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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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新アーツ

「ちょっと止まろうか、ゼロ。このレベルについて詳しく聞かせてくれるかな?」

「やっぱりそうだよな。俺の目がおかしいわけじゃ、ないんだよな? レオ、お前の方はどうなってる?」

「俺の方もゼロのレベルが80になってるぜ!!」

「そのことだが、ダンジョンに入ってからにしよう。ここでは周りの目が鬱陶しいからな」


 ダンジョンに入るまでの列で一刀たちに出したパーティ申請が受理されてからの第一声がこれだ。期待していた反応だけに口角が上がるのが自分でも分かる。だが、聞き耳を立てているプレイヤーがいるので詳しい話はダンジョンに入るまでお預けだ。

 ここでカンストの話をすれば、詳しい話を聞こうとプレイヤーが群がりかねない。まあ、ダンジョンに入ってしまえば追うことは出来ないだろうが面倒だからな。それに戦闘が始まる前にさっき習得したアーツの確認を済ましておきたい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〈聖魔術〉

LV50・・エクセスヒール


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〈邪魔術〉

LV50・・エンチャント・マナスティール


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〈書術Ⅱ〉

LV15・・エクスペンショントリプル


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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エクセスヒール・・対象のHPを僅かに回復させ、過剰分をダメージに変換する


エンチャント・マナスティール・・触れた相手のMPを僅かに奪う効果を付与する


エクスペンショントリプル・・次の魔術行使における対象の選択を三つに変更する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今回習得したアーツは全部で三つだ。〈聖魔術〉と〈邪魔術〉の方は順調にレベルが上がっているが、それに対して〈書術Ⅱ〉のレベルはこれと言って上がっていないので書術の新アーツなど久しぶりに見た気がする。ただし、今回も既存のアーツの強化版のようだ。

 だが、書術の中ではよく使うエクスペンションダブルの上位系なので世話になる事が多いだろう。それにダブルとトリプルはそれぞれ別のアーツとして使用できるので〈白黒〉を使わない戦闘に限り戦略の幅が広がる。


 次は本題と言える双極魔術のアーツといこう。それにしても効果を見た限りでは今回はどちらのアーツも当たりだ。まずは聖魔術のエクセスヒールだが、これは攻撃魔術と言って過言ではないだろう。

 僅かに回復させるというのがどれ程の回復量か分からないが通常のヒールでも最大HPの1割程を回復できるので大体そこら辺を目安にしても相手のHPが満タンの状態ならば回復量分の確定ダメージを与えることができると言う事かもしれない。


 なにせ闇魔術のデバフなどは避ける事ができるが光魔術のバフやヒールなどは殆ど避けることができないからだ。今回のアーツもHPを回復させる効果が主体だろうからこれもバフ系と判断されるような気がする。このアーツは後で検証しておこう。もし、私の予想が的中すればかなり化ける可能性がある。下手すれば防御無視の割合ダメージになるかもしれないからな。


 神官の新しい攻撃魔術のようなアーツであるエクセスヒールの今後に期待が高まるが、列も大分進んでいるので邪魔術の新アーツであるエンチャント・マナスティールに話を変えよう。と言ってもこのアーツはアブソープと何が違うのだろうか。

 私としてはMPの回復手段が増えるので神アーツであるのに違いはないが、アブソープと効果が全く同じと言うわけではないだろう。名称としてはエンチャント・カースと似ているからこのアーツも使い方は同じかもしれない。


 だとすると今回のエンチャント・マナスティールは触れただけで効果が発揮するとみていいだろう。だが、アブソープが触れ続けることでMPの吸収率が高まることを考えれば吸収量ではアブソープの方が優秀かもしれない。

 ただ、相手にずっと触れているのは高レベルの魔物になればなるほど困難になるのでその点に関してはエンチャント・マナスティールの方に軍配が上がりそうだ。要は場合によって使い分ける必要があるわけだ。


 これで聖魔術も邪魔術もレベルが最大になったので新しくアーツを覚えることは出来ない。次にアーツを習得できるとしたら三次スキルを手に入れた時になるわけだからまだ先の話になる。それに三次スキルの最初で習得するアーツは今回と同じ初期アーツの上位互換になるだろうし、しばらくは今使えるアーツが全てだ。

 その中で最善の組み合わせを見つけ、戦闘で淀みなく行使できるようにならなければ師匠には勝つことは出来ない。いや、最高の状態で挑んだとしても勝つことはまず不可能だろうが今のままでは前と同じように一太刀も浴びせることができないで終わってしまうだろう。


 師匠に一太刀でも浴びせられるようにダンジョンの魔物どもには相手をしてもらおうか。例えレベルがカンストしても技術にカンストなど存在しないからな。まあ、今からは術理の精度を高めるのではなく魔術の精度や速度を上げることになるのだが。


「それじゃあ、跳ぶぞ」


 一刀の掛け声によって自分が魔法陣に乗っているのに気が付いた。どうやらアーツの確認に集中しすぎたようだ。転移はつつがなく終了し、目を開ければ今日も何時間と居た森に跳ばされた。何階層に跳んだか見ていなかったが多分31階層で間違いないはずだ。一刀たちが跳べるのは31階層が最大なので間違えることはないが。


「これで人目は気にしなくてよくなったわけだ。さあ、そのレベルについて詳しく教えてもらおうか」

「そうだな。俺もそのレベルの上昇速度には驚いている。どういう絡繰りだ?」


 絡繰りも何もないのだが一日でレベルが九つも上がれば誰でも驚くことは間違いない。特に一桁レベルではなく70レベル以上ともとから高かった種族レベルが上がったのだ。その秘訣を知りたくてしょうがないのだろう。


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