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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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大地の塔 その13

〈ログインしました〉


 朝だと言うに迷宮の中は騒がしいようだ。メニュー画面を開きを時刻を見れば時計は6時を示していた。結局昨日はなんだかんだゴブリンたちとの戦闘がすんなり終わり25時にはここまでたどり着くことができた。

 そこで護と別れ、私も探索を打ち切りにしてログアウトしたのだが気づけばこうしてログインしている。おかしいな。朝起きてからの記憶が全くないのにすでにAWOにログインしているとは私もこのゲームに随分とのめり込んでいるようだ。


 ここは21階層の中央なわけだがこのまま22階層に進むか一度ダンジョンから出て街に戻るべきか。さて、どちらにしようか。この階層の魔法陣なら帰還石を使わなくてもダンジョンの外に跳ぶことができるがこのまま進むようであれば次に帰還石無しで街に戻ることができるのは31階層の魔法陣に乗った時だ。

 そのことを考えるならば今のうちに外に出ておいた方が良い気もするが外に出るメリットが今一つない。


 まだ、ミサキさんたちは迷宮の街に来ていないようなのでアルに導魔を修復してもらえるわけではない。それにあと少しは導魔の耐久値も持ちそうなので武器については問題なし。一番の問題となるインベントリの容量だが容量のほとんどを埋めているゴブリンのドロップアイテムはいらないのを捨ててしまえばまだ入れることができる。

 考えれば考えるほど街に戻るメリットがない。それならば今日も探索を進めるか。目標は40階層のフロアボスを倒して41階層の魔法陣を踏めれば最高だ。


「今日からは護がいない、と。護のハイドには大分助けられたから今更一人でダンジョン探索も億劫なものだ」


 そうは言っても今日は護は予定がありログインできないようなので仕方がない。まあ、なるようになるか。とりあえず22階層に跳んでから考えよう。

 この階層に知り合いがいれば誘いたいところだが私がパーティーを組みたいのは探索に特化したプレイヤーなのでいるわけがない。特に強行軍まがいのことをしても問題ないプレイヤーとなると護くらいしかあてはまらない。


 はぁ、現実とはままならないものだ。街に戻って住民の中から道案内を務められる人材を紹介してもらうのも良いがそんなサービスをやっているとも限らないし、そのためにわざわざ街に戻るのもバカらしい。

 そんなことを考えていたらいつの間にか21階層の魔法陣が設置されている階段の最上階までたどり着いていた。


 この休憩所にはそれなりに人がいるが待ち時間なしで跳べるのは良いことだ。私は待ち時間が嫌いなのだ。と言うより何もしないで暇に過ごすのが性に合わないのだろう。

 

「行列を見ると並ぶ気が失せるのは私だけじゃないはずだ」


 またまた、独り言を言いつつ魔法陣の上に乗る。するとダンジョンから出るか次の階層に跳ぶかの選択肢が浮かび上がったので次の階層に跳ぶの欄を選択する。

 そして目を瞑るほどの光と浮遊感の後に転移が完了する。


「分かっていたことだがまた洞窟か。ハイドがいないから昨日と同じようにはいかないよな。さて、ゴブリンどもが集まる前にさっさと探索を始めてしまおうか」


 昨日は護がいてできなかったが今日は私一人しかいないのでスキルの隠密を使いできるだけゴブリンたちに見つからないように探索を始める。

 多分この階層でもゴブリンたちを一撃で沈めることができるとは思うがこの巨大な洞窟の迷路を一人で攻略するのは時間がかかる。なのでできるだけ戦闘は避ける方向で探索をしていくことにした。


 どうせやつらのドロップアイテムは高値で売れないからな。良い値で売れるようなら乱獲してその金で転移石を購入してこの階層はスキップしていたところだ。

 

 1階層の時と比べてこの階層まで上がってくると流石に出現するゴブリンの数が多い。それにまばらにいるのではなく目視できる範囲でもかなりの数がいる。

 これは困った。今の〈隠密Ⅱ〉のレベルでは見つかりかねない。やつらの後ろ側を移動するならバレないだろうが流石に目の前を歩いたりすればバレるよな。一応自前で気配を薄くすることはできるが祖父のように目の前にいるはずなのに全く気配がないとか意味わからんことは私にはできない。


 全てのゴブリンにバレないように行動するのは無理だと考えて探索するしかないか。だが一体にでもバレると直ぐにリンクしてくるだろうからバレたくはない。

 バレたらすぐに始末しないと大変なことになりそうだ。なにせこのダンジョンは山のようにそこら中にゴブリンがいるのだ。ゴーレムの時の比ではないモンスタートレインになるに違いない。もしそんな状態で階層の中央まで行けば阿鼻叫喚の地獄絵図になることは間違いないだろう。


 それはそれで見てみたい気もするがプレイヤーだけでなく住民もダンジョンに潜っているので流石に自重しよう。動き方も決めたことだし行くか。基本は隠密重視の移動。とにかくこの広大なダンジョンを探索するには歩いていては間に合わないだろうから走ることが重要だ。

 それで、もしもゴブリンに見つかったならばやつらが仲間を呼びリンクする前に息の根を止める。粗削りだがこんなものだろう。31階層からは洞窟型ではなくなるし今くらいは暗殺者スタイルで乗り切ってみるか。


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