力もさることながら移動するものに矢を当てる事も容易くやってのける。


 そのため今回も矢が外れることなくラッシュボアに突き刺さった。ラッシュボアとの距離とやつらの体毛のせいで威力が減衰し、頭を貫く事はなかったが狂いなく眉間に矢が刺さっている。しかし、ラッシュボアとて魔物であり、矢が眉間に刺さろうとHPバーが削れるだけで勢いを止めることなく進もうとした。だが、オリジナルスキルによって雷属性の魔力が込められた矢は瞬く間に解放され、放電により脳を蹂躙しHPバーを砕き切った。


〈戦闘が終了しました〉


「弓職が輝きまくってるな。いつもは不遇職扱いされる分、今のうちに楽しんでおけよ」

「弓職が不遇なはずがないんだよ。オリジナルスキルが無ければ一撃で倒すことができないだろうけどそれは他の職でも同じでしょ?」

「確かに魔術で処理をするなら単発だと一撃で倒すのは難しいでしょうな。多重詠唱やらテクニックを使えば可能でしょうが弓職のように射程もありませんし吾輩は弓職はそれなりに強い職だと思いますがな」


 私が思うに弓を使ったことがない人間が弓職を選ぶから不遇と言われるのであって経験者が使えば問題ないはずだ。剣などは弓に比べれば誰でも扱えるだろうし、アシストが付かない動作が、弓を使った事がない者にとって難しいという事だ。それだったらアーツを選択してからアーツ名を宣言するだけで発動する魔術士や剣を振るだけの戦士などの方がよっぽど楽と言ったところか。


 結局は操作性の問題だな。運営も職業によって優劣をつけていないと思うので弓職が有利になる魔物やクエストがあるはずだ。その時になってパーティ募集で弓職を募ることになるだろうが大体は大手に引き抜かれるに違いない。まあ、弓職がソロと言うのも珍しいので殆どが固定パーティを組んでいるのだろうが。


「話もここら辺にして先に進もう。一刀がレオに引きずられているぞ」

「本当だ。なんかすごい光景だね」


 一刀がレオを掴んで動かないようにしているのをレオが強引にでも進もうとして引きずられ始めたので雑談を始めた聖たちに注意を入れる。話し出したら止まらないのが私たちなのだが流石に一刀が居た堪れなくなったので助け舟を出す事にした。あのままだったら何十分も立ち話をしていたことだろう。


「そういえばだがアーサーたちがゼロの攻略速度に驚いていたぞ。それだからか分らないがあいつらも今週はガチで潜るらしい」

「ほお。あれだけ煽って来たのだから途中で挨拶でもしに行くか。レベルキャップが80ってことを考えればいづれは同じ階層まで辿り着けるかもしれないからな」

「ゼロの個人的な恨みは置いといて王都に行けば同盟を組むことになるし、それも良いかもね」


 また、一つ目標が決まった。目指すは70階層だが道中アーサーに会えることを祈っておくか。


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