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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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アーマーボア

 今は樹の上に潜む魔物が多くなってきているので普通に地面を走りながら探索しているのだが、ふと違和感を覚え気配察知の強度を高める。


「......トラップスパイダーがいるな。てことは最終区域に入ったってことか」


 気配察知のスキルに反応があったのでそちらに目を向ければクモの巣が張られていた。よく目を凝らせば見えないこともないがこのクモの巣を目視するのは、光の反射が無ければ難しい。そのためこれを張った本人、いや本魔物? はトラップスパイダーなどと呼ばれているのだろう。

 まあ、ほとんど見えないのだから集中して探さないと巣に引っかかるのだがな。私も最初にこの巣に引っかかった時は金縛りにでもあったのかと焦ったものだ。ついでに危うく死にかけたのは苦い思い出だ。


 私はINTやMNDは高いが耐久力がゴミなので一撃でも喰らえば瀕死になるくらいには弱いからな。常時バフをかけるようにしてはいるが雀の涙にしかならないだろう。案外VIT上昇のスキルもあるから耐えることができるかもしれないが、それを確かめようとは思わない。

 スキルも使いながら周囲を探索すれば看破が発動して樹の影に隠れていたトラップスパイダーを見つけることができた。この森に出現する魔物のほとんどがデフォルトで隠密のようなスキルを持っているので見つけるのが大変だ。


 今は私の方が、レベルが高いから違和感に気づけているがこれが格上になってくると毎回奇襲されるだろうと予想できる。その時はその時だが、いい鍛錬になりそうだし今から楽しみだ。

 それはそうとトラップスパイダーは私のことに気づいていないので今のうちに進んでしまうことにした。時間があれば倒していたところだがまだ31階層なのでここで油を売っている暇はないのだ。


 身をかがめ、スキルの強度を高めながら今度は慎重に森の中を進んで行く。ここで枝を踏み抜き、自分の位置をばらすなどと言ったテンプレは犯さないように気をつけながら進んで行けば気配察知の効果範囲からトラップスパイダーの気配が消えたので再び森の中心を目指し走り出す。

 この森林型のエリアは4段階で魔物が強くなっており、その中でも今のトラップスパイダーがいるのは4段階目になる。そして、この区域を越えれば中央にたどり着くことができるのだ。


 それから隠れている気配を看破しながらこちらが見つからないように進むこと10分ほどでやっと広場が見えてきた。数体しか魔物と戦闘をしていないので攻略にかかった時間は30分程度だった。

 次の階層も今と同じペースで攻略できればなんとか41階まで進むことができるだろう。戦闘はせずにただこの場所を目指すならそこまで時間はかからないと証明できたし、戦うならこの階層よりも上の階の方が戦い甲斐がある。なにせゴブリンたちと同じように群れを成してくるだろうからな。


・・・


・・



「時間は......よし、まだ余裕があるな」


 一刀たちと合流するまであと一時間ほど残っている。31階層からとにかく戦闘はしないように気配を消して進んできたかいがあり39階層まで足を運ぶことができた。

 次は40階層のフロアボスでそれが終わり、41階層の魔法陣に乗れれば明日はダンジョンに籠って金策ができるわけだ。


 そのためにも40階層のフロアボスには即退場してもらわないと困る。まだここの魔物たちとはレベル差があるはずなのに何回か奇襲されかけたことがあるのだ。スキルなどのまがい物ではない本当の種族としての力には敵わないと言うことだろう。

 今回はどうにか乗り切ったが41階層から上は上手く対処できるだろうか。そんなもの考えなくても無理だと分かる。何度もパターンを見れば対処できるようになるが初見でどうにかするのは無理だ。


 なので、フロアボスに時間を取られると41階層を攻略できないかもしれない。そんなことでまた31階層からやり直しとか最悪だ。そういうわけで40階層のフロアボス、アーマーボアについての情報を解禁することにした。

 せっかくのフロアボスなのに攻略本片手に挑むのはもったいないが今はそんなことを言ってもしょうがない。さっそく一刀から送られてきた情報を読んでいく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

40階層フロアボス アーマーボア


 外見はラッシュボアと同様に原種の猪に酷似している。ただし体を覆うように鋼の鎧を纏っているのが特徴的。体長は5メートル、体高は4メートル以上の強大な体躯を持ち、主に突進攻撃を繰り返す。

 その巨大な身体に似合わない素早さを持ち、エリアを縦横無尽に駆け巡るため集団での戦闘は後衛職を巻き込まないように注意が必要。


 また、HPの減少度合いにより行動パターンが変化するので注意すること。行動変化は2回でHP3割までを通常モードとするならHPが3割切ったところで怒り状態に移行する。怒り状態は基本的に攻撃力と素早さが上がる。

 2回目の行動変化はHPが1割切った時に移行する激昂状態。この状態になると纏っている鎧の形態も変化し、鎧がより分厚くなる。激昂状態では攻撃力、防御力、素早さが上昇する。


 ちなみにアーマーボアが纏っている鎧は自身の魔導によって構築されているようで何度鎧を破壊しようと直ぐに修復される。また、攻撃に魔導を使用することはない。

 物理攻撃は鎧によって弾かれるので魔術で倒すのが基本戦法になる。物理攻撃でもダメージを与えられないことはないが激昂状態では大剣使いでもダメージを与えることができなかったとアーサーからの話だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 流石は一刀。これだけの事前情報があれば問題なく戦うことができる。物理攻撃が効きづらいとのことだがそこは問題にならない。私としては行動パターンさえ分かってしまえば後はこっちのものなのだ。それではアーマーボア戦を始めるか。


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