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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ攻略 その1

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 今の時刻は22時前だ。アーマーボアを倒してから41階層に跳び、すぐに攻略を始めたが予想通り31階層から39階層の魔物よりも格段に隠密性が高くなっていて攻略に多少時間がかかってしまった。

 それに魔物のレベルが40以上がデフォルトになっているので一撃で倒すのが難しくなってしまった。だが、ファングウルフなどの生物系の魔物なら首を刎ねるなどの攻撃で対処すれば即死するのでまだ問題になっていない。


 これがより上層に行けば魔物のVITも高くなって首に攻撃が通らないなどの問題が出てくるだろうが41階層付近ならその可能性は低いと思うので明日は予定通り攻略は程々にして金策に励むつもりだ。

 それはさておき、今からは一刀たちとダンジョンの攻略に挑むことになっている。集合場所は冒険者ギルドなので宿から出てギルドに向かっている途中だ。


 今回の攻略目標は31階層の到達だ。一刀たちの最終到達階層が21階層なので10階層分の攻略になる。私がやっているように強行軍で攻略することになるが何とかなるはずだ。

 各階層は迷路のようになっている洞窟だが一刀が問題ないと言っていたので問題ないのだろう。そして、最後のゴブリンキングとの戦闘だがこちらも全くもって問題ない。


 問題は時間が足りるかだがあいつらは朝まで付き合ってくれると言ってくれたのでありがたく頼らせてもらうことにした。明日も出勤なのに本当にありがたい提案をしてくれたので今度、私の奢りで酒でも飲みに行こうと約束しておいた。

 持つべきものは友人だな。今思えばあいつらとは20年近い付き合いとなるのか。結構長い付き合いだ。


 と、昔を懐かしんでいると冒険者ギルドに到着した。流石にギルドの外で待っているわけではないようで周囲を窺っても誰もいなかった。なので冒険者ギルドの中に入る。

 ギルドの中は良い時間帯と言うこともあり昼に来た時よりも賑わっているがその中でも周囲のプレイヤーに奇異の目を向けられている集団の下へ移動する。


「まだ全員がそろっているわけではないようだな」


「お! ゼロじゃん。そうなんだよ。レオはいつものことだとして、珍しいことに不知火が来てないんだよね」


 周りのプレイヤーたちとは浮いた集団の下に向かい声をかける。するとその中の一人から声が返ってくる。いや、普通に聖なのだがな。いつものように他のプレイヤーからはいろんな感情が籠った目で見られていた。

 今来た私にもその目が向けられるが無視だ。こんなものに一々構っていたら時間がもったいないからな。


「不知火は奥さんと買い物に行ってるから少し遅れると聞いたぞ」


「不知火殿は愛妻家ですからな。確か不知火殿の奥方は第二陣でしたな」


「そうだ。奥さんをエスコートするから不知火は暫くこの国に留まるだろうな。何かあれば連絡を寄こすだろうが夫婦水入らずで行動したいだろうし当分は連絡がこないだろう」


 隣で一刀とロードが不知火について話している。確かにあいつは愛妻家だからな。第二陣が来たら奥さんに付きっきりだろう。


「待たせたな!!」


「すまん。遅れた」


 それから数分してレオと不知火が一緒にギルドの中に入って来た。それにしても、今日もレオの声がデカい。今更だし、言っても治らないだろうから何も言わないが喉が枯れないか心配だ。


「これで全員そろったな。早速だが攻略に向かうが問題ないか?」


「ああ、問題ない。さっきも伝えたが21階層からの攻略になるぞ」


 一刀に『分かっている』と伝え、さっそくダンジョンに向かう。道中も世間話やら、攻略についてやら、欲しいスキルが手に入らないやらと騒がしくダンジョンまで移動する。

 しかし、ダンジョンに着くとプレイヤーの数が多く、しばしの列に並んで待つこととなった。


「そういえばパーティを組んでないと魔法陣で一緒に跳べないぜ」


「ああ、そうだった。完全に忘れてたよ」


 いや、私は知らなかったのだが。まあ、ソロで行動しているので知らなくても問題はないのだが。とりあえず、私から全員にパーティ申請を行う。


「おい、ちょっと待て。ゼロ、この数字はなんだ?」


「これは......AWOを楽しんでおりますな」


「LV71ってありえんだろ」


「流石は廃人勢だな!!」


「いやいや、流石の廃人勢でもこのレベルは普通じゃないよ?」


 まあ、こうなるわな。一日のほとんどをAWOの中で過ごしているし、戦闘しかしていないからこのレベルになったのだ。


「そんなことより列が進んだぞ。早くしないと攻略に使う時間が減ってしまうだろ?」


「ゼロ......やはりお前は戦闘狂だ」


 戦闘狂か。確かにそうかもしれない。今までは断固として認めていなかったが確かに戦闘狂かもな。最近は戦うことが楽しくて仕方がない。そういえば前に私の家に来た十六夜から『また強くなってる』とすねられたな。

 全力で戦えてかつ強くなれるこの環境は私にとって最高な世界なのかもしれない。と考えていると魔法陣が起動し、ダンジョンへと転移された。


「それで一刀はこの階層の攻略は任せろと言っていたが何か新しい情報でもあったのか?」


 ダンジョンに転移が完了し、周囲を見渡せばゴブリンたちの領域である洞窟の中だったので策があると言う一刀に尋ねる。


「ああ、情報ではないがとっておきのアイテムがある」


 そういって懐から手のひらサイズの羅針盤を取り出した。


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