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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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VS ゴブリンキング その1

 あの25階層の戦闘以降、自分が少し生き急いでいる感じがしてきたので深呼吸をして気持ちを整える。いかんな。逸る気持ちが先行してしまっているではないか。

 常に冷静に。これを心がけなければ勝てる戦いにも勝てなくなってしまう。幸い何事もなく29階層までたどり着いたからよかったものの何かあってからでは遅いのだ。


 まあ、ここら辺の階なら問題はなかっただろうが。これは傲慢ではなくそれだけ私の力に自信があると言うことだ。それこそが傲慢な気もしなくはないが引き際は弁えているから大丈夫だろう。


 よし! 心機一転。レベル上げはこのまま続けるとして今重要なことは次のフロアボス戦についてだ。一刀の情報によれば次のフロアボスはゴブリンキングになる。

 ゴブリンキングは魔の森で戦っていて初見の相手ではないから心配することはないが確かヤツの特性が配下の強化だったはずだ。強化値もそれなりに高かったと思うが問題はゴブリンキングと一緒に出現する魔物がどれになるか、だ。


 流石に配下の強化と言うスキルやら特性があるのだから単体で出現することはないだろう。そうするとゴブリンリーダー戦の時と同じように配下のゴブリンが出現する可能性が高い。確かあの時はゴブリンを10体だけ引き連れていた記憶がある。

 そう考えると今回も10体前後のゴブリンが出てくることだろう。だが、その中にはもちろん上位種のゴブリンがいることは間違いないはずだ。


 いつものように階段を上る間にバフを唱えパラメーターを上昇させておく。早くしないとバフの効果が切れてしまうので駆け足で上りながらバフをかけていくのだが全てをかけ終わる前に魔法陣の傍らまで来てしまったので連続詠唱でどんどんバフをかけていく。

 これで準備は完了。30階層、3体目のフロアボスと言うこともあるのでそろそろダンジョンアイテムを期待しても良い頃合いではないだろうか。


 そんなしようもないことを考えつつ本心では『どうか、ゴブリンリーダーだけはいませんように』と祈りながら魔法陣の上に乗る。


〈ボスエリアに侵入しました。戦闘を開始します〉


 戦闘開始のアナウンスが鳴ると同時に周囲を見渡す。見つけたのは全部で3パーティー分のゴブリンたち。つまり計18体。25階層の時を考えればそこまで敵が多いというわけではないが何かとめんどくさそうなゴブリンが2体ほどいる。

 だが、喜ばしいことにゴブリンリーダーはいないみたいだ。他のゴブリンたちも仲間を呼ぶことができないのでこれ以上増えることがなく、『ふぅ』と安堵の息をこぼす。


 それにしても3パーティー分を相手取るのはソロのプレイヤーではなかなかきつそうだ。普通はダンジョンにはフルパーティーで挑むものだからソロ用には作られていないのは分かるが......さて、どいつから倒すべきか。

 導魔を両手で持ち、いつでも反撃できるように中段で構える。やつらは私を見ても未だに攻撃を仕掛けてくることがないが王からの命令を待っているのだろう。


 王、ゴブリンキングが命令を下せば攻めてくるのは間違いないがそれと同時に配下の者たちにもバフがかかるのだろうな。ゴブリンキングのバフがかかったところで王の前で隊列を組んで待機しているゴブリンナイト、ゴブリンマギソード、ゴブリンアーチャー、ゴブリンウィザードは一撃で倒せると思うからそこまで心配はしていない。

 だが、それ以外のやつらは微妙だ。前衛の要たるゴブリンジェネラル、王の近衛騎士たるゴブリンパラディン、味方を鼓舞し、癒す支援の要たるゴブリンクイーン。これら3種が一番手古摺る(てこずる)相手になることは間違いない。


 ゴブリンジェネラルは20階層のフロアボスとして出現しているので説明は省くとしてゴブリンパラディンはとにかく防御力が高いゴブリンだ。その代わりと言っては何だが攻撃力はゴブリンジェネラルには及ばない。だが、こいつがいる限り主にゴブリンキングだが、それと同じ位ゴブリンクイーンへの直接攻撃は必ず防ぎに来るので指揮格を潰す作戦が取れなくなる。

 最後にゴブリンクイーンはゴブリンプリーストの上位互換だ。ゴブリンプリーストが回復の魔導しか使えなかったのに対してゴブリンクイーンは仲間へのバフも使える存在になる。コイツは先に倒しておかないとゴブリンパラディンとの戦闘で邪魔されることになるので面倒なゴブリンだ。


 ゴブリンたちの情報を整理していると痺れを切らしたのかゴブリンキングが一言、配下のゴブリンたちに命令を下す。それと同時にゴブリンナイト、ゴブリンマギソードが私の下へ鬼気迫る顔で距離を詰めてくる。

 しかし、やつらが私の下へ来る前に第一撃が飛来する。それはゴブリンアーチャーとゴブリンウィザードたちによる遠距離攻撃であった。


 それを最低限の動きで躱しながらゴブリンナイトたちがこの場に到達するのを待つ。ゴブリンウィザードたちとは距離があるので攻撃が当たることはない。

 だが、指揮格がゴブリンキングなのでゴブリンナイトたちとの戦闘中にも注意を払っておいた方が良さそうだ。上が優秀だとゴブリンたちの連携は目を見張るものがあるからな。


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