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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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フロアボスのドロップアイテム

〈戦闘が終了しました〉

〈斬撃強化のLVが上昇しました〉


 最後のゴブリンプリーストを倒すと同時にアナウンスが鳴り戦闘終了を告げる。結局、新しくゴブリンを呼ばれることはなかったし、戦闘終了までかかった時間もわずか数分なので上出来ではないだろうか。

 だが、残念なことにレベルアップのアナウンスは流れていない。やはり、このレベル帯だと貰える経験値も少ないだろうから仕方がないか。


「お疲れ様です。思ってたより順調にいきましたね。それにしてもゼロさんの剣技ってどうなってるんですか。ゴブリンリーダーが真っ二つって理解ができないのですが。本当にそれって木刀なんですか? 実は木刀に見せかけた真剣とかじゃないですよね?」


「いや、これは正真正銘ただの木刀だ。ただし、中には鉄心が入っているがな。それと木刀でも敵を斬ることができるからくりはなんとなく分かった。私も最初はステータスによる身体能力の強化によって強引に切断できるようになっているのかと思ったがどうやら刀身を覆っているこの魔力が影響しているようだ」


「俺は魔力視のスキルを持っていないので魔力の流れが見えませんがそれがあるとどう違うのですか?」


「この〈導魔〉には中にミスリル鋼が仕組んであってな。そのミスリル鋼のおかげでMPを消費すれば刀身に魔力を纏わせることができるようになるのだが、最初はただ木刀を覆っていただけだった魔力が無意識下のうちに真剣のように鋭くなってきている。多分だが、これが理由だろう。言うならば見えない剣と言ったところか」


「なるほど。魔力って便利ですね。俺もオリジナルスキルの制約にMPについて入れてますし、今後は魔力がゲームの鍵になるかもしれませんね。今後のことを考えると次は魔力を強化するオリジナルスキルを作るのもありですかね?」


 確かにオリジナルスキルでMPを増やすことができればMPを消費する行動に余裕が出るので戦闘などは楽になりそうだ。それにMPを回復するだけだったらMP回復ポーションを使えばいいが、あれは何度も使うとデバフが入るしそう多用できるものでもない。

 だが、そんな簡単にMPを増やすオリジナルスキルを創れるとは思えないけどな。そんなことができればゲームバランスがおかしなことになるし、プレイヤーが魔術士で溢れることになりそうだ。


 まあいい、まだ早いが次のオリジナルスキルについては構想を決めているのでこの話はやめだ。それよりもフロアボスを倒したことだし、ドロップアイテムの確認をするか。


 フロアボスを倒せば確率で通常ドロップアイテム以外にもう一つレアなアイテムを落とすのでそれを期待している。中には強力な武器やスキルの書もあるようなので是非ともドロップしてもらいたい。

 基本的にダンジョンで入手できるレアなスキルの書は強力なスキルなことが多い。なので街では当たり前のように数百万バースで取引されている。


 期待に胸を膨らませながらインベントリを開くとそこにはまた増えてしまったゴブリンのゴミドロップアイテムたち。そして、その中に一つ本の形をしたアイテムがあった。

 まさかのいきなりアタリを引いてしまったようだ。そのアイテムを選択するとやはりスキルの書であった。こんなところで運を使うとはいいのか悪いのか。ドロップ率は低いはずなので運が良いことは確かなのだができればもっと上の階層でドロップして欲しい所ではある。


 なぜなら上の階層の方がドロップするアイテムが強力になるからだ。だが、せっかくドロップしたアイテムなのでありがたく使わさせてもらおう。

 さらにインベントリを操作しスキルの書を手元に出現させ、鑑定を行う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〈号令〉

パーティーリーダーがこのスキルを保持しているとき命令に対して強制力がわずかに働きやすくなる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ......いらないのだが。私はそうそうパーティーを組むことはない。それにパーティーを組んでも命令とかは特にしないので全く不要な代物だ。どちらかと言えば護の方がこのスキルは必要だろう。

 少し期待していた分落胆は隠せないがそんな簡単に上手く物事は運ばないし仕方がない。護がインベントリの確認をしている間に掲示板で取引価格を調べて護に売りつけてやろう。


「ゼロさん、アイテムの方はどうでした? こっちは空振りですね。新しく獲得したアイテムを見ても一番いいの〈ゴブリンの眼球〉でした」


「私は〈号令〉のスキルの書がドロップしたぞ。掲示板で調べたがこのスキルは大体50万バース程で取引されているみたいだが、どうだ買うか?」


「マジですか。それゴブリンリーダーのレアドロップ枠じゃないですか。俺も掲示板で知って欲しいと思ってたんですけど魔石を大量買いしてしまったせいで今手持ちがないんですよ」

 

「きっちりと払うなら金はあと払いでも構わないぞ。どうする? いらないようだったら市場に流してしまうが」


「いいんですか! それじゃあ、買わせてもらいます」


 取引成立っと。まさかのゴブリンリーダーのドロップアイテム枠だったのか。てっきり追加で落ちるダンジョンドロップアイテムだと思っていた。これなら他のフロアボス戦で追加のダンジョンアイテムが落ちる確率が収束してくれるはずなので結果的にラッキーだったな。


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