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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ攻略 その2

 どう見てもただの羅針盤だ。ダンジョンの中央は磁極ではあるまいし何か特殊効果があるのだろう。


「羅針盤だな。それでこのエリアを攻略できるのか?」


「できるぞ。ただコスパはかなり悪いがな。ちなみに性能がこれだ」


 そういって一刀がウインドウ開き私の前まで移動させてきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〈迷宮の羅針盤〉 伝説級 ☆10

MPを消費することで1分間迷宮の中央を示す。ただし、この効果は一部の迷宮にしか効果をなさない


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ......おい、等級が伝説級なのだが。流石に伝説級のアイテムを買うにしても手が出せないだろうし、これはドロップアイテムなのだろうがどんだけ神乱数を引いているのか。もしかしなくても、ダンジョンアイテムだよな。

 はぁ。乱数については置いといて効果について考える。確かにこれならダンジョンの攻略はスムーズに進むことだろう。だが、効果時間が1分なのか。それでも強力であることには変わらないが。


「これは一刀が手に入れたアイテムか? それにコスパが悪いと言っていたがどういうことだ?」


「まず、最初の質問に対する答えだがこれはレオが手に入れたアイテムだ。ちなみに17階層の宝箱から入手した。次にこの羅針盤がコスパが悪いと言った理由はコイツを使うにはMPを半分消費するからだ」


 レオか。......あいつは現実世界(リアル)でも運がいいから不思議ではないがやはり乱数は信用できない。レオの運気を私にも分けて欲しいくらいだ。

 それとコスパが悪いと一刀が言っていたがモノは使いようだ。確かにMPが半分も消し飛ぶのは不便だ。特に私やロードが使えば大幅な戦力低下に繋がる。だが、このアイテムをレオが使えばデメリットはあってないようなものになるだろう。


「しかし、お前はそのことも含めて問題ないと言ったのだろ?」


「ゼロはやっぱり分かったか。お前だけだぞ、この話が理解でなかったのは。ゲームの中だからと言って完全に脳筋に成り切らないでくれ」


「それは無理な願いだぜ! 俺はこのプレイスタイルでやると決めたからな!!」


 一刀がレオに文句を言いながら〈迷宮の羅針盤〉を投げ渡せば、レオも同じように文句を言いながらMPを使い羅針盤を起動させた。

 羅針盤は一度クルリと一周した後にある方向を指して停止する。この針がさしている方向に進めば迷宮の中心に進むことができるのか。確かに便利だ。だが、この階層を攻略するには複雑に分岐する通路を進まないといけないのだがそこは大丈夫なのだろうか?


「おお!! こっちに行けばいいみたいだぞ! 俺は先に行ってるから遅れないように気をつけろよ!!」


 羅針盤の仕様について詳しく聞こうとしたらレオが羅針盤を片手に持って羅針盤の示す方向に走っていった。レオが先行するのは不安しかないのだが......。


「ちょっと、レオ! 一人で行ったらまた前みたいにボコボコにされるよ......って聞いちゃいないや」


 前みたいにって何があったんだ? 気になる、とても気になるがそれを聞いている暇はなさそうだ。一刀と不知火がすぐにレオの後を追いだし、それに続いて私たちの方に視線を寄こし『先行ってるね』と片手を上げながら聖も追いかけに行ってしまった。


「いつもの光景だな。私たちも追いかけるぞ」


 これくらい騒いでいるのが私たちというものだ。一刀たちと一緒に行動したのは一昨昨日(いっさくさくじつ)のことなのに昨日今日のスケジュールが濃厚すぎて随分久しぶりな気がしてきた。


「いつもの光景ですな。それとゼロ殿、いつものを」


 ロードの要望通りエンチャント・グリーンアップとハイエンチャント・グリーンアップをかけてAGIを底上げしていく。ロードは純魔術士職だから素のAGIが低く、すぐに置いていかれるからこうしてバフをかけておかないといけない。

 ロードにバフをかけ終わった後は2人で先に行ったレオたちを追いかける。だが、レオたちにはすぐ追いついてしまった。


「できれば戦闘は避けて欲しいとあれ程いったではないか」


 先に行った3人に追いついた時にはすでに戦闘に入っており、中にはゴブリンリーダーたちもいた。それに、近くにいたゴブリンのリンクもすでに完了しているようで脇道から少しずつゴブリンの増援が来ている。


「すまない、ゼロ。俺の力ではレオを抑えきれなった。だが、一刀が攻略は問題ないって言っていただろ。すぐに終わるからこれくらいは問題ないさ。それとレオにはゼロからもきつく言ってやれ」


 不知火の言葉に一刀を見れば、一刀はロードに目を向けたので私もそれにつられるようにロードを見れば仮面によって見えない口元を自信ありげに上げる既視感を覚えた。

 ロードが魔術で範囲殲滅をするのかと納得し、今もゴブリン相手に大剣を振り回し無双を始めているレオを回収しに行く。


「レオ、ロードが魔術を放つみたいだぞ。早く範囲外から出ないと巻き込まれても知らんぞ?」


「なんだと、ロードのヤツまた俺に何も言わないで攻撃するつもりか! 助かったぜ、ゼロ!!」


 ここを離れるようにレオに伝えると愚痴をこぼしながらもすぐに撤退を開始する。私の言葉はしっかりと聞いてくれるのだが他のメンバーの話はほとんどが右から左に抜けていくのが不思議だ。

 現実世界(リアル)だと真面目なやつなのだがここまで脳筋のロールプレイに凝らないで欲しいと思うのは私だけではないはずだ。


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