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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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大地の塔 その19

 全方位から飛んでくる攻撃に対し密度が低い所を探し、そこに向かって攻撃を捌きながら向かい一度ゴブリンウィザードたちから距離を取る。

 全てのゴブリンリーダーを倒したことで指揮系統に異常をきたし、ゴブリンたちが思い思いに攻撃を仕掛けてくるので攻撃を読むのは簡単になっているがその分、敵仲間問わず攻撃をしてくるため無駄な被弾が怖い。なので、一度距離を取り状況を把握しておこうという魂胆だ。


 距離を取ったことで現状を把握することができた。所詮はゴブリンと言ったところか。命令を下していたゴブリンリーダーがいなくなったことで全てのゴブリンが自分勝手に動き隊列などすでに崩壊している。

 このまま離れたところにいれば前衛職のゴブリンたちが私を倒すために向かって来るだろう。それもゴブリンアーチャーなどの後衛職がいるここの場所にだ。


 そんなことをすれば後衛のゴブリンたちのアドバンテージがなくなるに決まっているのだが、やつらは分かっていないようだ。まあ、今も私に近接戦を仕掛けられている時点で遠距離攻撃と言う強みはないに等しいのだが。

 このまま待っていればさらに私が有利になるのならそうするのが一番賢い選択であるのは間違いないのでゴブリンソードたちが来るのを待つことにする。


 その間にも矢による攻撃などが飛んでくるが私はその場から動かずに迎撃をする。やつらも私が攻撃してこないならばこれ幸いと攻撃の手を強めてくる。

 この攻撃を捌くのは慣れたもので片手間で済んでしまう。たまにゴブリンシャーマンがデバフを使ってくるが、それもパラメーター減少系がほとんどで稀にポイズンやパラライズらしき魔導も飛んでくるが残念かな私に触れた瞬間に全てレジストされている。


 ゴブリンシャーマンにとっては全く味方の役に立てていなくて肩身が狭いことだろうが、安心して欲しい。味方の役に立てていなくてもちゃんと私の役に立っているのだから戦闘に出ている意味はあるぞ。

 そんな慈愛の目でゴブリンシャーマンを見ればムキになり何度も魔導を行使しているところだったのでいたたまれなくなり、そっと視線をずらしておいた。


 それで、何が私の役に立ったのかだがデバフ系の魔導は導魔で消失させることができるか試しに攻撃してみた時に紫色の靄、多分ポイズンらしき魔導だと思うのだがそれはゴブリンウィザードの魔導と同様に消失した。

 魔力を含む魔導は同じ魔力を含む攻撃で迎撃すれば防ぐことができるのではないだろうか。ここで攻撃系だけでなく支援系の魔導も防ぐことができると分かったのは良かったのかもしれない。


 基本的に魔導と魔術は同じもので行使する者が違うだけなので対人戦でも使える技術であることは間違いない。対人戦においてこの技術は途方もない真価を発揮してくれることだろう。

 それに私のオリジナルスキルの性質上、デバフは特に気をつけなければいけない。攻撃系のアーツはリキャストタイムがそれなりにあるので一度防いでしまえば次の発動までは余裕を持てるがバフ、デバフ系のアーツはリキャストタイムが短い関係上、連発されてしまうと対処が大変になる。


 特に〈万象夢幻〉は多段ヒット判定の攻撃に弱いので対策が見つからないようなら次のオリジナルスキルはまた防御系のオリジナルスキルにしようと思っていたから対処法があって安心した。

 オリジナルスキルは臨機応変に対応できるように創っていきたいので防御系を何個も保持しておきたくはない。もしかしたらオリジナルスキルの数に制限があるかもしれないので不安の種は無くしておくに限る。


 良い感じにゴブリンソードたちの前衛職が後衛職のゴブリンたちと入り乱れてきているのでこの辺で思考を切り上げる。

 ここで私が突撃をかければどうなることやら。きっと混乱に陥り魔導と矢が飛び交うに違いない。さぞ楽しいことになるぞ。それにゴブリンソードたちと言う盾もあるのでいちいち飛び道具を弾く必要もない。


 ゴブリンソードたちが完全に後衛職のゴブリンたちの立ち位置から抜ける前に私も飛び出し大群の中に突撃していく。

 最初に交戦したのは剣を掲げ突撃してくるゴブリンだ。だから何だという話であるが最初に攻撃を仕掛けてきた栄誉を称え一戦交えてやろう。


 ゴブリンソードの持っている剣と私の導魔が交差する。だが、鬩ぎ合いなど起こらずゴブリンソードの剣を熱したナイフでバターを切るかのように抵抗なく斬り裂き、勢いそのままにゴブリンソードも両断していく。

 実にあっけない最後だがこうなることは分かっていた。魔力が便利すぎるのだ。あの剣も金属でできているのに関わらずスパスパ切れてしまうのは、流石はファンタジーと言うところか。


 それからは剣を交差させることもせず、相手が動く前にこちらが動き近距離遠距離職のゴブリン問わず初手でとどめを刺す。

 近接戦ではやつらが私に勝てるはずもなく、遠距離からの攻撃は近くにいるゴブリンを盾にしたり、攻撃の射線上にゴブリンを誘導したりさせて同士討ちを起こさせて対処する。


 ゴブリンプリーストは味方が一撃で倒されるのでいる意味をなさず、ゴブリンシャーマンもデバフがレジストされてゴブリンプリーストと同じく存在意義を見いだせていない。

 まさに一騎当千、天下無双。ゴブリンリーダーがいなければこんなもんだ。私にかかればゴブリンが何体いようと楽勝よ楽勝。


 だけど、おかわりは遠慮したい。次からはもっと慎重に探索を進めようか。流石に何回もこんな戦闘はしたくないからな。


次回の更新は少し間が空くかもしれません

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