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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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大地の塔 その3

「ゼロさん、向こうはもう終わりそうなんで俺たちも向かいましょう」


 私には状況が把握できていないが護の目に映る光景はすでに決着が着く寸前の所まで戦闘は進んでいるようだ。護の戦い方を見て欲しいと言われたがこれはどう反応すれば良いのだろうか。

 要するに自身は戦いに直接参加せず召喚獣の視界を通して指揮を執ると言うことで良いんだよな? 全員にバフをかけるだけでいいのだから結局私がやることは変わらないので安心だ。


「ゴブリン相手だと戦法も何もないですね。レベル差のごり押しでなんとかなっちゃいましたよ。本当だったら俺と召喚獣の連携でも見てほしかったんですけどね」


「連携を私に見せたかったのか。昔とプレイスタイル自体は変わってなさそうだから私は適当に動かせてもらうぞ」


「神官なのに動くとか流石ゼロさんですね。普通はそんなことを考えるプレイヤーはいないでしょうよ」


「ほっとけ。私も別に剣士とかの職業でも構わないのだぞ? だが、ゲームの中くらいはリアルじゃできないことをやってみたいだろ?」


〈戦闘が終了しました〉


 おっと、どうやら本当にウルフたちがゴブリンを全滅させたようだな。意外と召喚士も有りではないだろうか。思ったより召喚獣たちも精力的に動いているし、召喚士になったからと言って近接戦ができないわけではないしな。

 まあ、一刀たちとパーティーを組むこともあるしその時に何もできなくなることを考えれば選択肢から外れるのだが......それはそれで縛りプレイみたいで悪くはないか。


「ちょ、なんで笑ってるんですか! 怖いですよ、ゼロさん」


 護の戯言は放っておいてゴブリンたちを倒した場所まで到着すると3体のウルフが行儀よくワンコ座りをしながら尻尾を振って護を見ていた。

 真ん中のウルフなんかは口元からよだれが垂れてるぞ。召喚獣たちに好かれてるいるのが良く分かるが世話をするのが大変そうだな。やっぱり、私は猫が良い。あのツンとした感じがたまらんのだ。


「よくやったな、クロウ、ガルク、アンブ。よしよし。次も頼むぞって、ハイドもよくやったよ。そんなに嫉妬するなって」


 何これ? ハーレム的なやつか? なんで私はこんなものを見せられているのだろうか。


「仲が良いのは分かったので先に進みたいのだが?」


「あはは、そうですね。ゼロさんを置き去りにしちゃいますよね。俺たちはいつもこんな感じなんで、すみません。よっし、ハイド、次はどこに行けば良いか教えてくれ」

 

 すまんな、護。私は先に進みたいのでお前と召喚獣のお楽しみタイムに付き合ってる暇はないのだよ。召喚獣とのじゃれ合いは私がいないときに好きなだけやってくれ。


 セイクリッドオウルのハイドが指し示した道を進んで行くと何度かゴブリンと遭遇するが優秀なウルフたち3体が先に進み処理をしてくれているおかげで私たちが見るのは息絶えたゴブリンだけだ。

 私は戦闘に全く参加していないが、しっかりとインベントリにドロップアイテムが増えていた。召喚獣って便利だな。オリジナルスキルで召喚士の真似事でもしてみるのも面白いかもしれない。ドラゴンとか召喚できれば夢がある。


「ゴールが見えてきましたよ」


「本当だな。あそこの通路を進めばもう中央か。流石は護の召喚獣と言ったところか」


「そんなことはありますね。まあ、俺のってよりもハイドが賢いってのが一番大きいんですけど」


 それも含めて護のと言う意味なのだけどな。ここまで明確に意思疎通ができているのは護のオリジナルスキルの影響があるかもしれないがひとえに護の思い、愛情が召喚獣たちに届いている証拠かもしれない。

 VRヘッドギヤを装着しているので喜怒哀楽の感情くらい脳の電気信号で読み取れるだろうしな。おっと、そんな野暮なことは考えてはいかんな。


「ここで休憩挟みますか?」


「私はこのまま進むつもりだったが護は休憩が必要か?」


「いや、問題ないです。このまま進みましょう。とりあえず10階まではノンストップでも良さそうですね」


 それが良いだろう。まずは10階層にまで進み、フロアボスを討伐する。そしたら11階層まで進めるのでそこの魔法陣に乗れば次にダンジョンに入る時には11階層目からも再開できるようになる。


・・・


・・



「パラライズ......これで終わりか」


〈戦闘が終了しました〉


「ここだと本当に俺らってやることありませんね」


「私もこうしてデバフを使えば護の召喚獣が勝手に倒してくれるからほとんどやることがないな」


「本当だったらこれだけの量のゴブリンを楽に勝つのは簡単ではないんですけどね。これもゼロさんのオリジナルスキルのおかげですね」


 攻略を進めてからそれなりに時間が経ったこともあり、今は第9階層にまで到達している。ここまでの道のりはハイドのおかげで割とスムーズに階層の中央に進むことはできたのだが7、8と階が上がるごとに出現するゴブリンが群れで行動するようになり戦闘で時間を食われることになっている。

 ここ、9階層も例外ではなくさっきも8体ほどの団体様がご来店してきた。さらにめんどくさいことに近くのゴブリンとリンクするようですぐに仲間を集めてくると言うおまけつきだ。


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