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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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大地の塔 その28

 ホーリープリズンによる光の牢獄を回り込むようにして姿を現したのはまたしてもスパイダー系の魔物だったがその後ろにはホーンラビットなどの魔物がいる。両断すれば即死させることも可能なのだがスパイダー系は一撃で倒すのが難しいので放置で構わないだろう。それよりも首を落とせば確実に殺すことができるホーンラビットやファングウルフと言った動物系の魔物を相手にした方が私にとってこの後の展開で楽になってくる。


 まず、最初に迫ってくるトラップスパイダーをジャンプで躱し、そのままホーンラビットの中に突っ込み硬魔を一閃。導魔のように斬撃特性を持っていないため切断することは叶わなかったが木刀特有の打撃により頭蓋骨を砕き、脳が破壊されて即死する。

 だが、直ぐに後方のホーンラビットが跳躍力で威力の増した突撃を繰り出してくる。それを舞風で半身をズラすことで躱し、すれ違いざまに先ほどと同様にホーンラビットの息の根を止める。攻防を重ねるたびに激化する戦闘は徐々に私の戦意を滾らせ、一つ一つの術理が行動に合わせ最適化されていく。


 リキャストタイムが終了すればトラップスパイダーとシルクスパイダーを効果範囲に含めてホーリープリズンからのヘルオーラで処理をし、ホーンラビットやファングウルフと言った魔物は攻撃を躱してから反撃の一撃で息の根を止める。すると、魔物の群れの中から一陣の風が吹き、数発の鎌鼬が飛来する。その鎌鼬はマギオウルが行使する魔導よりも強力だったようで展開していたリフレクトが破壊されてしまった。


 リフレクトを再構築しようにもリキャストタイムが終了していないので便乗するように行使されたマギオウルの攻撃を戦場を駆けて回避する。今の鎌鼬について考察をするがまず間違いなく魔導であろう。そして、その魔導を行使した相手にも心当たりがあった。トレインを行っている最中に私の事を追いかけてきていたファングウルフの上位種だろう魔物だ。その予想は裏切られることはなく私の目の前に映り込んできたのは次の魔導を行使しようとしている魔物だった。


 歩之術理 柱渡(柱渡り)


 リフレクトがない状況で先ほどの攻撃を行われては最悪の場合〈万象夢幻〉が発動しかけないのでそれを阻止すべく、密集した魔物たちの頭や背中を踏み台に接敵を果たし硬魔による死突を放つ。眉間目掛け放たれた死突だがその魔物は自身の周囲に浮遊させていた三つの球体状の風のうち一つを地面に向けて解放することでその反動で後方に跳び、躱すことに成功していた。

 四足歩行の魔物が大きく後ろに移動できる手段を保持している事には驚きだが魔導を正しく使えているようなのでこの階層の中では強敵の部類に入るだろう。私が次の攻撃に移ろうとしたところでヤツを仕留めることに失敗した私を狩るために何体もの魔物が飛び掛かって来た。


 それを跳躍することで上空に逃げ、シールドとリフレクトを使い宙を移動する。先ほどまで私がいた場所は何十体もの魔物が蔓延る魔境となってしまったがそこにヘルオーラを行使して処理していく。空中に滞在する私にはヘルオーラの効果が適用されることはないが下の魔物たちは冥府の如き闇に捕らわれて藻掻き始める。効果範囲の端にいた魔物たちはなんとか逃げおおすことができたようだがHPバーが蒸発する勢いで削れるヘルオーラに少しでも触れてしまったため少なからずダメージを受けているようだ。


 まあ、今はそんな些細なことは置いておいて明確な敵がいるためそちらに集中する。空から地上に向かい加速し蹴りをかます。それをヤツは横に回避して距離を取り、吠えるとともに風の塊が射出される。魔力視により今の攻撃が魔導であることを見抜いた私はリフレクトを使い攻撃を無効化しながら距離を取ってヤツに対して鑑定を行う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

NAME:ーーーー

RACE:ヴェントウルフ LV58


風属性の魔導を扱う魔物。浮遊している三つの圧縮風を利用して戦う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 〈鑑定Ⅱ〉ならばこんなものだろう。これが詳細鑑定なら追加で情報を得られたかもしれないが今はあのヴェントウルフに付随する風の塊に注意すれば良いことが分かったので戦闘に意識を戻す。先ほどの攻防でヤツは一つ圧縮風を使用しているので残りは二つになっている。あれはなかなか厄介なものなので不意を突かれないように気を配らないといけない。私でも後方に向けて縮地などできないがヤツはそれと似たことをやってのけた。なので圧縮風は制限付き縮地の上位互換ともいえる。


 ヤツの攻撃が止んだので今度は私が攻撃を仕掛けることにした。左手を翳し待機中だったパラライズを発動。紫電が飛び避けようとしたヤツに直撃するがどうやらレジストされてしまったようだ。だが、パラライズが発動しようがしまいがどちらでも良い。麻痺してくれれば御の字だがデバフだけを頼りにしているわけではないのでヤツとの距離を詰める。道中私の邪魔をする魔物には引導を渡しながらヤツに接触すれば、魔導の準備が完了したようでヴェントウルフから2本の槍を模した風の塊が飛ばされる。


 飛来する一本の槍をリフレクトの角度を変えることで軌道をズラし、もう片方の槍は硬魔を添えることで往なす。


「これならどうだ? ライト」


 私の眼前で光魔術の初期アーツであるライトが発動され、ヤツの間に魔術陣が出現してそこから光を放つ球体が出現した。その球体はMPを通常よりも多く込めたことで眩い光を放ち、ヤツから視界を奪う。ライトのおかげで私も視界を確保できていないが気配察知の情報をもとにヤツに対して硬魔を叩きつけた。


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