スキルオークション
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どうも。焼肉丼はニンニク多めが一番だと思っているゼロです。あれからダンジョンを抜け出し、街の宿に戻ってからログアウトをして昼飯を食べてきた。
あと少し遅れていたら店が閉まるところだったが何とか間に合ったので本当に良かった。週に一回はあの味濃いめの焼肉丼が食べたくなるのだ。
現実世界での話はこれで終わりにしてとりあえず冒険者ギルドに向かう。インベントリに溜まったアイテムも売っておかないといけないからな。
一体いくらになるのか。儲けになればいいのだがゴブリンのドロップアイテムだから期待するだけ無駄だろう。
ギルドに入ってから壁側にある依頼表を見る。依頼表にはゴブリンからドロップするアイテムの値段が設定されていてそのアイテムを提出すると報酬が支払われるようになっている。
その依頼表を見ながら依頼に出ているアイテムをインベントリから取り出し、受付に提出する。
「これらの精算をお願い致します」
「はい。少々お待ちください。......精算が完了しました。合計で24010バースとなります。詳細についてお聞きになりますか？」
「いや、大丈夫です。それとこのアイテムは買取できますか？」
そういって依頼表に乗っていなかった〈汚い布〉やゴブリンソード系の奴らからドロップしたボロボロの装備シリーズを見せる。
「それは一律1バースでの買取になりますがよろしいでしょうか？」
1バースか。ゴブリンからのドロップアイテムだから仕方ないのだがあまりにも安すぎる。まあ、私が持っていてもゴミとなるだけだから買い取ってもらうのだが。
しかし、丸一日ダンジョンに潜っても3万バースにもならないのか。これだったら街の外に出て周辺の魔物を狩り続けた方が儲かる。まあ、ダンジョンでしかドロップしないアイテムがあるし、上の階に行けば行くほど報酬金が上がっているので今だけの辛抱だろう。
そのほかにも持っていても仕方がないドロップアイテムを全て売り払ってから冒険者ギルドを後にし、次はマーケットを覗くために生産職ギルドに移動する。と言っても生産職ギルドは冒険者ギルドの横に建てられているので移動もすぐに終わった。
生産職ギルドに入ってからは適当な椅子に座りメニュー画面からマーケットを開く。検索フォームにスキルの書と入力すればズラーと今売りに出されているスキルの書の一覧が表示された。
ほとんどのスキルの書には値段が設定されていて、残りはオークション形式で売りに出されている。ちなみに値段が設定されているスキルの書はほとんどがスキルショップに売られているスキルだった。
値段もスキルショップで買うより高めに設定されているのでここで買うことはないだろう。それよりオークション形式で売りに出されているスキルの方が重要だ。
さらに条件付きで検索をすると今オークションに出ているスキルの書は40冊程だった。AWOのプレイ人口が１万5千程度であることを考えれば相当少ないがこんなものだろう。
一つずつ確認していくが目当ての魔力が関係するスキルはなかった。その代わりと言っては何だがなかなか便利そうなスキルがあったのでオークションに参加するか少し悩みどころだ。それに入札終了まであと30分もないから参加するなら今しかない。
そのスキルと言うのが〈身体強化〉というもので身体能力を強化するパッシブスキルだ。強化系のパッシブスキルは強力なものが多いから持っておくに越したことはないが今の入札額が100万バースになっている。
100万なら問題なく入札できる値段なのだが主催者の備考を見るとこのスキルはダンジョンアイテムとしてドロップしたと書いてあったのでもしかしたら自力でドロップできるかもと淡い期待を抱いてしまうのだ。
まあ、そんなに乱数が良ければ今まで苦労していないだろと悪態をつきながらさらに50万バース上乗せする。
これで落とせればいいのだが予算としては300万ほどにしておくか。残り時間もあと少しだし、このまま見張っていれば競り落とすことができそうだ。だが、油断はいけない。
マーケットのオークションは残り1時間になると競りが激しくなるからな。まあ、ダメならダメで清く諦めるさ。
競りが終わるまでの間は他のスキルの書の入札状況を見ながら暇をつぶすことにする。ダンジョンでは戦闘から生産職用まで幅広くスキルの書が落ちるようだ。主催者の備考を見るとそのほとんどがダンジョン産と書かれているのだから間違いないだろう。
その中には昨日私が入手した〈号令〉もあったが今の入札価格は60万バース程であった。護に売った時の価格よりも高いがあいつは知り合いだからそれくらいの値引きはいいだろう。
それよりも〈武技効果上昇〉と言うスキルが脅威の380万バースまで値段が上昇している。それにまだ競りが終わっていないと言うのだから驚きである。
これだけの金をよく集めたものだと感心するがパーティーメンバーにでも借りているのだろう。
そんなこんなで〈身体強化〉の競りも終わり、最終的には180万バースで落札することができたのだった。
