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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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召喚獣 その3

「次は俺たちの周りを警戒しているセイクリッドウルフですね。こいつらはそれぞれクロウ、ガルク、アンブって言います」


 そう言われてもどのセイクリッドウルフも白に灰色が混じったただの狼なので違いが分からない。体格が少し違うかなってくらいの判断しかできないが問題なさそうなので適当に頷いておく。


「セイクリッドウルフの特徴としてはスキルの〈連携〉ですね。このスキルは同じスキル持ちがいるほどステータスなんかが上がるみたいでセイクリッドウルフの5体編成でも案外なんとかなるんですよ。まあ、それだと苦戦する魔物もいるので控えの霊獣は敵のタイプに応じてパーティーを変えられるようにしていますけど。他にセイクリッドラビットもいますね。コイツは攻撃力やHPは低いですけど、とにかくすばしっこくて立体軌道もできるので避けタンクみたいな役割を担ってくれます。逆にセイクリッドボアは素早さが低い代わりに防御力やHPが高いのでしっかりとしたタンク役になります。他に俺が召喚できる奴だとセイクリッドタートル、セイクリッドモールだけですね」


「セイクリッドタートルは今のところ活躍できる場面は少なそうですよ。防御力面はセイクリッドボアよりも高いんですけど他の召喚獣に比べると圧倒的に遅いのでタンクとしても活躍できていませんね。俺もステ振りでAGIにポイントを割り振ってるんですけど如何せん元のAGIが低いので成長率は悪いです。コイツは次の進化に期待と言ったとこですね。最後にセイクリッドモールですけどこいつは潜りモグラって言う魔物と同じ習性を持っててスキルにも〈鉱石採取〉ってのがあるんですよ。そのおかげで地中に潜って鉱石なんかを拾ってきてくれるんですけど戦闘中も我関せずと鉱石ばっかり集めてるので戦力には数えれません。でも、取ってくるアイテムはゴーレム系の魔物を倒したときのドロップアイテムよりはレア度が高い鉱石系のアイテムなので移動中とかだと役に立ちますね」


 思ったより召喚獣の種類は少ないのか。他の街でも魔石を集めていると聞いたのでてっきりもっと種類が豊富なのだと思っていた。


「ゴーレムの召喚獣はいないのか?」

「それがなぜか召喚できないんですよ。ゴーレムに限らずトレントンもダメだったので元の魔物が生き物じゃないといけないみたいな条件がある感じですかね。でもゴーレムの魔石とかを使えば確率でセイクリッドウルフとかを召喚は可能なんですけどね。それと、ファングウルフの魔石で召喚を行えばウルフが出やすいみたいな感じで使う魔石によって召喚されやすい召喚獣が決まっているんだと思います」


 魔石が召喚する召喚獣に影響を与えているのか。それで生き物以外の魔石を使ってもセイクリッドウルフとかが召喚されてゴーレムなどは出てこないと。


「護は中位召喚士だろ? 魔獣召喚士だとどうなるか分かるか?」

「中位召喚士と同じでゴーレムとかの魔獣が出たって情報は聞いてないですね。多分ですけど今召喚できるのって生き物......このゲーム風に言うと原種になると思うんですよね。もしかしたら次の転職で変わるかもしれないですけど今のところ召喚獣は原種がモチーフになっていると考えていいと思います。あ、この先にゴブリンの団体さんがいるみたいですよ。せっかくなので俺の戦い方を見ておいてください。ゼロさんは神官なんで俺の動きが分かった方がこの後の行動もしやすいでしょうし」


 気が利くではないか。まあ、βテストの時に何度か戦っているところは見ているからサポートについては問題ないのだが護がやる気なので伝える必要はないか。


「クロウとガルクはそのまま敵陣に飛び込んで奇襲を仕掛けろ。アンブは俺の横で待機。ハイドは敵が接近してきたら報告を頼む」


 次々に護が命令を出していきあっという間にクロウとガルクは通路の奥に行ってしまった。通路の奥は明かりが少なくよく見えていないがあいつらは問題なく動けているようだ。


「ここからだと向こうの動きが分かんないですね。ちょっと覗いてきます。〈コネクティングセンス〉......クロウは右からガルクは左から挟み込むようにしてゴブリンに襲い掛かれ」


 護が何かのスキルを使ったようで見えなくなった二体のクロウたちに指示を出している。もしかして召喚獣の視界を共有しているのか?


「このままでも行けそうですね。アンブもクロウたちに混ざって攻撃に移れ。ガルク、そっちにアンブも向かうからよろしく」


 何が何だか分からないがどうやら通路の奥ではゴブリンたちがあのウルフ3体にボコボコにされているようだ。なんとなくゴブリンの叫び声でどんな目に合っているかは想像がついてしまうが。


「護のそれは召喚士のスキルか? 意外と便利だな」


「いや、これはオリジナルスキルですよ。流石に詳細までは言えないですけどクロウたちが見ている光景を俺が見れたり、念話もできる能力ですね。これのおかげで今回もいつものプレイスタイルで戦えるので重宝してます」


 まさかのオリジナルスキルか。詳しく聞くのはマナー違反だから聞かないが念話が使えるのは会話ができない召喚獣とパーティを組むうえで何かと便利だろうな。


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