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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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大地の塔 その16

 活路を見出した。


 左右にはまだゴブリンたちが剣を構えてこちらに斬りかかろうとしているがゴブリンリーダーを守る第一の関門は突破することができ、次はやつらを守る最後の関門である後衛ゴブリンたちだけだ。


 歩之術理 縮地


 前傾姿勢から一瞬で加速しゴブリンウィザードたちとの距離、10メートルを瞬時に詰める。


 瞬きの合間に距離を詰められた目の前のゴブリンウィザードはすぐに反撃をしようと私に杖を向けようとするがいちいちコイツの魔導が発動するまで待っているほど私は優しくないのですれ違いざまに硬魔で首を叩き折る。

 さらに導魔で近くにいるゴブリンたちを4体まとめて一刀のもとに断ち切る。4体とも切断面からは散り散りと黒い靄が舞いまるで灰となって消えていくかのようだ。


 攻之術理 羅刹


 本当だったらゴブリンリーダーにこの殺意を叩きこんでやりたいとこだがそうも言っていられない状況なので殺気を得物に込め、ついでに周囲にも迸らせる。狙い通りゴブリンたちは殺気と言う圧によりその動きを止める。

 その隙を逃さず一閃、二閃。魔力視を発動させている私にはゴブリンたちを攻撃した後にその軌道をなぞるように魔力の跡が遅れて生じ幻想的な光景を醸し出しているのが視える。


 今考えることではないがこの魔力の残留は邪魔だな。今度からは残留が残らないようにしていかなければいけない。魔力を隠蔽することの重要性を再認識した今日であった。


「まあ、そうなるよな......リフレクト」


 ゴブリンウィザードたちの集団に突っ込んだのはいいが予想通りやつらは味方へのダメージを無視した攻撃を仕掛けてきた。私の周りにはまだゴブリンアーチャーやゴブリンプリーストたちが数体ほど残っているがそれを囲い尽くすように各種魔導が飛び掛かってくる。

 私もそれに対応するように魔術、魔導を反射するリフレクトを行使するが基本的にこのアーツは単体攻撃専用なので跳ね返せるのはこの中のどれか一つだけになるだろう。


 そうすると反射できていない軽く30を超える魔導攻撃が飛んでくるのだがそこは自分の力を信じてただひたすらに襲い掛かってくる攻撃を斬り裂いていく。

 お目当ての魔導攻撃が来ないのでただひたすらに避けれる攻撃は避け、直撃しそうな攻撃は導魔を振るい消失させていく。ここで少しでも掠ってダメージを負うようなことが無いように細心の注意を払い対処する。


「ままならない。さっきまではあれだけ使ってきてたのになぜ今度は土や風属性が大半なんだ。いい加減お目当ての攻撃をしてもらえねばまた遅延を喰らうことになるではないか」


 逸る気持ちを押さえ攻撃を捌いていくがそろそろ捌き続けて2分ほど経過しようとしている。なんていうかこの攻撃も完璧に捌けるようになってしまったのだが。

 本当だったらゴブリンリーダーに接近するために策を練っていたのだがなんだったらこのままごり押しで攻めるか? 案外簡単に成功しそうな気もしなくはない。


 なんだかんだ逆境に打ち勝っていくのが私なのだ。自慢なのだがこと戦闘に関しては他人に追随を許さない才能を持っている。

 自画自賛はその辺にして魔力視で周囲を見渡していると異変を捉えた。幾度となく飛来する矢や魔導の隙間から魔導陣が出現していたのだ。


 それもただの魔導陣ではなく今も私に向かって雷の弾などを飛ばすときに出現させる魔導陣の5,6倍はあるだろう。隙間隙間からしか見ることができていないがその全貌を知ればゴブリンがこれ程巨大な魔導を行使することができるのかと驚愕するのは間違いない。

 かく言う私も少し驚いているくらいだ。やつらなら行使できても剣や槍などの形をした魔導を飛ばすくらいだと思っていたがこれはそれを上回る攻撃なのは明らかだ。


 本当ならばこのままにしておくと大変なことになりそうなのですぐに近寄り魔導陣を壊してしまいたいところなのだがこれから発動されるだろう攻撃を想定するとどうにもこのまま行使された方が良さそうだ。

 それとよく見ればこの魔導を発動させようとしているのは1体ではなく複数体のゴブリンウィザードであった。流石にこれほどのものを一体で行使できるとは思えていなかったので予想通りと言えば予想通りなのだがまさかゴブリン同士が協力して魔導を行使してくるとは思ってもみなかったことなので驚きだ。


 やつらにも協調性と言うものがあったのだな。多人数で魔導を行使するのはβテストの時も含めて初めて見る光景なので早く発動させてみて欲しい。いったいどれほどの攻撃が来るのか楽しみだ。

 いい加減このちまちま攻撃されるのも飽きてきたところなのでこの攻撃を皮切りに動き出そう。時間的にもここでこれ以上拘束されるのは今後の予定に支障をきたしそうだからな。


 それからさらに時間が経ち、ついに魔導が行使された。それは、言うならばプレイヤーたちが行使するストーム系の魔導であるがその大きさはいつもよりも一回り、いや二回り以上巨大である。

 

 そしてその強大な魔導攻撃は私に向け味方もろとも巻き込み段々と近づいてくるのであった。


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